1984年に公開されたアニメ映画「風の谷のナウシカ」。
宮崎駿監督の手がけた長編アニメーション作品の第二弾で、宮崎駿監督の名前を広く知らしめた作品です。
一度は見たことのある人がほとんどなのではないでしょうか?
このナウシカのお話で、特に印象深いのが、作中に登場する巨大な虫・王蟲(オーム)。
今回は王蟲の正体や能力、モデルになった生物について解説していきます。
それでは早速見ていきましょう!
目次
「風の谷のナウシカ」ナウシカの王蟲(オーム)の正体
この王蟲(オーム)の動きは様々な試行錯誤の上に生み出されました😊
十数片の殻からなる王蟲の体をそれぞれ違ったタイミングで動かすことは、当時の撮影技術では不可能であったため、「ゴムマルチ」と呼ばれる手法が開発されました🤔。続く👉 pic.twitter.com/Uccgtagh7u— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 7, 2023
腐海に生息する最大の蟲
「風の谷のナウシカ」に登場する王蟲というのは、「腐海」と呼ばれる場所に生息する謎の巨大生物です。
腐海というのは、ナウシカの生きる世界に存在する、人類が生存不可能な領域。
瘴気(しょうき)と呼ばれる毒の空気に満ちているため、人間はマスクをつけなくては立ち入ることができません。
もし瘴気を吸い込んでしまえば、ほんの数分で死亡してしまうそうです。
そんな腐海には、植物や生物など、独自の生態系が築かれています。
そして、腐海にいる生物の中でも最大の大きさを誇るのが「王蟲」と呼ばれる蟲なのです。
14個の目を持ち体長は70~80mにもなる
王蟲は、見た目的にはダンゴムシに似ていますが、14個の目を持っていて、体長は成体で70~80メートルにもなる巨大生物です。
14個もある目は、普段は青い色をしていますが、怒らせると赤くなり、凶暴化するという特徴があります。
凶暴化した王蟲は、人類から見れば災害そのもの。
その巨体は腐海に住む生物の中でも最大級で、人間たちから「腐海の主」として恐れられているのです。
人間の中には、王蟲を神のように崇めている人たちまでいるほど、人類にとっての恐怖の象徴となっています。
知性を持ち念話により人間と意思疎通も可能
ナウシカ:やさしい子。私は大丈夫。いまみんなが迎えにくるからね。
#風の谷のナウシカ#金曜ロードショー pic.twitter.com/4re67gY0dc— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 7, 2023
王蟲の生態は謎に包まれていますが、実は知性があることが作中で明らかになっています。
特に原作漫画版では、念話のようなものでナウシカと会話するシーンが登場するのです。
アニメ版でも、意思疎通ができているのではないか、と考えられるような描写が。
これらのシーンから考えて、王蟲という生物が、私たちが知っている生き物とは明らかに違う、特殊な生き物だということが理解していただけるのではないでしょうか。
抜け殻は武器などに利用
猫の眼球のレンズ部分って、ナウシカのオームの抜け殻の目みたいだね。 pic.twitter.com/62DDO0iTlL
— 長谷川貴子@古民家暮らしイラストレーター (@carrs0123) February 17, 2023
王蟲は成体になるまで脱皮を繰り返して成長します。
脱皮した後の抜け殻は、とても硬い金属のような性質を持っていて、ナウシカたちは武器などに利用していました。
弾性に優れていて軽量であることから、飛行機の部品や武具に最適の素材とのこと。
王蟲の抜け殻から作られた剣は、ナウシカたちにとって最上品質の武器であるようですね。
あらゆるものを利用して生きる、人類という生命体のたくましさが感じられます。
泣き声は布袋寅泰のギター音
ちなみに、映画版ナウシカでの王蟲の鳴き声は、日本を代表するギタリスト・布袋寅泰さんが担当しています。
映画版の音楽担当である久石譲さんが、直々に布袋さんに依頼したそうです。
布袋さん曰く、「久石さんに呼ばれて、ギターで鳴いてくれと頼まれた」とのこと。
ただの鳴き声に、布袋さんのギターを使うとは、なんとも贅沢な話ですね。
妥協しないというスタッフの心意気がうかがえます。
原作では旧人類が作った人工物という設定
原作漫画の終盤では、王蟲の正体が明かされています。
