2008年公開のイギリス映画「スラムドッグ$ミリオネア」を観ました。こんないい映画だとは思っていませんでした。
脚本、キャスト、音楽すべてすばらしかった!鑑賞後これだけ気分がいいのは久しぶり!なんでもっと早く観なかったのか、後悔しています。
この映画の中でスラム街で生まれ育ったジャマールは、クイズ番組で全問正解まであと1問というところまでこぎつけます。
これに正解するとこれまで1人しか達成していない全問正解者となり、ミリオネアになることができます。
でも最後の9問目が出題された時、ジャマールは笑って「それが知らないんです」と答えます。
ではなぜ彼は最後の問題を答えることができたのか、私なりに考察してみます。
目次
スラムドッグミリオネアでなぜジャマールは最後の問題を正解できた?
なぜジャマールは最終問題(9問目)を答えることができたのか?
さっそく結論を書きますが、やはり運命だったというのが私の個人的な見解です。
それまでの8問のほとんどの答えは、ジャマールがこれまで生きてきた中で何らかの形で見聞きしていました。
だからこそスラム街出身できちんとした教育を受けていないジャマールがそれなりの難問を答えることができたのです。
ジャマールの生い立ちやそれまでの生活に正解に至る伏線があったのです。
そして9問目にも正解に至る伏線がありました。
小さいころ学校(?)の授業で三銃士の話が出てきます。また「あの子(ラティカ)を三銃士の一員に(入れてあげよう)」という兄サリームとの会話もありました。
でもサリームはそのとき「3番目の銃士の名前は知らない」と言います。ジャマールも三銃士全員の名前を知りませんでした。
そこで最後のライフラインであるテレフォンを使い、兄に連絡を取りますが、兄から電話を渡されていたサリーンが電話に出ます。
驚くジャマール。でもサリーンも答えを知りません。
そこでジャマールは勘で答えを選び見事正解。全問正解を成し遂げます。
ジャマールは無欲で最後の問題を正解した?
4択なのであてずっぽうに選んでも25%の確率で正解します。
ただあの時ジャマールは無欲でした。少なくとも私にはそう感じられました。
正解してミリオネアになりたい、という気持ちはこれっぽっちもなかったはずです。
テレフォンで兄に繋がるはずがラティカにつながったことで、ジャマールにとってクイズはどうでもよくなっていたのです。
もともとジャマールはラティカに自分を見つけてほしくてクイズミリオネアに出演しました。
それが思いがけず声を聴けたのですから、もう目的を果たしたのです。
あのときの彼にとって正解してお金を得るより、愛の方がずっと大切だったのでしょう。
正解してもしなくてもどうでもいい、という無欲の心境で最後の問題に答えたはずです。
正解した理由を運命、と言うといかにも安っぽくなるので別の表現をできればいいのですが・・・やはり運命としか言いようがありません。
スッキリしない人もいるかもしれませんが。
問題の正解よりラティカのみを心配したジャマール
最後の問題についてもう一つ付け加えます。テレフォンでジャマールがラティカに問題を読み上げた後「今どこ?」と尋ねます。
「安全な場所よ」ラティカは答えます。問題の答えよりジャマールはラティカの身の安全を心配したのです。
あの場面にはグッときました!そして正解してラストの2人の再会のシーンに繋がっていきます。すばらしいクライマックスでした。
スラムドッグミリオネアの2つの見どころ
個人的にこの映画の見どころは2つあると感じました。
- ジャマールとラティカは最後に再会できるか?
- ジャマールはクイズ番組で全問正解することができるのか?
大きなテーマとしてジャマールとその初恋の相手ラティカの純愛があるのですが、見どころとしてはこの2点に集約されると感じました。
幼少期に出会い別れ、その後も再会と別れを繰り返す2人。
そしてラティカに自分を見つけてほしい一心で、ラティカがよく見ているクイズミリオネアに出場するジャマール。
クイズの問題が進むごとにジャマールの生い立ちが明らかになり、ラティカとの再会と別れも細かに描かれていきます。
そしてクライマックスの最終問題。ラティカと電話で会話できたことで目的を果たし、無欲で問題に答えて正解します。
結局2つとも叶うことになるのですが、その描き方が見事だと感じました。とにかく脚本がすばらしかった。
ジャマールの兄サリームの存在も見逃せない
「スラムドッグミリオネア」では、ジャマールの兄サリームの存在も見逃せません。
小さいころから悪知恵が働き、見ているこちらからすると悪い印象しか持てないサリーム。
列車で逃げる際、ラティカの手を放し置き去りにしたり、裏社会の人間を手伝うようになったり。
またジャマールの気持ちを知っていながらラティカと強引に関係を持とうとしたり。
でも最後は弟ジャマールとラティカを思う行動に出ます。
自分の命を懸けてジャマールとラティカを会わせます。
車のカギを渡してラティカを逃がし、携帯電話を持たせてラティカがジャマールと連絡を取れるようにします。
「俺がしたことをどうか許してくれ。幸せになれ」という言葉をかけて。
ラティカを逃がしたことで、サリームはギャングのボス・ジャヴェドの仲間に殺されます。
ずっと悪い印象しかありませんでしたが、最後に命を賭して兄らしいことをしたサリームもこの映画で大きな役割を果たしていました。
まとめ
- ジャマールがクイズミリオネアの最終問題に答えられたのは運命
- 最終問題を答える前にラティカと話せたことで無欲になっていた
「スラムドッグミリオネア」はとにかくすばらしい!何度でも見る価値のある映画だと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!