2010年公開の「名探偵コナン天空の難破船」。
この映画では怪盗キッドと蘭のキスシーンが話題になりましたね。
さて「名探偵コナン天空の難破船」の中で奈良の豪福寺というお寺が出てきます。
犯人グループがここから貴重な仏像を盗もうとしましたが、結局は失敗しました。
奈良には豪福寺というお寺は存在しません。
でも豪福寺のモデルになったお寺が実在します。世界遺産に登録されている有名な寺です。
ここでは「名探偵コナン天空の難破船」の奈良の豪福寺のモデルになったお寺について詳しくまとめました。
犯人グループが狙った仏像について調べました。
また私が豪福寺のモデルになった寺に参拝したときの様子についてもまとめました。
目次
「名探偵コナン天空の難破船」奈良の豪福寺のモデルになった寺はどこ?
さっそく結論を書くと「名探偵コナン天空の難破船」の奈良の豪福寺のモデルは興福寺です。
世界遺産にも登録されている有名な寺です。
近鉄奈良駅のすぐそばにあり、奈良公園や東大寺、春日大社などもすぐ近くにあります。
興福寺が豪福寺のモデルになっている理由として、エンドロールで興福寺の東金堂と五重塔が映ったこと(上の写真とほぼ同じ構図の映像でした)。
そして「撮影協力 興福寺」と流れていたことが挙げられます。
もしかすると気がついていないだけで、すでに修学旅行などで拝観した方も多いかもしれませんね。
「名探偵コナン天空の難破船」の豪福寺のモデル興福寺はどんなお寺?
名探偵コナンロケ地
「豪福寺」=「興福寺東金堂と五重塔」天空の難破船より
世界遺産のロケ地、動画本編もエンディング実写も使われてた興福寺である。
そして中にある国宝館もモデルとして使われた! pic.twitter.com/uewaJSfjHE— コナロケ (@conan_location) May 31, 2015
「名探偵コナン天空の難破船」の奈良の豪福寺のモデルになった興福寺について説明します。
興福寺の住所、アクセスについて
興福寺の住所は〒630-8213 奈良市登大路町48番地。上に地図を用意しておきました。
アクセスは近鉄奈良駅東改札から徒歩5分ほど。
JR奈良駅からは奈良交通市内循環系統に乗車し、県庁前下車します。
近くには東大寺、春日大社、奈良公園があります。
興福寺と合わせて半日~1日かけて拝観するのがおすすめです。
興福寺ってどんなお寺?
名探偵コナンロケ地
「豪福寺」=「興福寺東金堂と五重塔」天空の難破船より
劇場版の中に、世界遺産興福寺の仏像たちを4人で素手で盗み運ぶなんて、できますかね?しかも4人とも痩せてるし(笑)。 pic.twitter.com/AjKePxXQEA— コナロケ (@conan_location) January 22, 2015
興福寺の特徴を一言で説明すると「藤原氏と関係の深いお寺」です。
平安時代の歴史で摂関政治は藤原道長と頼道の時代に全盛期を迎えた、と勉強しましたね。あの藤原氏の氏寺が興福寺です。
乙巳の変の立役者の一人・藤原鎌足(中臣鎌足)の夫人の鏡大王が鎌足の病気が治ることを祈願して、山背国(今の京都)に建てた山階寺(やましなでら)が興福寺の起源です。その後現在の場所に寺が移され、藤原不比等の時代に興福寺という名前になりました。
興福寺は藤原摂関家の中で最も力が強かった藤原北家との関係が強かったため手厚く保護され勢力を伸ばします。
当時は今の奈良公園のほぼ全体が興福寺の土地だった言いますから、かなりの勢力があったことがわかりますね。
興福寺には国宝45、重要文化財45と多数の重要な文化財があります。
コナンに出てくる犯人が狙ったのがよくわかりますね。
「名探偵コナン天空の難破船」で犯人グループが狙った豪福寺の仏像は何?
