「借りぐらしのアリエッティ」の中でも、特に印象に残るのが翔の「君たちは滅びゆく種族なんだよ」という言葉です。
それまでアリエッティに対して優しく接していた翔から発せられたとは思えないほど、冷たく残酷な言葉にも聞こえます。
実際、翔の言葉を聞いたアリエッティは強く反発しました。
しかし、翔は本当にアリエッティたち小人を傷つけるために、この言葉を口にしたのでしょうか。
物語を振り返ってみると、そこには心臓の病気を抱える翔自身の境遇や、小人たちが置かれている厳しい現実が関係しているように思えます。
この記事では、翔が「君たちは滅びゆく種族」と言った意味について、翔の心理やアリエッティとの違いから考察していきます。
借りぐらしのアリエッティ/翔はなぜ「滅びゆく種族」と言ったのか
翔「きみたちは、滅びゆく種族なんだよ」#借りぐらしのアリエッティ #アリエッティ #翔 #ジブリ #金曜ロード pic.twitter.com/JaPOEwVOKB
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 28, 2020
翔なりに小人たちの未来を考えた結果
「滅びゆく種族」という言葉だけを聞くと、翔が小人たちの未来を勝手に決めつけているようにも感じられます。
しかし、翔は何の根拠もなく「滅びる」と言ったわけではありません。
アリエッティの家族はわずか3人。
ほかにも小人がいることは分かっていても、どこに何人いるのかさえ分からない状況です。
さらに小人たちは人間に姿を見られないように暮らし、人間の家から生活に必要なものを少しずつ「借り」なければなりません。
人間に存在を知られてしまえば、その場所で生活を続けることさえ難しくなります。
実際、アリエッティたちも人間に存在を知られたことで、住み慣れた家を離れることになります。
翔はアリエッティから話を聞き、小人たちが生き残っていくことの難しさを感じたのでしょう。
そして「このまま数が減っていけば、いつか小人はいなくなってしまう」と考えた。
それが「君たちは滅びゆく種族」という言葉につながったのだと思います。
翔はアリエッティを傷つけたかったわけではない
ここで重要なのは、翔が小人を嫌っていたわけではないことです。
むしろ翔はアリエッティに対して好意的に接しています。
角砂糖を届けようとしたり、小人のために作られたドールハウスを使ってもらおうとしたりするなど、アリエッティたちの生活を助けようとしていました。
そのため「滅びゆく種族」という発言も、アリエッティを傷つけようとして出た言葉とは考えにくいでしょう。
翔は自分が感じた小人たちの現実を、そのまま言葉にしてしまったのだと思います。
ただ、悪意がなかったからといって、アリエッティが傷つかないわけではありません。
アリエッティたちは厳しい環境の中でも懸命に生きています。
そんな彼女に対して「君たちは滅びる」と言ってしまったのですから、アリエッティが怒ったのも当然でしょう。
この場面では、同じ小人たちの現状を見ながらも、翔とアリエッティでは未来に対する考え方が大きく違っていたことが分かります。
「滅びゆく種族」という言葉には翔自身の境遇も関係している
「借りぐらしのアリエッティ」は小人と人間っていうのが何より面白いんですよね。#ジブリ #借りぐらしのアリエッティ #金曜ロードショー pic.twitter.com/SJvgRlfV2y
— うろたん (@urotan51131875) August 21, 2020
翔は心臓の病気を抱えていた
翔の「君たちは滅びゆく種族」という発言を考えるうえで重要なのが、翔自身が心臓に病気を抱えていることです。
翔は手術を控えており、療養のために屋敷へやって来ました。
まだ少年でありながら、自分の命や将来について考えなければならない状況に置かれています。
そのため翔にとって「生きること」や「死ぬこと」は、決して遠い話ではなかったのでしょう。
アリエッティから小人たちの数が少なくなっていることを聞いたとき、翔はその先にある「滅び」をすぐに想像してしまいました。
それは翔自身が、自分の未来を楽観的に考えることができなかったからではないでしょうか。
普通なら「どこかにほかの小人もいるかもしれない」と考えるところを、翔は「このままではいなくなってしまう」と考えました。
そこには翔自身の悲観的な気持ちが表れているように思えます。
翔は自分と小人たちを重ねていた?
