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となりのトトロの時代設定は戦前それとも戦後?黒電話やオート三輪から考察

となりのトトロ

「となりのトトロ」は、サツキとメイの姉妹が、入院中の母親を心配しながらも、自然豊かな田舎で不思議な生き物トトロと出会う物語です。

そんな作品に登場する黒電話やオート三輪は、当時の日本の農村の生活を描く大切なアイテム。

これらの小道具から、時代設定は戦前なのか、それとも戦後なのかどっちなのか?という疑問が湧いてきますよね。

この記事では、「となりのトトロ」の時代設定は戦前か、戦後なのかを、物語に登場する黒電話やオート三輪から考察していきたいと思います。

 

となりのトトロ/作品の時代設定は戦前それとも戦後?

トトロは戦後の物語

結論を書くと、「となりのトトロ」は戦後の物語。

物語の時代背景は、具体的な年は明示されていませんが、戦後の復興期であり、日本の農村部が舞台。

この時代は、戦争の影響から少しずつ立ち直り、家族のつながりや自然との調和が大切にされていた時期でもあり、となりのトトロの物語の内容と合致しますよね。

1955年(昭和30年)のカレンダーや昭和32年の電報が登場する

「となりのトトロ」の中には、1955年(昭和30年)のカレンダーや昭和32年の電報が登場するシーンがあります。

これらの小道具は、物語の具体的な時代設定を示すヒントとしてファンに注目されることに。

時代背景がわかる場面を以下にまとめました。

  • お父さんの書斎に掛かっているカレンダーには、「1955年5月」の表記。
  • サツキが電報を受け取る時、消印に「昭和32年8月11日」と書かれている。
  • お母さんが電報を読んでいるシーンの病室にあったカレンダーは「昭和33年」の曜日と日にちが合致

これによって物語が1950年代後半の時代背景であることが示唆されていますよね。

 

しかし、1つだけ1番最初にサツキ達がお見舞いに行ったシーンのカレンダーは「昭和28年」の曜日と日にちと合致している事になっているのです。

これは一体どういう事なのか、以下でご説明いたしましょう。

宮崎監督が後に昭和30年代初頭の話であることを否定

宮崎駿監督は、後に昭和30年代初頭の話ではないと否定しました。

宮崎駿監督自身がインタビューで「昭和30年代っていうのは、実は嘘で本当はというとテレビがまだない時代の話なんです。はじめはラジオで諸国物語でも流そうかと思ったんだけどそれもなんかあざといでしょう。意図的にそういうものは外したんです。」と明言。

 

先程、昭和28年や、33年などのカレンダーがあったとお話しました事と、この宮崎駿監督のお話から導き出される答えは・・・

そもそも時代設定自体は、その辺りということで気にせず描いたのか、意図的に曖昧にしたのかもしれないということ。

監督は昭和28年(1953年)を想定していた?

結論から言うと、監督は昭和28年(1953年)を想定していたわけではありません。

昭和28年とは、戦後の復興期で、日本が経済的にも徐々に安定しつつある時期。

この時代背景は、作品の中で描かれる自然との共生や家族の絆といったテーマに合致しています。

しかし、監督はこの設定を厳密に作品内に反映させることを意図していたわけではなく、あくまで作品の雰囲気作りの参考として想定したもの。

そのため、正確な年や時代を示す描写にはそれほどこだわっていないと考えられます。

 

トトロ/黒電話やオート三輪から時代背景を考察

カンタの家の黒電話・2号共電式壁掛電話機の時代背景

カンタの家に登場する「2号共電式壁掛電話機」は、昭和時代の重要なアイテムで、その時代背景を考えると、昭和10年から昭和30年代(1950年)にかけての日本の農村部の様子が浮かび上がります。

2号共電式壁掛電話機が登場するのは、まず、病院から電報が届き、サツキが慌ててカンタのおばあちゃんのところに電話を借りに行きます。

 

その後、お父さんに電話をかけ、お母さんの容態を確認するシーン。

耳に受話器を縦に当てて話しているところが印象的でしたね。

2号共電式壁掛電話機とは

この電話機は、戦後日本の家庭や農村部で使用されていたもので、特に昭和10年(1935年)頃から昭和30年代(1950年代)にかけて広く普及。

この「共電式」とは、複数の家庭が1つの電話回線を共用するシステムで、 電話機自体は壁に掛けるタイプで、受話器を下にかけるスタイルが一般的。

この形状は、家庭や公共施設で広く使われていました。

手動交換といって電話交換手を通して電話をかけることが多く、直接相手の電話番号をダイヤルするのではなく、交換手に接続を依頼するスタイル。

これは、地方の電話網がまだ発展途上にあり、全自動の電話網が普及していなかったためです。

 

この時代、農村部では電話がまだ珍しく、回線を共有する形で使われることが一般的で、電話が設置されている家は少数であり、隣近所が共同で使うことも多かったよう。

カンタの家に電話があるということは、彼の家がその地域で比較的早く電話を導入した、あるいは地域で共有している電話回線を持っていることを示唆しています。

オート三輪が使われていた時代背景は?

オート三輪が使われていた時代背景を考えると、戦後の日本、特に1950年代から1960年代初頭が舞台。

「となりのトトロ」でオート三輪が登場するシーンのまず1つ目は、物語の冒頭で草壁家が引越しする時に荷物をたくさん乗せていたトラックのような乗り物がまさしくオート三輪であり、それをお父さんが運転する場面。

そして、終盤辺りにメイを探している時、カップルが乗っていたオート三輪の前に立ち引き止めて、明誠の居場所を尋ねたシーンです。

オート三輪とは?

三輪構造で前方に1輪、後方に2輪を持つ三輪構造が特徴。

通常、運転席は前方にあり、後方に荷台がついていて荷物を運ぶことができました。

前輪はハンドルで操縦し、後輪で駆動するシンプルな仕組み。

オート三輪は小型のガソリンエンジンで動くため、当時としては燃費が良く、小回りが利きやすい設計でした。

山道や未舗装の道路でも走行できることから、地方や農村部で非常に重宝されたとのこと。

 

この時代、オート三輪は日本の物流や交通手段として非常に重要な役割を果たしていました。

オート三輪は昭和10年代(1930年代)に登場しましたが、本格的に普及したのは戦後の復興期、特に昭和30年代(1950年代)から昭和40年代(1960年代)にかけてです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「となりのトトロの時代設定は戦前それとも戦後?黒電話やオート三輪から考察」でした。

となりのトトロ/作品の時代設定は戦前それとも戦後?

  • トトロは戦後の物語
  • 1955年(昭和30年)のカレンダーや昭和32年の電報が登場する
  • 宮崎監督が後に昭和30年代初頭の話であることを否定
  • 監督は昭和28年(1953年)を想定していたわけではない

黒電話やオート三輪から時代背景を考察

  • 2号共電式壁掛電話機の時代背景は昭和10年(1935年)頃から昭和30年代(1950年代)にかけて広く普及
  • オート三輪が使われていた時代背景は昭和10年代(1930年代)に登場し、本格的に普及したのは戦後の復興期、特に昭和30年代(1950年代)から昭和40年代(1960年代)

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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