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もののけ姫の時代はいつ?時代背景や縄文時代との関係についても

もののけ姫

スタジオジブリが製作し、1997年に公開されたアニメ映画「もののけ姫」。

宮崎駿氏が監督を務め、かつての日本を思わせる世界観で物語が描かれる、和風ファンタジーの傑作と言える作品です。

今回の記事では「もののけ姫」が日本のどの時代を描いているのか?

縄文時代っぽさが感じられる理由についても解説していきますね。

ぜひ最後までお付き合いください!

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「もののけ姫」の時代はいつ?

もののけ姫の時代は室町時代

「もののけ姫」で描かれているのは室町時代の日本。

このことはジブリが公式に発表しています。

たしかに映画内では、石火矢(現代でいう鉄砲のこと)が登場したり、タタラ場の人たちの服装が時代劇ぽかったりしているので、室町時代ぐらいと言われると納得できますね。

しかし単純に室町時代だといわれると、違和感があるのも事実。

シシ神などの神々の存在は、もっと昔、縄文時代などのシャーマニズム(自然霊信仰)を感じさせてくれます。

 

推測ですが、宮崎駿監督は室町時代という時代を、近代の日本と遥かな過去の日本との中間地点だと考えているのではないでしょうか。

少しづつ近代的な文化や価値観が広がっていく中に、失われつつある過去の文化が生き残っている。
そんな過渡期を描いているのが、「もののけ姫」なわけですね。

宮崎監督は室町時代をおもしろい時代と表現

宮崎駿監督は室町時代のことを、「面白い時代」と表現しています。

室町時代より前、鎌倉時代には人々は主義主張で生きていた。

それが室町時代になると、人々が利や損得で動くようになっていく。

だから室町時代は面白い、と宮崎駿監督は語っているんです。

さらに室町時代は混乱と流動の時代だとも語っていますね。

たしかに室町時代というのは、歴史で学んでも、多くの「変化」があった時代なのだということがよくわかります。

「下剋上」などは、その最たるものでしょうね。

なにせ、昨日までの主君を打ち滅ぼし、自分が乗っ取ってしまおうというのですから。

しかも、それが周囲に受け入れられてしまう。

鎌倉時代までの日本では考えられない事態です。

こういった大きな変革の中で生きている人々の姿を、宮崎駿監督は面白いと感じたのでしょうね。

 

もののけ姫の時代背景

明の建国や日明貿易があった時代

もののけ姫で描かれている室町時代という時代は、ちょうど中国で元王朝が滅び、明王朝が誕生した時代。

それまでの元王朝が日本に対して攻撃的だったのと違い、明王朝は日本との交易を望みました。

歴史上でいう「日明貿易」ですね。

その結果、日本には明から様々な物品や思想、文化が流れ込んできます。

新しいものが次々と日本にもたらされ、世の中が変化していったのです。

日本に住む人々は新しいものを受け入れたり、反発したり、日本風にアレンジして取り込んだりと、変化の中を生き抜いていくことになるのです。

明から永楽通宝などの貨幣が大量に輸入された時代

日明貿易によってもたらされた物品の中で最も重要なのが、永楽通宝などの「貨幣」。

室町時代当時の日本では、国内で貨幣を鋳造(ちゅうぞう)していません。

自分たちでお金を作らずに、外国から入ってくるお金をそのまま使っていたんですね。

鎌倉時代以前にも、中国から輸入された貨幣は存在しましたが、ごく少数であり、一部の上流階級でしか利用されていませんでした。

 

しかし日明貿易が活発になることで、大量の貨幣が日本国内で流通。

結果として、一般人にも貨幣経済が浸透していくことになるのです。

作品前半にアシタカが訪れた村でも、庶民がごく普通に貨幣を使っていましたが、この貨幣経済の発達が人々に「利」という概念を生み出しました。

利益というものが、わかりやすく目で見えるようになったんですね。

朝廷が南北に分かれていた時代

朝廷が南北に分かれていた時代があったのも、室町時代の大きな特徴。

鎌倉時代以前は、日本の頂点に立つ組織は一つしかありません。

朝廷から幕府に実権が移ったりはしていますが、名目上のトップは常に、ただ一人の天皇でした。

しかし室町時代には、天皇が二人同時に存在している時代があるのです。

それが南北朝時代。

この時期の日本では、多くの武士たちが南朝・北朝どちらに味方するのかの選択を迫られました。

 

これが多くの人々が「損得」でものを考えるようになった原因。

どちらにつけば自分にとって得なのか、という考え方をするようになっていったんですね。

さらに、トップが二人いるという異常事態は、人々に「これまでの制度は変化しないものではない」ということを実感させました。

「天皇が二人になるくらいだから、何が変わっても不思議じゃない」と、人々は考えてしまったのです。

こうして日本は、利益と損得が支配する激動の時代へと進んでいくことになります。

もののけ姫と縄文時代の関係

ここまで、もののけ姫で描かれている室町時代について解説してきました。

一方、「もののけ姫に感じる縄文時代っぽさ」とは何なのでしょうか?

アシタカの村は縄文の文化を引き継いでいる

物語の冒頭で登場する、アシタカの生まれ故郷の村は、縄文時代の文化を変化させずにそのまま引き継いでいると考えられます。

アシタカたちの服装や考え方、生活の様子などは、まさに縄文時代そのまま。

定住して稲作をするのではなく、狩猟と採取で生活するのが縄文時代の特徴です。

アシタカたちは、朝廷に従わずに独自の文化を守り続けている、「まつろわぬ民」なのでしょうね。

まつろわぬ民とは、朝廷に従わなかった人たちのことで、蝦夷(えみし)などとも呼ばれています。

歴史の授業にも登場しますね。

ヒイ様は縄文時代の巫女を連想させる

中でも、アシタカの村の指導者的立場にいたヒィ様は、縄文時代の巫女を連想させる存在。

縄文時代は、シャーマニズムと呼ばれる信仰が一般的だったといわれています。

シャーマニズムは別名を自然霊信仰といい、大自然に存在する神々と交信する巫女(シャーマン)が、宗教的指導者として人々を率いていたとされているのです。

まさに、アシタカの村のヒィ様のような存在というわけですね。

ちなみに、日本で一番有名な巫女は、中国の歴史書「魏志倭人伝」に載っている卑弥呼(ひみこ)。

この人物は縄文時代よりも少し後の弥生時代の人物ですね。

 

まとめ

今回の記事では、もののけ姫が日本のどの時代を描いているのかと、縄文時代っぽさが感じられる理由についても解説しました。

  • もののけ姫の舞台は室町時代
  • 室町時代は人々の意識が変化していった激動の時代で、宮崎駿監督は「面白い時代」と評している
  • アシタカの村は、朝廷に従わずに縄文時代の文化を守り続けている「まつろわぬ民」である

もののけ姫は、失われていく過去と、訪れる新しい時代との過渡期を描いた素晴らしい作品です。

時代背景についての知識があれば、もっと面白く見られるんじゃないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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