ジブリ映画「ゲド戦記」(2006年)は、アーシュラ・K・ル=グウィンの原作を元にしながらも、独自のストーリーで描かれています。
主人公アレンが賢者ゲドや少女テルーと出会い、自らの影と向き合いながら成長していく物語。
しかし公開当時から「つまらない」「意味がわからない」といった意見も多く聞かれました。
なぜ本作は賛否が分かれるのでしょうか?
映画が本当に伝えたかったこととは何なのでしょうか?
この記事では、以下の2点について考察・解説します。
- ゲド戦記が「意味がわからない」「つまらない」と言われる理由
- ゲド戦記が伝えたいことは何?
目次
ゲド戦記はつまらないし意味わからんと言われる理由
このシーンと似た内容の絵が第一弾のポスタービジュアルになっていますが、これは制作の初期段階で鈴木プロデューサーが、宮崎吾朗監督に「竜とアレンが向き合っている絵を描いてほしい」と依頼した絵が元になっています。その際鈴木プロデューサーは、 pic.twitter.com/cHh1gGGE4A
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) March 7, 2025
ストーリーが意味わからない
ゲド戦記が意味がわからないと言われる理由は、いくつかあります。
まず説明不足だということ。
ゲド戦記は、どこを見ても物語の重要な部分が十分に説明されていません。
例えば、テルーが最後に竜になる理由やその背景について映画内でほとんど触れられておらず、視聴者は突然の展開に困惑してしまいました。
次にキャラクターの掘り下げ不足という声も。
主人公アレンの内面の描写が浅く、彼が父親を殺した理由やその精神的な葛藤が十分に描かれていないため、視聴者が感情移入しづらいです。
大賢人ハイタカ(ゲド)の能力や存在感も薄く、ただのおじさんのように感じられるとの指摘も。
何よりストーリーの薄さは否めません。
映画内で起こる出来事が少なく、「壮大なタイトル」に対して内容が寂しいと感じる人も多いですね。
例えば、アレンが父王を刺殺するシーンやラストバトルなど重要なイベントはあるものの、それらをつなぐ物語の展開が弱いとされています。
原作の本質を理解していないからつまらない
映画のゲド戦記は、原作の本質を理解していないからつまらないとも言われています。
まず主人公を変更したこと。
原作ではゲド(ハイタカ)が中心人物ですが、映画ではアレンが主人公となり、父殺しという映画独自の要素が加えられています。
この改変により、原作の自己成長や内省というテーマが薄れることに。
キャラクターの設定も大きく改変しています。
アレンとテルーの関係や年齢差、クモの性格などが映画で大きく変更されており、原作のキャラクターの魅力や関係性が損なわれているという意見も。
原作は全6巻で構成され、それぞれ独立したテーマを持つ長編ですが、映画は複数巻から断片的に要素を取り入れた結果、一貫性が欠けています。
これらの改変により、原作ファンから「本質を理解していない」と批判されることにつながりましたね。
暴力的なシーンが多くて意味わからん
テナー「どいて!ハイタカならでかけたよ!」
ウサギ「隠すと身のためにならねぇぜ、おばちゃん」
テナー「隠したりするもんか!!あの人はあんたたちなんかに負けないから!」#ゲド戦記#金曜ロードショー pic.twitter.com/LKIiXrty8s— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) March 7, 2025
映画「ゲド戦記」は、暴力的なシーンが多く意味わからんとも言われています。
特に、アレンが父王を刺すシーン。
映画「ゲド戦記」の冒頭では、主人公アレンが突然父である国王を剣で刺し殺します。
このシーンは非常に衝撃的で、視聴者の間でも「意味がわからない」と感じる人が多かった部分。
アレンの内面の闇や、自分でも制御できない衝動が表れた場面ですが、説明不足な部分も多いため、「意味がわからない」と感じる人が多数です。
その他にも
- クモ(敵の魔法使い)との対決シーン
- 奴隷市場のシーン
- テルーが火を吹くシーン
などがあり、怖いや違和感があるなどという意見もあります。
これらのシーンは原作のテーマである「バランス」や「影」といった哲学的要素を歪めているとされ、原作者からも批判を受けていますね。
素人が作ったように見えてつまらない
ゲド戦記は、素人が作ったように見えてつまらないとの批判もあります。
それもそのはず、映画「ゲド戦記」の監督は宮崎駿監督の息子である宮崎吾朗さん。
彼はこの作品で監督デビューを果たしました。
具体的な批判は、ストーリーの不明瞭さが目立つとのこと。
冒頭で「世界の均衡」というテーマを掲げながら、物語が単純な悪役退治に終始し、深みが欠けていると指摘されています。
またキャラクターの魅力不足とも。
