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もののけ姫のタタラ場に子供がいないのはなぜ?モデルについても

もののけ姫

1997年に公開されたアニメ映画「もののけ姫」。

宮崎駿監督が描いた、室町時代の日本は舞台の和風ファンタジーの傑作です。

もののけ姫には、タタラ場という製鉄を行っている村が登場しましたね。

ですが、この村には子供の姿がありませんでした。

今回の記事では、タタラ場に子供がいない理由について考察していきます。

さらに、タタラ場のモデルになった土地についても解説していきますね。

ぜひ最後までお付き合いください!

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「もののけ姫」タタラ場とは?

タタラ場は昔の製鉄所

タタラ場というのは、製鉄を生業にする人たちが作った集落のこと。

現代で言えば、製鉄所と職員の住宅ですね。

日本では古来から、たたら製鉄が行われており、タタラ場は各地に存在しました。

室町時代の後期である戦国時代には、鉄砲の製造技術も広がり、雑賀衆や国友衆といった、有名な鉄砲鍛冶師の里も登場します。

鉄砲の製造技術は極めて貴重な最先端技術で、エボシが率いるタタラ場は重要拠点といえるでしょう。

日本古来のタタラ場は、本来は女人禁制の場所。

もののけ姫のタタラ場では、リーダーのエボシが女性なせいもあって普通に女性が働いていますが、それは珍しい光景なんですね。

夫婦がいるので子供がいても不思議ではないが・・・

エボシの率いるタタラ場には、子供の姿がありません。

ですが、住民同士が夫婦関係にある家庭はあるようです。

作中でも、甲六とトキの夫婦などが確認できますね。

だから子供がいても不思議ではないはず。

むしろ、子供の姿が全くないほうが不自然。

なぜタタラ場に子供はいないのでしょうか?

 

「もののけ姫」タタラ場に子供がいない理由

宮崎氏の答え

宮崎駿監督は、「タタラ場に子供がいない理由」について、インタビューで答えています。

まずは、その理由を説明しましょう。

ややこしくなるから(子供を)入れなかった

宮崎駿監督が語る一つ目の理由が、「ややこしくなるから」。

確かに子供が登場してしまうと、物語がさらに複雑になってしまいます。

子供の姿というのは、登場するだけで多くのことを語っているのです。

子供が元気いっぱいで楽しそうにしていれば、その場所は危険や不安がない安全な場所だといえます。

逆に怯えていたりするのならば、何らかの危険が近くにあるということ。

多くの物語で取り入れられている表現手法ですね。

ですが、もののけ姫のタタラ場の状況は、子供が登場しなくても大人たちが説明してくれています。

何せ相手が神様なので、大人だって怯えているくらいです。

さらに子供の姿まで描く必要はないでしょう。

今はその時期ではない

宮崎駿監督が語るもう一つの理由が、「今はまだその時期ではない、というタタラ場の姿を描きたかった」。

確かに、子供がいるということは、それだけ余裕があるということを意味します。

ある程度成長すれば、子供でも立派な労働力ですが、成長するまでの数年間はどうしても手がかかってしまいますからね。

当然、一時的にですが生産力が落ちてしまいます。

現状では、タタラ場で子供を育てている余裕はない。

宮崎駿監督は、そういうタタラ場のギリギリの状況を、「子供がいない」という方法で表現しようとしたんですね。

できて日が浅く敵も多いので子供どころではなかった?

エボシの率いるタタラ場はできてから日が浅く、敵も多いです。

ジコ坊との取引の結果、神々とも敵対していますし、製鉄と鉄砲の技術を求める人間の敵も大勢いることが予想できます。

危機意識は住民全員が共通して持っているようでしたので、夫婦関係にあっても現状では子供を育てる余裕はないと考えて、遠慮している可能性は高いですね。

つまり、夫婦が自主的に子供を作っていないのではないでしょうか。

子供よりも今は製鉄に注力する必要があるから

ほかにも、製鉄の生産能力を落とさないために、エボシが子供を作らないように指示している可能性がありますね。

現状のタタラ場にとって、鉄と鉄砲の生産能力は死活問題。

鉄砲はそのまま防衛能力ですし、他者との取引の切り札にもなります。

少しでも多くの量を生産する必要があるのです。

ですが、子供が生まれてしまえばタタラ場の働き手である女性の手が取られてしまい、生産能力が落ちてしまいます。

エボシが、住民同士の婚姻は認めるけれど、子供については生まないように通達していても不思議ではないでしょう。

いい村になれば夫婦は子供を作るのでは?

物語のラストで、エボシはやり直しを誓っていました。

みんなで協力して、タタラ場をよい村にしようと誓ったのです。

この言葉は、急ぎすぎた自分への反省なのだと考えられます。

反省の中には、子供に関する考え方も含まれているのではないでしょうか。

これまでは、早く村を大きくするために子供を制限していたけれど、これからはやめよう。

こういった意味が含まれているとすると、納得がいきますね。

ラストシーンの後のタタラ場では、子供の姿も少しづつ増えていくのではないでしょうか。

もしかしたら、サンとアシタカの子供も紛れ込んでいるかもしれません。

もしそうだったら、とても素敵ですね。

「もののけ姫」タタラ場のモデルは?

菅谷たたら(島根県)がモデル

もののけ姫に登場するタタラ場のモデルになっているのが、島根県にある「菅谷たたら」だといわれています。

菅谷たたらは、江戸時代の1792年から昭和まで実際に稼働していた製鉄施設で、国内で唯一現存しているたたら製鉄の施設です。

国の重要有形民俗文化財にも指定されていますね。

ちなみに、この菅谷たたらは現在修復工事が終了して、創業当時の姿を見られるようになっています。

観光で訪れてみるのも楽しそうですね。

出雲はたたら製鉄が盛んだった

菅谷たたらが存在する島根県は、かつて出雲と呼ばれた地方。

出雲は古来より、製鉄が盛んだったといわれています。

日本の神話には、出雲を支配するスサノヲという神が登場するのですが、スサノヲのスサは砂鉄を意味するといわれているのです。

つまり、「鉄の王」で「スサノヲ」なんですね。

このことからもわかるように、神話の時代から出雲では製鉄が行われ、強大な軍事力を保有していたのではないかと考えられています。

スサノヲが強大な力を持つ神として神話で描かれているのは、出雲の持つ製鉄技術を表しているわけですね。

 

まとめ

タタラ場に子供がいない理由と、タタラ場のモデルになった土地についても解説しました。

  • タタラ場に子供がいないのは、宮崎駿監督が話がややこしくなるのを嫌がったのと、切羽詰まっている現状を表現したかったから
  • 物語のエンディングの後は、子供も増えていくのではないかと考えられる
  • タタラ場のモデルになったのは島根県の菅谷たたら
  • 島根は神話時代から製鉄が盛んな土地だった

もののけ姫のタタラ場では、人々が一生懸命に働き、必死で生きていました。

特に、働く女性の姿は美しいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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