「親愛なる僕へ殺意をこめて」の主人公・浦島エイジ(うらしまえいじ)。
20歳の大学生です。
作品序盤、エイジは自分の身に日付が飛ぶ現象が起きていることに気が付きます。
その直前の数日間の記憶がまるでないのです。
その理由はB一(ビーイチ)。
浦島エイジにはB一という、もう一つの人格があったのです。
今回は浦島エイジの別人格・B一の正体を解説します。
「親愛なる僕へ殺意をこめて」B一(ビーイチ)とは?
「親愛なる僕へ殺意を込めて」3巻無料セールやってたけどこの漫画まじで面白いからおすすめ。終始持続する緊張感と、ことごとく予想を裏切る展開のバランスがとてもよく、話のテンポもいい。身近に潜む怖さ〜みたいなの好きな人はぜひ。 pic.twitter.com/fgXsdpQydb
— 如月結愛 (Arte Refact) (@primulatelier) November 27, 2021
浦島エイジは二重人格者
本作品の主人公・浦島エイジは二重人格者、つまり解離性同一性症でした。
ただし本人は、自分が二重人格者であることをまったく自覚していない様子。
自分が二重人格であることに気が付いたのは、まるで日付が飛んだような感覚に陥った経験を何度もしたから。
作中で最初に日付が飛ぶ現象を実感したのは、同じ大学に通う雪村京花から「エイジから告白されて、自分たちは付き合っている」と言われたとき。
エイジにはその直前の数日の記憶がなく、京花に告白したことさえ覚えていなかったのです。
なぜなら、その数日間はエイジの交代人格が現れていたからです。
浦島エイジのもうひとりの人格がB1
浦島エイジのもう一人の人格の名前はB1。
B一という呼び名は、本作品のもう一人のヒロイン・真明寺麗(しんみょうじれい)が付けたもの。
- エイジのエイ(A)をBに変換
- エイジのジ(二)を一に変換
こうして浦島エイジは、自分のもう一人の人格をB一と呼ぶことにしたのです。
なお人格の交代が起きるのは眠っているとき。
起きているときに、突然人格が変わることはありません。
冷酷な性格
温厚で天然(?)。
モテない三枚目(しかも童貞)のエイジに対して、B一はとても冷酷な性格。
ケンカも強いです!
自分の目的を達成するために半グレ集団SKALLに潜入するほどですから、肝も据わっています。
エイジとB一は正反対の性格を持っていると言っていいでしょう。
「親愛なる僕へ殺意をこめて」B1の正体を解説
親愛なる僕へ殺意を込めて 全11巻
大学生活を満喫してたエイジはある日記憶が無い日があることに気がつき、地震が二重人格であることをしる。殺人鬼の親を持つ事を秘密にしていたが、、
感想 これはミステリーとして結構先が読めなく、読む度に考察が塗りかわる面白い作品 pic.twitter.com/6xVDvmghOT
— KARIN (@worldend0815) May 6, 2021
ここからはB1の正体について、さらに踏み込んで解説していきます。
元々の人格がB一
実は、B一の正体とはエイジの元々の人格。
本編前半では、
- 浦島エイジ:元々の人格
- B一:あとからできた人格
のように描かれています。
エイジの視点で物語が進み、B一が登場することはないからです。
エイジは後から作られた人格
ですが、本当は反対で
- B一:元々の人格
- 浦島エイジ:あとからできた人格
だったのです!