主人公アレンが情緒不安定で共感しづらく、ヒロインのテルーも棒読みの演技で批判されています。
ビジュアルや世界観の弱さもありますね。
背景デザインが地味で印象に残らず、ジブリ特有の壮大さが欠けているとの声がありました。
これらの要素が重なり、「プロらしさ」を感じられないとの評価につながっていますね。
ゲド戦記/伝えたいことは何か考察
スタジオジブリ作品『ゲド戦記』は2006年に公開され🐉、宮崎吾朗監督のデビュー作としても話題を呼びました。原作の『ゲド戦記』は、『指輪物語』『ナルニア国物語』と並び、世界三大ファンタジー小説と呼ばれる作品です📖#ゲド戦記#金曜ロードショー pic.twitter.com/HpM6FcJzMC
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生と死の受け入れ
ゲド戦記の伝えたいことはまず、「生と死の受け入れ」です。
物語の中で、クモ(敵役)は永遠の命を求めますが、最終的には崩壊してしまいます。
一方、主人公アレンは自分の内にある「死への恐れ」と向き合い、成長。
映画は「死を避けることはできず、生きることと表裏一体である」というメッセージを伝えているのですね。
そして、何より今を生きることの大切さも伝えているのではないかと思います。
「生きることから逃げない」というメッセージが込められており、困難な状況でも前向きに生きることが強調されています。
本当の自由が何なのか
映画「ゲド戦記」は、本当の自由が何なのかということも伝えようとしていますね。
アレンの苦しみと成長からわかる
本当の自由が何なのか、アレンの苦しみと成長からもわかります。
アレンは父を刺し、王子でありながら国を捨てて逃げます。
しかし、彼は本当に自由になったわけではなく、罪悪感や恐怖に囚われ、自分の影に追われるように生きていますよね。
彼の姿は、「責任から逃げることは自由ではない」というメッセージを示しています。
つまり自由とは、過去の過ちと向き合い、自分を受け入れることから生まれるということ。
テルーの生き方から伝えている
テルーの行き方にもメッセージが。
テルーは過去に虐待を受け、自由とは程遠い環境にいました。
しかし、彼女はアレンに「自分の名前を大切にしろ」と言い、強い意志を持って生きています。
彼女は「誰かに与えられる自由ではなく、自分の意志で生きることが自由」だと知っているということ。
つまり、自由とは、他人に決められるものではなく、自分自身の意思で生きることですね。
クモの欲望と対比から考える
クモの欲望と対比からもわかりますよね。
クモは永遠の命を求め、死を恐れるあまり暴走します。
彼は「死から解放されることこそが自由」だと考えますが、それは偽りの自由であり、結果として自滅。
これは、「恐怖や欲望に囚われている限り、本当の自由にはなれない」という教訓を示しています。
つまり、自由とは、欲望や恐怖に支配されず、ありのままの自分を受け入れること。
映画『ゲド戦記』における本当の自由とは、
「責任を持ち、自分の弱さや過去と向き合い、自分自身の意志で生きること」 だと伝えています。
アレンもテルーも、それぞれの過去を乗り越えたときに初めて、本当の自由を手に入れることができましたから。
命のバランスの大切さ
「命のバランスの大切さ」も伝えているゲド戦記。
ゲド(ハイタカ)が語るように、この世界は「均衡(バランス)」によって成り立っています。
クモのように不自然に長生きを求めることは、そのバランスを崩し、結果的に自滅を招きますよね。
これは、自然との調和や、人間の欲望をコントロールすることの重要性を示唆しています。
闇を受け入れることの大切さ
闇を受け入れることの大切さもメッセージとしてあるのでしょう。
アレンは父を刺してしまうという暗い過去を持ち、自分の中にある「影」と向き合わざるを得ません。
この影は、彼の弱さや不安の象徴。
物語を通して彼はその影を乗り越え、成長していきます。
これは「人は誰しも闇を抱えているが、それを否定せずに受け入れることで成長できる」というテーマを示していますね。
まとめ
テルー「影は闇に帰れ!!」#ゲド戦記#金曜ロードショー pic.twitter.com/pnBio0PUHb
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) March 7, 2025
いかがでしたでしょうか。
「ゲド戦記はつまらないし意味わからん?伝えたいことは何なのかについても」でした。
ゲド戦記はつまらないし意味わからん?
- ストーリーが意味わからない
- 原作の本質を理解していないからつまらない
- 暴力的なシーンが多くて意味わからん
- 素人が作ったように見えてつまらない
ゲド戦記/伝えたいことは何なのか?
- 生と死の受け入れ
- 本当の自由が何なのかということ
- 命のバランスの大切さ
- 闇を受け入れることの大切さ
最後まで読んでいただきありがとうございました!