日本を代表するアニメ映画の一つ、「風の谷のナウシカ」。
独特な世界観と、そのなかで生きる人間の姿が印象的な作品です。
中でも印象に残るキャラクターがクシャナ。
主人公・ナウシカと敵対する人物ですが、単純な敵ではなく、信念と強い意志が感じられる人物です。
今回の記事では、映画「風の谷のナウシカ」の敵役・クシャナについて解説していきます。
またアニメ版とは全く違う、原作漫画版のクシャナについても説明していきますね。
ぜひ最後までお付き合いください!
目次
映画「風の谷のナウシカ」のクシャナを解説
金曜よる9⃣時#風の谷のナウシカ
毒となる瘴気を出す森“腐海”🌳
腐海を巡る大国との争いに巻き込まれながら
巨大な生物・王蟲たちと心を開こうとする
優しく、強いヒロイン・ナウシカ…😌3週連続 #夏はジブリ
撮影技師「フライデーおじさん」の
オープニングも復活です🎥#金曜ロードショー pic.twitter.com/jVCWhup1FA— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 2, 2023
映画「風の谷のナウシカ」の悪役
クシャナは、映画「風の谷のナウシカ」の悪役です。
映画の序盤で、軍隊を率いて平和だった風の谷に侵攻し、ナウシカたちを捕まえていましたね。
その姿は、人間同士の争いをわざわざ引き起こしているかのよう。
しかしクシャナは単純な悪役ではないのです。
そこがクシャナというキャラクターの魅力になっているんですね。
トルメキアの王女で巨神兵の復活を企む
クシャナはトルメキアという国の王女です。
トルメキアは、この世界での人類最大国家の一つ。
強力な軍隊を備えた、軍事大国です。
しかし、トルメキアでも広がり続ける腐海と蟲たちに有効な対処が出来ていません。
そこでクシャナは伝説に登場する巨神兵を復活させようと企んだのです。
巨神兵の巨大な力を使って、腐海を焼き払おうとしたわけですね。
クシャナは自国のことだけでなく、人類全体にとっても腐海をどうにかしなければいけないと考えているようでした。
その結果、腐海と共存しようとするナウシカと対立するのです。
左腕が義手
映画版のクシャナは左手が義手ですが、漫画版が両手とも健在です。義手のアイディアは当初ナウシカで脚本を務める予定だった伊藤和典さんによるもの。#風の谷のナウシカ pic.twitter.com/WkhRvY6MRM
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) January 13, 2017
作中で、クシャナの左腕は義手であることが判明しています。
クシャナが左腕を取り外して見せるのは、なかなかに衝撃的なシーンでしたね。
左腕が義手であることを明かしたクシャナは、「蟲か?」と問われています。
しかしクシャナは返事をしません。
このシーンの意味は、クシャナは「蟲にやられたのか」と聞かれて、「返事はしたくないけど、察しろ。蟲にやられたに決まっているじゃないか」と思った、というところでしょうか。
その後クシャナは「わが夫になる者はさらにおぞましいものを見るだろう」と言っています。
つまりクシャナの体の見えない部分には、さらに大きな傷があるということですね。
蟲への激しい憎悪を抱いている
蟲によって大けがを負わされたせいか、クシャナは蟲に対して激しい憎悪と嫌悪感を抱いています。
腐海を焼き払おうとしているのも、人類のためという理由と同時に、自分自身の復讐のためという理由もあるのではないでしょうか。
この二面性が悪役でありながらクシャナが憎めない理由。
大義を果たそうとしながらも、感情に振り回されてしまう姿はきわめて人間らしく見えます。
それがクシャナの魅力になっているのです。
理想を唱えるナウシカの対になる存在
クシャナの人間らしい姿は、ナウシカと対になるように描かれているのでしょうね。
ナウシカは「腐海や蟲と共存しよう」と理想を訴えます。
しかし人間はそう簡単に理想を受け入れられないのです。
その象徴がクシャナ。
感情に振り回されてしまい、蟲を嫌い、滅ぼそうとする。
そんなクシャナの姿はきわめて人間らしく、不思議な魅力がありますよね。
原作漫画版「風の谷のナウシカ」のクシャナを解説
