後宮の烏/烏妃(うひ)の正体とは?夏の王・冬の王との関係から解説

後宮の烏

「後宮の烏(こうきゅうのからす)」に登場する柳寿雪(りゅうじゅせつ)。

後宮の奥深い場所にある夜明宮にいる寿雪は、妃でありながら夜伽(よとぎ)をしない烏妃(うひ)と呼ばれる特別な存在です。

ではなぜ霄の国の後宮には烏妃がいるのでしょうか?

そもそも烏妃とはどんな存在なのでしょうか?

作品序盤では、時の皇帝・高峻(こうしゅん)でさえ、烏妃の正体を知りませんでした。

そこで今回は烏妃の正体を夏の王、冬の王との関係から解説します。

また烏妃が存在するようになった経緯・歴史についてもまとめました!

 

烏妃(うひ)の正体を夏の王・冬の王との関係から解説

烏妃については「後宮の烏」小説1巻の「雲雀公主」でかなり詳しく説明がされています。

烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)を祀る巫婆の末えい

烏妃とは、夜と万物の生命をつかさどる女神である烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)に仕えていた巫婆の末えいだとされています。

夜明宮でひっそりと暮らし、夜伽(よとぎ)をすることも、帝の子どもを産むこともありません。

不老不死の仙女とも恐ろしい幽鬼ともささやかれていましたが、実は普通の人間なのです。

もともとは冬の王

歴史を遡ると、烏妃とはもともと冬の王でした。

作品の舞台となる霄(しょう)の国には、かつて

  • 男王である夏の王:政治を担当
  • 巫女王である冬の王:祭祀を担当

が存在。

夏の王は血族の男子が世襲的に引き継ぎ、冬の王は神託により幼い女子が選ばれてきました。

この冬の王こそが後の烏妃なのです。

こうして2人の王の存在により、500年余り平和に治められてきたのが霄という国でした。

冬の王の役割:烏漣娘娘の言葉を伝える

冬の王とは、祭祀を担当する巫女王のこと。

冬の王は女神である烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)から力を授かり、烏漣娘娘の言葉を伝える役割を果たしてきました。

推測ですが、祭祀などの他に占い、予言、治病、呪術、死者を弔うなどもしていたのではないでしょうか。

まさしく巫女であり、シャーマンとも言える存在が烏妃なんですね。

前王朝において烏妃の数は100人を超える

巫術師として前王朝(欒王朝)に仕えていた封一行(ほういちぎょう)によると、約300年続いた前王朝において、烏妃の数は100人を超えるとのこと。

正確には136人だといいますから、かなり多いですよね。

中には皇帝を殺して自分が皇帝になろうとした烏妃いたとか!?

冬の王である烏妃には、夏の王である皇帝を殺す力があったのです。

そのため欒王朝初代皇帝は烏妃を恐れて、巫術師を見張りにつけたのです。

烏妃の能力・術

歴代の烏妃はすべて同じ能力・術を持っていたかは不明。

ですが寿雪(じゅせつ)は

  • 死者の魂を1回だけ召喚できる
  • 成仏できない魂を楽土に送ることができる
  • 幽鬼と意思疎通ができる
  • 持ち物から持ち主を探ることができる
  • 呪詛返しをする
  • ひとがたを烏の姿に変化させて、人を探させる

などの能力・術を持っています。

ただし呪殺が可能かどうかは不明。

特別に位を与えられている存在

烏妃の持つ摩訶不思議な能力・術に引かれていた歴代の皇帝たちは、その力を独占するために烏妃を後宮に囲い、特別な位を与えていました。

それが烏妃という位です。

烏妃は皇帝が代わっても交代することはなく、高峻の祖父も前王朝の烏妃をそのまま踏襲しました。

現在では夜明宮でひっそり暮らしている

本編開始時の烏妃である寿雪は、夜明宮(やめいきゅう)でひっそりと暮らしていました。

夜明宮には侍女や宮女はおらず、寿雪と婢女のふたりが暮らすだけ。

政治的な権力はなく、皇帝の子を産むこともありません。

寿雪は先代の烏妃から、多くの人間と関わらないよう指導を受けていました。

そのため当初は寿雪にも侍女や宮女がいなかったのです。

烏妃(うひ)はどのように選ばれるのか?