王蟲は、すでに滅んだ旧世界の人類が生み出した、人造の生命体だったのです。
旧人類は、汚染された世界を浄化するために王蟲を生み出しました。
王蟲の死骸からは、腐海の植物(菌類)が繁殖。
腐海の植物は周辺の汚染物質を吸収し、時間をかけて環境を浄化していくのです。
大海嘯(だいかいしょう)と呼ばれる王蟲の暴走によって、王蟲は腐海の外に出て死亡し、死骸から腐海の植物が繁殖し、腐海が広がっていく。
これを繰り返すことで、いずれ世界全体が腐海となり、長い時間をかけて浄化されていくのです。
それが、旧人類のたてた世界を浄化する計画でした。
王蟲の触角の能力
「王蟲(オーム)」は腐海の主ともいうべき巨大な蟲(むし)です。成虫は体長70mを越え、14個の眼と無数の節足を持ちます。その抜け殻は非常に軽く堅いため、甲冑や剣などの材料として利用されています。普段は青い目をしていますが、怒ると目が赤くなります😳#風の谷のナウシカ#金曜ロードショー pic.twitter.com/u3fhJMLqGx
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 7, 2023
治癒能力と蘇生能力があると推測
映画版の描写から、王蟲の触手には傷を治す治癒能力や、死亡している生命を蘇生する能力があるのではと推測されています。
根拠は、王蟲の触手が触れたことでナウシカが生き返ったから。
復活したナウシカは傷一つない状態になっていたので、王蟲の触手が失われた命を呼び戻し、傷をすべて癒したのでしょう。
まさに「奇跡」としか言いようのない能力ですね。
意思疎通能力もあると考えられる
王蟲の触手はテレパシーの媒介になっているとの考察も。
ナウシカと意思疎通するときに、触手でナウシカに触れているシーンがあるからです。
推測ですが、王蟲は触手で触れている時だけ、接触している相手とテレパシーでつながれるのではないでしょうか。
接触通話のようなイメージですね。
王蟲のモデル
初代モスラ幼虫進撃…余計な台詞説明台詞一切無し、蠢くように歩く幼虫モスラと壊れる街並み、自衛隊の攻撃の爆発爆音…それだけで東京タワーに取り憑くまでの10分ぐらいを観せ切ってしまう特撮の凄味。
#描写がすごすぎて言葉を失った映画 pic.twitter.com/Iq64Nj99ad
— 鮫順 (@tensame) June 20, 2023
モスラの幼虫説
王蟲のモデルについては、様々な説が存在します。
見た目が似ていることや、堅い甲殻を持っていることから、三葉虫やダイオウグソクムシ説などなど。
中でも特に有名で、不思議な説得力があるのが「モスラの幼虫説」。
モスラは、ゴジラの映画に登場する巨大な蛾の怪物。
そのモスラの幼虫ならば、きっと巨大なイモムシのような姿をしているに違いない。
まさに王蟲そのものじゃないか、というわけですね。
ただし監督の公式の発言はない
王蟲のモデルについて、監督の公式な発言はありません。
そのため、王蟲のモデルが何なのかは謎のまま。
現在に至るまで、結論は出ていない状態です。
まとめ
われわれ国民は何もかも全部しょいこまないことだ。体制側=国家権力があのざまだから。この国が終わるまで、下級国民が全員死ぬまでやつらはやめない止まらない。いわば自らが絶命するまで前進・突進する『風の谷のナウシカ』の王蟲や巨神兵だ。いずれ『風の谷のナウシカ2』or『シン・ナウシカ』…… pic.twitter.com/TeP5qcqLVR
— 有川オレガ (@orega2061) April 20, 2023
王蟲の正体や能力、モデルになった生物について解説してみました。
- 王蟲は、14個の目が特徴的な、腐海に生息する最大の生物であり、成体になると70~80メー トルの大きさになる
- あきらかに知性を持っていて、念話によって人類とも意思疎通が可能
- 原作漫画の設定では、旧人類が世界を浄化するために作り出した人造生命体だった
- 触手には治癒能力・蘇生能力・テレパシー能力があると考えられる
- モデルはモスラの幼虫であるという説が有名だが、公式な発表はない
ナウシカの物語で、王蟲の存在はとても印象的です。
あの巨体は、自然の恐ろしさや強大さの象徴なのでしょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました!