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バケモノの子は意味不明?つまらない・駄作と言われる理由についても

バケモノの子

心が温まる師弟の物語として知られる映画「バケモノの子」。

細田守監督によるこの作品は、公開当初から賛否両論が巻き起こりました。

「意味がわからない」「つまらない」などと評価する声もある一方で、「深いテーマに感動した」と称賛する観客も多く見られます。

本記事では、「バケモノの子」が難解・意味不明だと感じられる理由や、つまらない・駄作と批判される背景について、作品の構成やテーマをもとに解説していきます。

作品の魅力を再評価するためにも、あえて否定的意見を踏まえて、本作をもう一度見つめ直してみましょう。

 

 

バケモノの子(映画)が「意味不明」と言われる理由

物語のテーマが多層的すぎる

「バケモノの子」は単なる異世界ファンタジーではなく、成長・親子・アイデンティティといった多様なテーマを同時に描いた作品です。

九太と熊徹の師弟関係は表向きの物語ですが、その裏には「人間の心の闇」「他者との関わり」「父性の不在」といった複雑なテーマが重なっています。

この多層構造ゆえに、一度の視聴では全体像をつかみにくく、「結局何が言いたい映画なのか分からない」と感じる人が多いのです。

また、細田監督自身がこの作品に込めた意図として「いろいろな形の父親像と、子どもが成長していく過程を描きたかった」と語っています。

感情のぶつかり合いを通して“家族ではない関係の愛”を描いた作品であるため、ストレートな感動や明快なカタルシスを期待した観客ほど困惑したのかもしれません。

「白鯨」の引用が難解に感じられる

劇中で登場する「白鯨」のエピソードは、作品を象徴する深いモチーフです。

しかしこの部分は文学的引用が強く、背景を知らないと理解が難しい点もあります。

登場人物の楓が「白鯨は自分自身の心の闇の象徴」と語るように、復讐心と葛藤の物語として知られる原典『白鯨』を、人間が抱える“内なる闇”の比喩として使っています。

この「心の闇」こそが作品の核心です。

一郎彦が暴走して巨大なクジラの姿となるのは、人間が恐れや憎しみに飲まれた姿の象徴です。

九太も同じ闇に落ちる可能性を秘めており、二人は“表裏一体”の関係にあります。

ただ、こうした心理的・象徴的描写が続くことで、観客によっては抽象的すぎて消化不良に感じることもあります。

現実と異世界の行き来が唐突

渋谷とバケモノ界の対比構造は魅力的ですが、視聴者によっては世界観の切り替えが唐突に見えるという指摘もあります。

少年九太が渋谷から熊徹に出会い、バケモノ界で成長していく過程は感動的な一方、人間界へ帰る後半の展開に違和感を覚えるという声は少なくありません。

異世界で完結してほしかった」という意見や、「現実の描写が薄い」という感想もあり、ストーリー上の転換が難解さを助長したといえます。

 

バケモノの子が「つまらない」「駄作」と言われる理由

テーマの散漫さとテンポの問題

物語の序盤から中盤にかけては、熊徹と九太の関係性の変化が感動的に描かれています。

しかし後半になると、突然シリアスな戦闘描写や「心の闇」のテーマに焦点が移り、それまでの師弟ドラマと乖離してしまう印象があります。

そのため、「後半からの展開が急」「テーマがぶれた」と感じた観客が少なくなかったのです。

特に観客が期待していた“修行と絆の物語”が途中から“人間の闇との戦い”へと変質していく点は、構成上の違和感を生んでいます。

このギャップが「つまらない」と言われる大きな要因です。

感情的な繋がりが描き切れていない

熊徹と九太の関係は親子のようでありながら、最後の別れがあまりに急で、「もっと感情の整理が欲しかった」という意見も多数見られます。

熊徹が「転生の剣」として九太に宿る終盤は象徴的な感動場面ですが、説明的なセリフが少なく、具体的な感情描写が淡泊だと感じる人もいました。

このラストはメタファーとしては完成されています。

しかし多くの観客が「熊徹と再会するシーンがほしかった」「一郎彦との和解が中途半端」と感じたのは、演出があえて余韻を残す方向に作られていたためでしょう。

つまり、意図的に余白を残したことで、賛否が分かれる結果になったのです。

リアリティの欠如と登場人物の不自然さ

細田守監督の作品は「デジモンアドベンチャー」や「サマーウォーズ」など、リアルな感情表現とファンタジーが融合している点が評価されてきました。

しかし「バケモノの子」では、渋谷の街並みや登場人物の行動がやや現実感に欠けるという声が挙がっています。

特に、現実世界での九太の成長が描かれる後半で、父親との再会や楓との関係が唐突に進行する点が「ご都合主義」「感情移入しづらい」と批判される一因です。

こうした構成の甘さが、物語全体を薄く見せてしまい、「駄作」と評価されてしまった理由といえます。

 

まとめ

  • 「意味不明」と言われるのは、テーマが重層的で文学的引用(白鯨など)が多いため
  • 「つまらない」と感じられるのは、師弟関係から心の闇への転換が急で感情の軸がぶれるため
  • 「駄作」との評価は、後半の展開の唐突さやリアリティの薄さに起因する
  • 一方で、親子愛・成長・内面の闇という普遍的テーマを描いた深みのある作品でもある

「バケモノの子」は一見すると不完全に見える物語ですが、そこには“誰もが抱く心の闇をどう乗り越えるか”という普遍的な問いが隠されています。

解釈の余地が大きいからこそ、「意味不明」「つまらない」と感じる人もいれば、「心に残る」と語る人もいるのです。

多面的な視点で見直すと、細田守監督が描きたかった“他者と生きる意味”が浮かび上がってくるでしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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