アニメ「秒速5センチメートル」で明里が貴樹に告げた「あなたはきっと大丈夫」という言葉。
このセリフは、幼い頃の二人の再会シーンで登場しますが、その後の二人の関係を考えると、この言葉の意味は非常に深いものとなっています。
果たして明里が言った「あなたはきっと大丈夫」の真意は何なのか?
切ない別れを予感させるものであったのでしょうか?
この記事では、あなたはきっと大丈夫の意味は別れの言葉だったのか、物語を振り返りながら考察していきます。
目次
アニメ秒速5センチメートル「あなたはきっと大丈夫」の意味は別れの言葉?
その発言は各方面に大丈夫ですか?笑
中学生のときからずっと見守ってきた子が他の男に取られた秒速5センチメートルな気持ち pic.twitter.com/pMQ9nl7rTh
— あんころもち (@ppp_T3snow) August 9, 2020
明里は別れ際に「きっとこの先も大丈夫」と声をかける
明里が貴樹に「きっとこの先も大丈夫」と声をかけるシーンは、第1話「桜花抄」のクライマックス。
二人が再会した後の朝、貴樹が帰るため電車に乗り込む場面です。
具体的には、貴樹が雪の中、長時間の遅延に耐えてやっと明里に会いに来た夜、久々に再会し、語り合い最初で最後のキスもした2人。
これがまた別れに繋がることを感じながらも、朝まで一緒に過ごします。
朝になり、貴樹は帰らなくてはならず、電車に乗り込む際、明里は、「貴樹くんは、きっと大丈夫だと思う。ぜったい!!」と声をかけ、電車のドアは締まり、ドア越しに貴樹も惜しみながら「明里も元気で!手紙書くよ!電話も」と伝え帰っていきました。
明里の手紙にも「きっと大丈夫」と綴られていた
明里の手紙にも「きっと大丈夫」と綴られていました。
それは明里が貴樹と再会した際、渡せなかった手紙で、再会する際に貴樹が来るまでの間に駅の待合室で書いたもの。
手紙の中身はアニメ版では、公開されておらず、小説版で公開されている内容です。
その内容とは、
- 明里は引越しなんかしたくなかった事
- いざとなれば、電車に乗っていける距離に貴樹くんがいるから大丈夫だと思っていたこと
- これからは、1人でもちゃんとやっていけるようにしなくてはいけないこと
- 貴樹くんもそう思っているのか?ということ
が書いてあり、最後には
貴樹くん、あなたはきっと大丈夫。
どんなことがあっても、貴樹くんは絶対に立派で優しい大人になると思います。
貴樹くんがこの先どんなに遠くに行ってしまっても、私はずっと絶対に好きです。
と想いを伝える文章が綴られていました。
ここでも「きっと大丈夫。」とありますよね。
一体どういう意味なのか下記で考察してみました。
明里の手紙の「きっと大丈夫」は、別れを覚悟した言葉
もう公開から1ヶ月経つからネタバレするけど、すずめの戸締まりの最後で、三陸鉄道の車両の草太が乗って鈴芽と別れるシーンで、鈴芽の作画がちょっと粗い。これが秒速5センチメートルで岩舟駅で貴樹と明里が別れるシーンを思い出して凄く好きなんだけど、分かるオタクいる? #すずめの戸締まり pic.twitter.com/MHS1piK6i7
— もっちゃん (@ak_hr_ll) December 14, 2022
上記の明里の渡さなかった手紙の「きっと大丈夫」は別れを覚悟した言葉です。
なぜなら、この手紙を見ると、
一人でもちゃんとやっていけるようにしなくてはいけません。
そんなことが本当にできるのか、私にはちょっと自信がないんですけれど。
でも、そうしなければならないんです。
私も貴樹くんも。そうですよね?