映画の中で犯人グループがどの仏像を狙ったかは、はっきりとはわかりません。
映画では犯人が仏像を盗み出す様子は出てきましたが、仏像はサラ氏にくるまれていましたからね。
ここでは犯人だったらおそらくこの仏像を狙う!というものを3点ご紹介します(不謹慎ですみません)。
木造天燈鬼・龍燈鬼立像(もくぞうてんとうき・りゅうとうきりゅうぞう)
【奈良・興福寺/天燈鬼・龍燈鬼立像(1215年)】龍燈鬼は康弁作と伝えられており、天燈鬼は不明となっている。天燈鬼像は開口、龍燈鬼は閉口で阿吽の一対をなしている。 pic.twitter.com/YspsLcPMX5
— 美しい日本の仏像 (@j_butsuzo) July 15, 2019
興福寺国宝館に安置されている木造の鬼の仏像です。鎌倉時代の作で国宝に指定されています。
古くは鬼は邪鬼として四天王像に踏みつけられていました。
でも鎌倉時代の仏師たちは四天王に踏みつけられていた邪鬼に、仏前を照らす灯篭を与え仏像にしたのです。
鎌倉時代の奈良の仏師たちの心意気が伝わってくる仏像で、ファンも多くいます。
これだったらコナンの犯人グループも欲しくなるでしょう!
銅造仏頭(どうぞうぶっとう)
【奈良・興福寺/木造仏頭(1186)】近年になり1186年正月、興福寺西金堂の釈迦如来像の造像に運慶が携わったとする記録が見つかり、興福寺に現存する仏頭がその釈迦如来像のものではないか、という説が浮上してきている。 pic.twitter.com/mq2MYKBx6q
— 仏師・『運慶』の仏像 (@unkei369) August 22, 2019
興福寺国宝館に安置されている仏頭。
高校日本史の教科書に載るほど有名な国宝です。白鳳時代の作と言われています。
この仏像のすごいところは、納められていたお堂が被災したため、破損した頭部しか残っていないにもかかわらず国宝に指定されていることです。
写真ではわかりにくいですが、胴体がないうえ後頭部が破損しています。
それでもその美しさから国宝に指定されているのですから、犯人グループも絶対欲しいはずです!
阿修羅像(あしゅらぞう)
興福寺八部衆・阿修羅像:八部衆とは、仏の眷属として仏法守護の役目を与えられた印度古来の神々を指す。通常武装した姿で作られるが、阿修羅のみ三面六臂で上半身裸である。 帝釈天と戦争をするが、常に負ける存在。この戦いの場を修羅場と呼ぶ。pic.twitter.com/kxpbDyurcX
— 仏像紹介BOT (@butsuzobot) August 16, 2019
数ある興福寺の仏像の中で最も知名度と人気が高いのがこの阿修羅像。
三面六臂(顔が3つ、腕が6本)で、とても穏やかな表情をされているのが特徴です。
阿修羅像はもともと人気が高い仏像でしたが、2009年東京国立博物館と九州国立博物館で展示された際は、合わせて165万人以上の入場者がありました。
こちらも興福寺国宝館に安置されているので、拝観料を払えば間近で拝むことができます。
おそらくコナンの映画の犯人たちはこの阿修羅像を真っ先に狙ったと推測します。
劇中に阿修羅像の映像が流れていますし、興福寺で最も有名な仏像ですからね。
果たして犯人グループが手に入れたらいくらで売却できるのか?10億?30億?ひょっとしたら100億円を超えるかもしれませんね!
「名探偵コナン天空の難破船」の豪福寺のモデル興福寺を拝観
私は以前「名探偵コナン天空の難破船」の豪福寺のモデルになった興福寺を拝観したことがあります。
なら・観光ボランティアガイドの会「朱雀」にボランティアガイドをお願いして、三重塔→南円堂→東金堂→国宝館の順で拝観しました。
上の写真は猿沢池。近鉄奈良駅から歩いて興福寺に向かう途中にある人工の池です。
猿沢池のすぐわきの階段を登っていくと、そこはもう興福寺の境内。
境内に入るだけなら拝観料はいりません。
そして階段を登り切ると南円堂があります。堂内には国宝の不空羂索観音像が納められています。
南円堂の近くには三重塔も。ただ本堂へのルートから少し外れているため、この三重塔を拝観する人は少ないです。
東金堂と五重塔が同時に1枚に納まる撮影スポット。拝観料を支払うと東金堂内を拝観できます。
そしてなんといっても興福寺の見どころは国宝館です(写真を撮っておらずすみません)。
有名な阿修羅像を始め、多くの仏像がこの国宝館に安置されています。
拝観料(大人700円、学生600円)は必要ですが、ここでコナンの犯人たちがおそらく盗もうとした仏像をぜひ拝んでみてください。
なお私が行った時はまだ建設中でしたが、平成30年(2018年)に興福寺の中で最も重要なお堂・中金堂が完成しました。
私も早く行ってみたいです。
まとめ
「名探偵コナン天空の難破船」の豪福寺のモデルとなった興福寺についてまとめました。
コナンファンなら興福寺も聖地巡礼に加えてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました!