先日ネット検索をしていたらこんな書き込みを見つけました。著作権の関係で一部表現を変えてご紹介します。
8月に採取したという日本蜜蜂のはちみつを知り合いからいただきました。少し食べて保存しておいたところ、上に白い泡が立っているのに気づきました。食べると甘みの他に少し酸味を感じます。酸っぱいニオイもします。
食べられますか?それとも捨てたほうがいいですか?
私はみつばちを飼育しており、春にははちみつを採取しています。
なお飼育しているのは西洋ミツバチです。
そこでここでは養蜂家の立場からなぜはちみつがなぜ泡立つのか、その原因を解説します。
またそのはちみつは食べられるのかについても説明します。
目次
はちみつに泡が立つ原因とは?
はちみつに泡が立ってきた、ということですがその原因ははちみつが発酵してしまったからです。腐ったためではありません。
古代エジプトの遺跡から発見された3,000年も前のはちみつが、品質がほとんど変わらず食べられたという話は知られています。
そのためはちみつが発酵する、という発想はないかもしれません。
でも条件次第でははちみつは発酵して、泡が立つこともあるのです。
ではどんなはちみつが発酵してしまうのか、次で説明します。
どんなはちみつが発酵してしまうのか解説
糖度が低いはちみつが発酵する
はちみつが発酵する、といってもすべてのはちみつが発酵するわけではありません。むしろほとんどのはちみつは発酵しません。
ではどんなはちみつが発酵するかというと糖度が低く、加熱していないはちみつが発酵します。
中には採取したはちみつを加熱して販売する業者もあるようです。
しかし加熱してしまうとはちみつ本来の香りや栄養が飛んでしまい、本来のはちみつではなくなってしまいます。
ですから非加熱のはちみつこそ「本物のはちみつ」と言えます。ではなぜ本物のはちみつなのに発酵するかというと、糖度が低いからです。
働き蜂が花から集めてきたばかりの蜜は糖度が30~40%ほどです。その状態ではまだはちみつとは言えません。
働き蜂たちが蜜を口移しで渡し、そのとき蜜にみつばちが分泌する酵素が加わります。
みつばちたちはその蜜を巣に貯めて、時間をかけて熟成させていきます。
羽で扇いで水分を飛ばし、蜜の濃度を上げていきます。すると蜜に蓋がかかり、高い濃度の熟成したはちみつになります。
はちみつの糖度は80%以上が望ましい
一般社団法人日本養蜂協会では、はちみつに含まれる水分が22%以下であることを定めています。
つまり水分が22%ということは糖度は78%です。これより糖度が低いとはちみつは発酵してしまう可能性があるのです。
実際には糖度が80%以上になってからはちみつを採取をする養蜂家が多いようです。
私もはちみつを採取する際は糖度80%を目安にしています。
でもまれに糖度が低いはちみつが流通してしまうこともあるようです。
そういったはちみつは発酵する可能性がありますね。
また日本みつばちが集めたはちみつは、西洋みつばちが集めたものより糖度が低い傾向があります。
先にご紹介した書き込みのはちみつも、日本みつばちのものでしたね。
発酵して泡立ったはちみつは食べられる?
結論を書くと発酵して泡が立ったはちみつでも食べることはできます。
泡立った部分を取り除けば、見た目も気にならなくなります(泡自体も体に害があるわけではない)。
ただしできるだけ早めに食べるようにしてください。
風味や味は本来のはちみつとは違います。酸味もあるでしょう。
味が気になるようでしたら砂糖の代わりに料理に使ってみてはいかがでしょうか。
砂糖よりカロリーが低く、栄養価が高いですし、魚などの臭みを消したり、柔らかくする効果があるので料理にはピッタリです。
また発酵したはちみつは涼しい場所に保存しましょう。
通常はちみつは冷蔵庫では保存しませんが、冷蔵庫で保管すれば泡の発生を防げる可能性があります。
はちみつの正しい保存方法
最後にはちみつの正しい保存方法をご紹介します。
はちみつは常温で保存します。冷蔵庫や冷凍庫に入れる必要はありません。
冷蔵庫などに入れると、糖分が結晶して固まってしまいます。すると固まって取りづらくなってしまうのです。
またできるだけ涼しい場所で保存してください。
直射日光が当たったり、冬の暖房の熱が当たるような場所に置いておくと、はちみつは傷んでしまいます。
キッチンの調味料が置いてある場所などで保存すればいいでしょう。
糖度が低いはちみつは暑い時期に発酵しやすいです。ですので夏は特に涼しい場所で保管することをおすすめします。
まとめ
- はちみつが泡立つのは発酵してしまったため
- はちみつが発酵する原因ははちみつの糖度が低いため
- 発酵したはちみつでも食べられる、ただしできるだけ早めに
- はちみつの保存は常温、そしてすずしい場所で
最後まで読んでいただきありがとうございました!