と問いかける文章があります。
これは、いつまでも好きだと言う言葉をくれない貴樹へすがる言葉で、本当の気持ちを探るための言葉。
それからの告白の文章ですので、少し希望を残した「きっと大丈夫」と言ったと思われるからですね。
明里の心情としては、
- 明里は貴樹の好きだと言う言葉を待っていた
- はっきりしてくれないなら、別れよう
- このまま続けていてもお互いのためにならない
- 頼っている自分が嫌
というところではないかと考察しました。
再会した時の「きっと大丈夫」は別れを決意した言葉
再会し、電車に乗り込む際の別れ際に言った「きっと大丈夫」は、別れを決意した言葉として言ったのだと思われます。
なぜなら、これは、無理矢理にふりしぼった言葉であり、本意ではない、自分への区切りをつけるための言葉。
あなたは私がいなくても大丈夫、自分も大丈夫、と言い聞かせるために発したと感じたからです。
この時の、明里の心情を読み取ると
- 好きだと言ってくれない貴樹、はっきりしてくれない貴樹にもう期待しない。
- またそんな自分も伝えなくても良いと言うことはあまり好きではないと気がついた。
- 遠く離れてしまうので、終わりにしなければならないと思った
- 貴樹が自分を好きではないと思った
- キスまでしたのに、何も言ってくれないし、もうこれで十分だと言い聞かせた。
というところだと思われます。
最後まで、はっきりとした言葉をくれない貴樹にも、そして、貴樹ばかりに固執していただけで、遠距離になった事で気持ちが離れていて、そんなに好きでなかった事に気づいたのかもしれません。
そして、「キスをした前と後では、世界が変わって見えた」と回想で言う場面。
ここが覚悟→決意に切り替わるポイントですね。
貴樹は明里を守れる強さが欲しいと思う
一方、貴樹は、明里を守れる強さが欲しいと思いました。
帰りの電車の中でのセリフ。
「僕は彼女を守れるだけの力が欲しいと強く思った」とあります。
これは、遠く離れてもいつでも飛んで行けるような人間になりたい、早く大人になりたい、あるいは、守れるような強い人間になりたい、との意味だと解釈。
すなわち「今の自分じゃ無理だ」と諦めている言葉だと捉えました。
ここもクズポイントで、なんか言い訳に聞こえてきたところなんですが・・
明里にしようとした約束は自分への約束になり縛りつけることに
貴樹には、かつて、再会した際に渡そうとした手紙に、明里にしようとした約束があります。
しかし、それはいつしか自分への約束となり縛りつけていくことに・・・。
貴樹の吹き飛ばされた手紙の内容に「いつかずっと先にどこかで偶然に明里に会ったとしても、恥ずかしくないような人間になっていたいと僕は思います。そのことを明里と約束したいと思います。」と綴られています。
アニメ版最後のシーン、貴樹が疲れている描写はこの約束が原因で、ずっと恥ずかしくない人間になろうとしていたため。
渡せなかったけど、自分がした約束は果たしたいというところですね。
貴樹はその後の人生で「きっと大丈夫」を求める
僕の好きな新海誠作品のキャラクター紹介始めます
「7日目」
秒速5センチメートル 最終章
水野理紗
主人公の貴樹くんと同じ会社で働いていて付き合っている。
1000回のメールをしたけど心は1センチほどしか近づけなかったといった張本人アニメではあまり出番はないが小説だとしっかり描いてる。 pic.twitter.com/kWye9RmtzN
— セキトバ 石原アポストロフィー (@WAHAHA794) July 7, 2020
貴樹はその後の人生で「きっと大丈夫」を求めることに。
約束に縛られ続けていた貴樹はついに精神的に限界が訪れます。
付き合っていた水野理沙から別れを告げられた貴樹は、
そういう願いがずいぶんと身勝手なものであることも分かっていたが、それを望まずにはいられなかった。ずっと昔のあの日、あの子が言ってくれた言葉。
貴樹くん、あなたはきっと大丈夫だよ、と
このように思ってしまいます。
明里が言ってくれたその言葉をずっと探し続けていたのでしょうね。
「きっと大丈夫」と言ってくれる女性とは出会えず
きっと大丈夫と言ってくれる女性とは出会えませんでした。
このことは小説からわかります。
- 隅田香苗の最後の言葉は「ありがとう。」
- 初めて付き合った大学の生協のバイトで知り合った彼女の最後の言葉は、「もったいないじゃない。」
- 塾でバイトしていた時の彼女からの最後の言葉は、「私たちはもうダメなのかな。」
- 水野理沙からの最後の言葉は、「すこし辛いのです。」
このように貴樹が欲しい言葉は言ってもらえていません。
しかし、貴樹は明里と違い、自分で歩くことをせず甘えすぎていたのかもしれません。
最後は受け入れ、前を向き歩いたことは良かったですね。
まとめ
『秒速5センチメートル』公開から、今日で17年目です。画像は、当時使わなかったポスターの別案。桜の季節まで、今年ももうすぐですね。 pic.twitter.com/2jR5XUwiZO
— 新海誠 (@shinkaimakoto) March 3, 2024
いかがでしたでしょうか。
「秒速5センチメートルあなたはきっと大丈夫の意味は?別れの言葉だったのか」でした。
秒速5センチメートルあなたはきっと大丈夫の意味は別れの言葉?
- 明里は別れ際に「きっとこの先も大丈夫」と声をかける
- 明里の手紙にも「きっと大丈夫」と綴られていた
- 明里の手紙の「きっと大丈夫」は別れを覚悟した言葉
- 明里は別れの決意の言葉として「きっと大丈夫」と言った
- 貴樹はその後の人生で「きっと大丈夫」を求めるがと言ってくれる女性とは出会えず
最後まで読んでいただきありがとうございました!