一般的な二重人格では、元々の人格が良心的な性格であるのに対して、交代して現れる人格は享楽的で放埒な場合が多いと言います。
「親愛なる僕へ殺意をこめて」のエイジとB一は少し違っていて、後から作られた人格の方がどちらかというと良心的。
しかも浦島エイジは自分が二重人格であることを知らないうえに、その事実を知ったあとも、自分が後からできた人格であることを知りませんでした。
B一は八野衣エイジと呼ばれることを好む
元々の人格であるB一は、浦島エイジではなく八野衣エイジ(はちのいエイジ)という名前で呼ばれることを好みます。
浦島エイジは、養子として浦島家に引き取られ育てられました。
浦島亀一(うらしまきいち)はエイジの養父であり、実の父親ではないんですね。
エイジの実の父親は八野衣エイジ(はちのいえいじ)。
本編開始15年前に、女子大生連続猟奇殺人事件を起こした犯人とされている人物であり、本編開始時点では故人。
エイジ(B一)は父親のことが大好きで、現在でも父親のことを敬愛しています。
だから養父の姓である浦島ではなく、”八野衣”の姓で呼ばれることの方が好きなのです。
もう一人の人格が生まれた理由を解説
少し前に完結したと聞いて親愛なる僕へ殺意を込めてを一気買いして読了。途中で真犯人の目星はなんとなくついたけど展開の仕方やテンポの良さがあってミステリ小説読んでる感覚で良かった。あと終わり方はかなり自分好みなのも〇 pic.twitter.com/rDVn8niuYs
— Tuna r’oll (@TSUNAO1117) January 14, 2022
B一とはエイジの元々の人格であることがわかりました。
ここでは元々の人格であるB一ではなく、後から作られた人格(浦島エイジ)という人格が作られた理由・経緯を解説します。
B一(八野衣エイジ)が新しい人格(浦島エイジ)を生み出した
結論を書くと、B一(八野衣エイジ)は自ら浦島エイジという別人格を生み出したのです。
B一が別人格を生み出したのは本編開始の15年前。
B一の父親・八野衣真(はちのいまこと)がLL事件の容疑者として警察に追われた末に、焼死したあとのことです。
八野衣真には、5人の女子大生を殺した容疑がかかっていました。
そして警察に追い詰められた八野衣真は、潜伏先の建物に火を放ち、焼身自殺を図ります。
真犯人に対する復讐の気持ちが芽生える
父親が殺人犯と疑われたことで、B一は友達から「お前の父ちゃん、人殺し」「悪魔の子」とののしられるように。
家にも「殺人鬼の家族」「出てけ」「呪われろ」などと落書きをされるようになります。
追い詰められたB一の母親は自殺。
両親を失ったB一は「味方なんていない」「みんな敵だ」と考えるように。
そして父親が犯人でないことを確信していたB一は、父親に罪をかぶせ、両親を死に追いやった真犯人を見つけ出し、復讐する!と心に誓います。
復讐の気持ちを隠すために大人しい別人格を生み出す
復讐を決意したB一は、普段は復讐の気持ちを隠し、できるだけ”いい子”を演じることに。
誰にも知られずに真犯人に復讐するには、激しい感情を出すわけにはいかないからです。
こうしてB一は、大人しくて二枚目の別人格を生み出します。
最初は自分の身に起こったことを理解するのに時間がかかり、理解した後も二重人格に慣れるのに苦労したとのこと。
一方、後から作られた浦島エイジという人格は、自分が二重人格であることを知りませんでしたし、その事実を知ったあとも、自分が後からできた人格であることを理解してはいませんでした。
不都合な現実と記憶を押し付けられた浦島エイジ
浦島エイジという人格は、”LL事件の犯人の息子”という不都合な現実と記憶をB一から押し付けられます。
B一はLL事件の真犯人を見つけて復讐するために、不都合なものをすべて新しい人格に押し付けたのです。
私は解離性同一性症に詳しくありませんが、このあたりの漫画の設定は実にうまくできていると思わざるを得ません。
B一(八野衣エイジ)の目的とは?
目的は復讐
すでに触れた通り、B一(八野衣エイジ)の目的はLL事件の真犯人を見つけ出し、復讐すること。
八野衣真はLL事件以前にも少年事件を起こすなど、決して素行はよくありませんでした。
ですが、B一にとってはいい父親でした。
B一は、そんな父親が女子大生連続猟奇殺人事件の犯人だとは考えられないのです。
そこでB一はLL事件の真犯人を見つけ出し、復讐しようとしているんですね。
まとめ
この記事では「親愛なる僕へ殺意をこめて」のB一の正体や目的についてまとめました。
- B一(八野衣エイジ)はエイジの元々の人格
- 浦島エイジという人格が後から生み出された
- 父親がLL事件の犯人でないと考えたB一は、真犯人に復讐しようと決意
- 普段は復讐の気持ちを隠し、できるだけ”いい子”を演じるために、B一は大人しい人格を作り出した
- B一の目的は真犯人に復讐すること
最後まで読んでいただきありがとうございました!