翔とアリエッティは、まったく違う境遇にいるように見えます。
しかし、二人には共通する部分もあります。
アリエッティたちは数が少なく、これから先も種族として生き残っていけるのか分かりません。
一方の翔も心臓に病気を抱え、これから手術を受けなければならない状況にあります。
つまり、どちらも未来が保証されているわけではありません。
翔がアリエッティに「君たちは滅びゆく種族」と言ったとき、その言葉には自分自身の境遇も重なっていたのではないでしょうか。
小人たちの未来を悲観する翔は、同時に自分自身の未来も悲観していたのだと思います。
だからこそ翔は、小人たちが置かれている厳しい状況を知ったとき、「それでも生きていける」と考えるのではなく、「いつか滅びてしまう」と考えてしまったのでしょう。
翔とアリエッティでは未来に対する考え方が違った
明日は待ちに待った金曜ロードショー!
「借りぐらしのアリエッティ」!!!
楽しみですね~~~🌱🌱🌱
一緒に楽しみましょう٩( •ᴗ• )۶♩*゜#金曜ロードSHOW #借りぐらしのアリエッティ pic.twitter.com/ri7RKmxvYg— 🐱駄作者の華恋👩🦰 (@Dasaku1998) July 6, 2017
アリエッティは「滅びる」と決めつける翔に反発した
翔の言葉に対して、アリエッティは強く反発します。
小人の数が少ないことは、アリエッティ自身も分かっています。
それでもアリエッティは、自分たちが滅びるとは考えていません。
ここには翔とアリエッティの大きな違いがあります。
翔は現在の状況から未来を予測し、数が少ないのだから、このままでは滅びてしまうと考えました。 それに対してアリエッティは、どれほど厳しい状況であっても生きようとします。
アリエッティにとって大切なのは、将来滅びる可能性があるかどうかではありません。
今を生き、これからも生き続けようとすることです。
現実を冷静に見て未来を悲観する翔と、厳しい現実の中でも生きることを諦めないアリエッティ。
「君たちは滅びゆく種族」という言葉によって、二人の考え方の違いがはっきりと表れています。
アリエッティとの出会いが翔を変えた
物語の終盤、アリエッティの家族は住み慣れた家を離れることになります。
人間に存在を知られてしまった以上、そのまま床下で暮らし続けることはできません。
新しい住みかが安全なのか、そこでどのような生活が待っているのかも分かりません。
それでもアリエッティは未来を諦めません。
家族とともに新しい場所へ向かい、生きていこうとします。
そんなアリエッティの姿は、翔にも大きな影響を与えたのではないでしょうか。
二人が出会った当初、翔は自分の未来を悲観していました。
ところがアリエッティは、翔以上に厳しい環境に置かれながらも、生きることを諦めようとはしません。
最初は翔がアリエッティに小人たちの厳しい現実を伝えているように見えます。
しかし物語全体を見ると、アリエッティの方が翔に「生きようとすることの大切さ」を伝えていたとも考えられます。
翔にとってアリエッティとの出会いは、自分自身の未来に向き合うきっかけになったのでしょう。
まとめ
8月7日金曜ロードショー「借りぐらしのアリエッティ」よる9時放送! https://t.co/JRtYSlGr4E
みたことないのでみようかな— 【Shinzo Otonashi】 ⭐️リハビリ中⭐️ (@siegfried_atls) July 31, 2026
この記事では、翔がアリエッティに「君たちは滅びゆく種族なんだよ」と言った意味について考察しました。
- 翔は小人の数が少なくなっている現実を知り、「このままでは滅びてしまう」と考えた
- 「滅びゆく種族」という言葉は、アリエッティを傷つけるために言ったものではない
- 心臓に病気を抱える翔自身も、自分の未来を悲観していた
- 翔は小人たちの境遇に、自分自身を重ねていた可能性がある
- アリエッティは厳しい現実を知りながらも、生きることを諦めなかった
- アリエッティとの出会いによって、翔も自分の未来に向き合うようになった
翔の「君たちは滅びゆく種族」という言葉は残酷に聞こえますが、小人たちが置かれている悲しい現実と、翔自身の不安な気持ちが重なって出た言葉だったのでしょう。
そして、その言葉を否定するように懸命に生きるアリエッティの姿が、未来を悲観していた翔の心を少しずつ変えていったのではないでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました!