クシャナ:我が夫となる者は、さらにおぞましきものを見るだろう。
#風の谷のナウシカ#金曜ロードショー pic.twitter.com/P49Uxtwu9w— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 7, 2023
ここまで映画版のクシャナについて解説しましたが、実は原作漫画のクシャナは映画とは全く別人です。
次は原作漫画のクシャナについて解説します。
漫画版のトルメキアと風の谷は同盟国
原作漫画のトルメキア王国は、風の谷と敵対していません。
同盟を結んで協力関係にあります。
ただし、力関係はトルメキアの方が上。
だから風の谷はトルメキアに従属しているのに近い状態ですね。
ナウシカはトルメキアの要請で戦争に参加
トルメキアは土鬼(ドルク)という国と戦争しています。
戦況は膠着していて、あまりよくありません。
そのため同盟相手である風の谷も援軍を求められたのです。
そして援軍として向かったのがナウシカ。
ナウシカは風の谷の次期族長で、最重要人物です。
ナウシカが援軍として戦争に参加するということは、風の谷はトルメキアに逆らわない、という意思の表れなのです。
クシャナが大国・トルメキアの王女なのは同じ
援軍として戦争に参加したナウシカはクシャナと出会います。
クシャナがトルメキアの王女なのは、映画版と同じ。
ナウシカはクシャナの部下として働くことになります。
クシャナは王位継承争いの中で、兄王子たちから命を狙われている状況で、ナウシカの協力を歓迎するのです。
クシャナとナウシカは戦争の中で信頼を築いていく
クシャナとナウシカは戦争の中で協力し、信頼関係を築いていきます。
身分や立場を超えて、お互いを認め合っていくのです。
その信頼関係は、クシャナが腹心の部下をナウシカの護衛としてつけるほど。
クシャナの部下はクシャナへの忠誠心から、命を捨ててナウシカを守り抜きます。
ナウシカもまた、クシャナを心から信頼していくのです。
漫画版のクシャナにはアニメ版のような狂気がない
風の谷のナウシカがお笑い芸人タブでトレンド入りwww何事かと思ったら金ローか。何度目だかわからんがくっころならぬふっころクシャナ殿下のなぎ払え!が聞けるぞ!やったね! pic.twitter.com/g3Cj70SyPU
— 黒星マスPヘッズおじさん (@kurohoshi_P) June 30, 2023
映画版と違い、原作漫画版のクシャナは義手ではなく、傷跡もありません。
そのため、映画版のクシャナが見せた蟲に対する狂気じみた嫌悪が全くないのです。
原作漫画のクシャナは冷静沈着で豪胆な武人。
優秀な指導者であり、部下や民衆からも慕われているのです。
漫画版のクシャナはもう一人のナウシカで人類の英雄?
原作漫画のクシャナは、ナウシカとは違う形で人類を導いていく指導者なのでしょうね。
理想を求めるナウシカとは違い、自国の民のことを考えて現実的な形で導いていく。
周囲の人間も期待を寄せて、クシャナに従っています。
いずれは人類の英雄へとなっていくのでしょうね。
まとめ
クシャナ:わたしも待ちたいのだ。本当に腐海の深部から生きて戻れるものならな……あの娘と一度ゆっくり話をしたかった
#風の谷のナウシカ#金曜ロードショー pic.twitter.com/9K1h7NIA27— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 7, 2023
映画「風の谷のナウシカ」の敵役・クシャナについて、そしてアニメ版とは全く違う、原作漫画版のクシャナについても解説しました。
- クシャナは映画「風の谷のナウシカ」の悪役
- トルメキアの王女で巨神兵の復活を企てる
- 大怪我を負わされて蟲を憎んでいて、腐海を滅ぼそうとしている
- 原作漫画のクシャナはアニメとは全然違い、ナウシカとは信頼し合っている仲間
映画版のクシャナは、悪役でありながらも不思議な魅力のあるキャラクターです。
対して原作漫画のクシャナはナウシカの仲間で、高い人気を誇ります。
どちらのクシャナも魅力的なキャラクターなので、ぜひ両方見てみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!