映画「ゲド戦記」は、宮崎駿さんの息子である宮崎吾朗さんが監督を務めた2006年のアニメーション映画。
アーシュラ・K・ル=グウィンの同名小説を基にしています。
王子アレンが魔法の力を持ちながらも、自分の影に苦しみながら成長する姿を描いている作品。
アレンの心の中には「影」と呼ばれる存在があり、それが彼を追い詰め、精神的な危機を引き起こします。
そして、アレンが父親を刺すという衝撃的な事件が発生し、その行動の背後に隠された複雑な心理が明かされていきます。
アレンはなぜ、心の中に「影」を持ち、それに追い詰められるのか?
また、なぜ彼は最終的に父親を刺すという衝撃的な行動に出たのでしょうか?
この記事では、アレンの影の正体や、父親を刺した理由について掘り下げて考察していきます。
目次
ゲド戦記/アレンの影の正体は?
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🎥あの映画の名言🌟
『ゲド戦記』(2006)🐉⚔️
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影の正体はアレンの光の部分だった
影の正体は、実はアレンの光の部分であることが判明しました。
テルーがアレンを探してる時に、アレンの影がテルーの目の前に現れ、テルーの影とアレンが対話。
影のアレンはテルーに「アレンの心の闇が体を奪い、共にあるべき光を置き去りにした」と語りました。
ここで明らかになるのは、追いかけてきた影が実はアレンの「光」、つまり彼の優しい心や善性を象徴していたこと。
アレンは不安や恐怖に支配され、自ら、光を追い出してしまい、闇が体を支配していたのです。
逆に影はアレン自身の心の闇だとも解釈できる
アレンの影はアレン自身の「心の闇」だとも解釈できます。
アレンは父親を刺した後、内面の均衡を失い、自分の中にある弱さや恐怖、不安と向き合えず、それらが「影」として具現化しました。
確かにこの影は、アレンが目を背けてきた自分自身の一部であり、本来共存すべき「光」と切り離された状態で現れたので、「闇なのか?」とも思いましたね。
光と闇は表裏一体である
光と闇は表裏一体であることを伝えたいのではないかと解釈します。
物語の終盤でアレンは影と対峙し、それを拒絶せずに受け入れることに。
影を否定するのではなく、「自分の一部」として統合することで、アレンは心の平穏を取り戻します。
ここで重要なのは、影=光に変わるのではなく、影を受け入れたことでアレンが「光を見出す」という点。
「ゲド戦記」のテーマの一つに、「光と影は切り離せない」「影を恐れるのではなく、受け入れることで本当の自分になれる」という考えがあります。
これは東洋哲学や道教の「陰陽」の概念とも通じるもの。
アレンの影は彼の「恐怖」や「罪」を象徴する存在であり、それ自体が光に変わるわけではありません。
しかし、彼が影と向き合い、それを自分の一部として受け入れたことで、彼は「闇から解放され、光を得る」ことができたのですね。
影がアレンを追い続けた理由
影がアレンを追い続ける理由は、アレンが自分の弱さや恐怖から目を背けたことで、闇と光が分離してしまったため、アレンと再び統合しようとするため。
影の存在は、アレンに自分自身と向き合うことを促しています。
アレンは自分の中にある不安や恐怖、そして制御できない感情に怯えており、これらを「影」として外在化しました。
テルーの言葉によると、アレンが本当に恐れているのは「生きること」です。
影との対峙は、アレンにとって真の自己を発見し、生きることの意味を理解する機会となり、影が追いかけることで、アレンは自己と向き合わざるを得なくなることになりますよね。
それらを克服するために影はアレンを追い続けたのです。
「ゲド戦記」父親を刺した理由
【アレン(ゲド戦記)】
お前たちが僕の死か。 pic.twitter.com/alRK1gMOYr— ジブリファンbot (@Ghibli_Fan7) April 12, 2019
父親を刺した理由は大きくわけて3つある
物語の序盤、アレンが父親を刺した理由は3つあると考えられます。
衝動的な行動だった
父親を刺した理由は、衝動的な行動によるものです。
映画冒頭、アレンは父親である国王を刺す場面が描かれます。
暗い表情で父親に近づき、突然剣を突き立てるアレン。
父親は驚きと困惑の表情を浮かべながら倒れ、アレンはその場から逃げ去ります。
アレンは賢明で強い父親に対して劣等感を抱いており、自分がその期待に応えられないというプレッシャーに苦しんでいました。
また、均衡が崩れた世界の現状に対する無力感も彼の心を追い詰めていたのです。
死の恐怖によるもの
次に考えられる理由は、死の恐怖によるもの。
物語の中で、アレンは漠然とした「恐怖」に取り憑かれています。
生と死の狭間にある不安に苛まれるアレン。
アレンは王子として生まれましたが、王位継承や責任を背負うことに葛藤し、自分の価値を見出せなくなっていました。
彼は「生きている意味がわからないが、死ぬことも怖い」という矛盾した状態に。
この心理状態が極限に達し、衝動的に父親を刺してしまったのです。
深い不安によって引き起こされた
アレンが父親を刺した原因となった「深い不安」からです。
その不安とは、自己の喪失、存在の意味への疑問、そして未来への恐れが複雑に絡み合ったもの。
「自分とは何者なのか?」というアイデンティティの迷いに苦しんでいます。
アレンは、未来をどう歩むべきかわからないまま、不安に押しつぶされそうに・・・。
そして、アレンの抱えている不安の根底には、「未来がどうなるかわからない」という恐れがありました。
王になることの重圧や、未来に希望を持てなかったり、何をしても意味がないと感じるアレン。
これらの不安が積み重なり、アレンは無意識のうちに「今の自分を壊したい」という衝動に駆られます。
そして、それが最悪の形で爆発し、父親を刺すという行動につながったのです。
本人は無意識でわかっていない
アレン本人は、父親を刺した理由が自分自身わかっていません。
物語の中盤でゲドやテルーと過ごす中で彼の心情を吐露する場面。
アレンはゲドに対し、「わからないんだ……どうしてあんなことをしたのか」と告白します。
この言葉は、自分自身の行動の理由を理解できず、深い罪悪感と混乱に苛まれていることを示しています。
この場面では、アレンが父親殺害という衝撃的な行動に至った背景に、彼の心の闇や不安定さがあることがわかりますね。
まとめ
【ゲド戦記 アレン】 人はいつか死んでしまうのに、命を大切にすることなんてできるのかな?終わりが来ることが分かっていて、それでも生きていかなければならないのかな pic.twitter.com/FA8V4Hz4Uq
— ジブリ名言bot (@sfdgfgfyhdasfga) February 10, 2023
いかがでしたでしょうか。
「ゲド戦記/アレンの影の正体は?父親を刺した理由についても」でした。
ゲド戦記/アレンの影の正体は?
- 影の正体はアレンの光の部分だった
- 逆に影はアレン自身の心の闇だとも解釈できる
- 光と闇は表裏一体である
- 影がアレンを追い続ける理由は、アレンと再び統合しようとするため。
父親を刺した理由について
- 父親を刺した理由は大きくわけて3つある
- 衝動的な行動だった
- 死の恐怖によるもの
- 深い不安によって引き起こされた
- 本人は無意識でわかっていない
最後まで読んでいただきありがとうございました!