現在では烏妃は星星(シンシン)により選ばれます。

星星はとても珍しい金色の羽を持つ金鶏で、黄金のありかを知らせる、死人を見つけるなどの言い伝えがあるとか。

日本にも全国各地に”黄金の鶏が地下に埋まっている”という金鶏伝説がありますが、星星も何らかの形で烏漣娘娘の意志を受け取り、烏妃を選ぶのかもしれませんね。

「後宮の烏」烏妃が存在するようになった経緯・歴史を解説

ここからは烏妃が存在するようになった経緯・歴史を解説します。

冬の王が殺され戦乱の世に

かつて霄の国には

  • 男王である夏の王:政治を担当
  • 巫女王である冬の王:祭祀を担当

という2人の王が存在し、平和に治められていたことはすでに解説しました。

しかし、あるとき夏の王が冬の王を殺害。

 

理由は不明ですが、恋愛のもつれとも言われています。

その後、夏の王の軍勢と冬の王の軍勢が争う時代が数百年続きますが、新たな冬の王が現れることはありませんでした。

その間に霄の国は荒廃し、冬の王の名前は歴史の中に埋もれていきます。

欒夕(らんゆう)が登場

いくつかの王朝が興っては滅びるの歴史を繰り返していた霄の国に、あるとき欒夕(らんゆう)という人物が現れます。

欒夕は軍勢を率いて都に。

このとき欒夕は、香薔(こうしょう)という12歳の少女を連れていましたが、香薔こそが烏漣娘娘に選ばれた冬の王だったのです。

その後、欒夕は国を統一し、夏の王に。

こうして約1,000年ぶりに夏の王と冬の王が並び立つことになります。

香薔が烏妃に

しかし欒夕は香薔に冬の王を名乗らせませんでした。

夏の王と冬の王、2人の王が存在することは戦乱の世につながると考えたからです。

実際には欒夕は支配権を独占したいだけだったのかもしれませんが。

欒夕は香薔から実権を奪い、烏妃と名付け、さらに宮を作らせて香薔を閉じ込めます。

欒夕のことを愛していた香薔はすべてを受け入れ、夜明宮で烏漣娘娘の守りをするように。

こうして烏漣娘娘を祀る巫婆の末裔(まつえい)としての烏妃が誕生したのです。

歴史書は2つ存在する

霄の国には「雙通典(そうつうてん)」という歴史書があります。

実は「雙通典」には

  • 偽りの史実を描いた書
  • 本当の史実を描いた書

以上2つが存在します。

偽りの史実を描いた書は公に知られている歴史書。

一方、本当の史実を描いた書は夜明宮に保管されており、公になることはありません。

本当の史実は歴代の烏妃の間では伝えられていますが、皇帝になった当初の高峻さえも知らなかったことでした。

夏の王は冬の王なくして存在し得ない

夏の王と冬の王は対になる存在です。

本編開始時点では

  • 夏の王:高峻
  • 冬の王:寿雪

ですが、2つの王の存在は歴史の中に深く葬り去られています。

それでも高峻は皇帝に、一方の寿雪は烏妃として夜明宮の中に閉じ込められているのです。

寿雪にとってはやりきれない思いや怒りがあるはずですが、高峻が手を差し伸ばしてくれたことで、気持ちが穏やかになったに違いありません。

まとめ

「後宮の烏」に登場する烏妃について解説しました。

  • 烏妃はもともと霄の国の冬の王だった
  • 現在では烏漣娘娘の巫女の末裔として存在している
  • 死者の魂を1回だけ召喚できる、成仏できない魂を楽土に送ることができるなど不思議な術を持つ
  • 現在では烏妃は星星により選ばれる
  • かつて夏の王が冬の王を殺害し、戦乱の世になるが、欒夕が国を統一
  • 欒夕は烏漣娘娘に選ばれた香薔を冬の王にすることなく、宮に閉じ込めて初代の烏妃にする

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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