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映画エネミーライン結末のネタバレと感想!荒れ果てた女神像が示唆しているものについても

2019/09/13
 
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2001年公開のアメリカ映画「エネミーライン」を見ました。

ユーゴの内戦を舞台に政治的な駆け引きも絡むため、単なる戦闘シーンだけの映画と違いかなり充実した内容になっていました。

実際の空母や戦闘機を使っているため、映像にリアル感があるのもよかったです。

ここではエネミーラインの結末をネタバレし、感想をまとめました。

また映画に出てくる荒れ果てた女神像が示唆しているものについて考えてみます。

 

映画「エネミーライン」の結末をネタバレ

アメリカの偵察機がボスニアヘルツェゴビナ内を偵察に行ったら、セルビア人武装勢力に撃墜されてしまい、搭乗していた2人の軍人が敵地から逃亡するというこの映画。

途中で1人は犠牲になりますが、生き残ったクリス・バーネット大尉は武装勢力の攻撃をかわしとにかく逃げる、地というストーリーです。

そして最後は脱出に成功するというのが結末です。

こう書いてしまうとつまらなく感じるかもしれませんが、政治的な話も絡むのでかなり緊張感をもって結末を迎えることができる映画です。

そしてラストでクリス・バーネット大尉以上に印象的だったのが、バーネット大尉の上司・レイガード司令官です。

上からの命令に逆らってまで自分の部下を守る行動をとったレイガードは左遷人事を受けますが、これを受け入れず引退の道を選びます。

レイガードが部下たちに見守られながら職場を去るエンディングはテロップと映像だけの短いシーンですが、この映画の中で最もかっこよかったシーンでもありました。

映画「エネミーライン」の感想

ストーリーはシンプルだが内容は深い

映画のストーリー設定はとてもシンプル。

ボスニアヘルツェゴビナで撃墜されたアメリカの戦闘機から脱出したパイロットが敵陣から脱出する。たったこれだけです。

シンプルなストーリーなので何も考えず見ることができますが、かなり内容は深いです。

旧ユーゴの民族紛争の停戦合意が実現し、争いが治まってきたことからNATO軍が撤退を開始。

しかし不測の事態に備えていたアメリカ空母カール・ヴィンソン号から発艦した偵察機が非武装地帯でレーダーに何かを発見。

予定のルートを外れ無許可で非武装地帯に飛びその様子をカメラで撮影すると、セルビア人武装勢力からミサイルを受ける、という前提があります。

もし戦闘機のパイロットを助けたら、また戦争がはじまりたくさんの命が犠牲になるかもしれない、というかなりヤバい状況も加わるため、かなり緊張感を伴いながらストーリーが進んでいきます。

ストーリーはシンプルだけど、内容は深く見ごたえがある。そんな印象の映画でした。

テンポ感、映像の迫力がすばらしい

「エネミーライン」はとてもテンポ感がいい映画でした。

アメリカ空母カール・ヴィンソン号から戦闘機が飛び立とうするところから始まり(結局は飛び立てませんが)、敵地に偵察に行き撃ち落とされ、生き延びたパイロットが敵の追撃をかわしながら逃げていく。

安全地帯に逃げていく間に森を抜けたり、ムスリム人の死体の山を発見したり、生き残ったムスリム人と出会い、町でセルビア武装群の襲撃を受けたり、と非常にリズミカルに話が進んでいきます。

途中で飽きるようなことはありません。

映像もリアルで迫力満点。

実際の空母や戦闘機が登場するシーンはトップガンとは一味違う迫力がありましたし、爆破シーン、銃撃シーンも息がつまるほどの緊張感。

特によかったのは戦闘機に地対空ミサイルが迫ってくるシーン。

よけてもよけてもミサイルがしつこく追ってくる場面では、つい手を握り締めて見てしまいました!

2000年代初頭に作られたとしては映像の完成度はかなり高い映画だと感じました。

最後まで部下を見捨てることはしなかった提督

軍や警察を舞台にした映画では、最初は理解があると思っていた上司が部下を裏切る、ということが往々にしてあるものです。

しかしこの映画での上司は最後まで裏切らない上司でした。

「エネミーライン」ではNATO軍のピケ提督がアメリカ海軍レズリー・レイガート司令官に、敵の支配地域にいる部下(戦闘機のパイロット)を救出しないよう命令してきます。

もしアメリカ軍兵士を救助すれば、再び戦闘が始まり和平は遠のき、米軍はまた大軍を投じることになるかもしれないからです。

部下を救出するか、和平実現を取るか?ここはだれだって迷います。

でもこの映画での上司・レイガート司令官は、部下のためなら自分の地位を失っても構わないという立場の司令官でした。

映画でよくある部下への裏切りは一切なし。自分の進退をかけて部下の救出を決断します。

しかも最後は自分がヘリコプターに乗って部下を助けに行くのですからしびれます!

結局左遷人事をされたレイガート司令官は引退したところで映画は終わりますが、彼の姿に心打たれた観客は多かったはずです。

この映画はレイガート司令官が主役だったのでは、というエンディングでした。

ツッコミどころもところどころに

もちろん「エネミーライン」にはいいことばかりではなく、ツッコミどころもそこそこあります。

まず映画ではお決まりですが、敵に攻撃されても主人公には弾が当たりません。
まるでシュワルツェネッガーやスタローンの映画を見ているよう。

また偵察機の録画機器を見つけたのであれば、それを発見次第に画像が収録されたディスクは回収するはず。

なのに最も大切なディスクを回収しておらず、敵の戦車がやってきて攻撃を受けてから回収しに戻るというのは明らかにおかしいです。

そんなツッコミどころもありますが、それを補ってあまりある、適度な緊張感が心地よい映画でした。

「エネミーライン」で荒れ果てた女神像が示唆していたものは?

映画の序盤に偵察機が地対空ミサイルの攻撃を受け、バーネットとスタックハウスの2人がパラシュートで降りてくるとき、女神像(マリア像?)が映るシーンがあります。

あの女神像は実際にあるものではなく、映画のために用意された作り物でしょう。

像に向かって左側から右側が映ると、像の顔右半分が大きく破損しています。

平和を願う女神の顔が破損しているというのは、これからの2人の困難を予言しているようなシーンでした。

1992年から約3年半以上続いたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では、死者20万人以上、難民250万人を出した大規模なものでした。

集団殺害や強制収容、集団レイプも組織的に行われていたそうです。

そのため第2次世界大戦後のヨーロッパでは最悪の紛争といわれています。

映画の中でも森の中でムスリム人の死体の山が出てきますが、これは現実に起こったことです。

顔半分が破損した女神像はまさしく戦争の象徴。激しい戦争があったことを示唆していたのです。

あの映像を見たとき、原爆の被害を受けた長崎県浦上教会のマリア像を思い出しました。

長崎のマリア像も「エネミーライン」の女神像も、人々の愚かな争いを悲しい気持ちで見ていたはずです。

しかも映画の最後は女神像がある高台での戦闘でしたから、女神像もよりせつない気持ちになっていたのではないでしょうか。

楽しいはずの娯楽映画ですが、現実の紛争を扱っただけに考えさせられるシーンでした。

まとめ

「エネミーライン」の結末は

  • クリス・バーネット大尉は無事に帰還し、部下を守ったレイガード司令官は勇退する

私個人の感想は

  • シンプルな設定だが内容は深い映画
  • テンポ感、映像がよい映画
  • 最後に上司は裏切らない

シンプルなストーリーながら見ごたえ十分で、満足度が高い映画でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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