2001年公開のアニメ映画、「千と千尋の神隠し」。
宮崎駿さんが監督を務めている作品です。
この物語の中で、主人公の荻野千尋は名前を奪われ、千という新たな名前で油屋で働くことになります。
今回の記事では
- 湯婆婆が千尋から名前を奪った理由
- 千尋がサインする時に名前を間違った理由
について考察していきます。
ぜひ最後までお付き合いください!
目次
「千と千尋の神隠し」湯婆婆が千尋の名前を奪う意味と理由は?
湯婆婆「ここはね、人間の来るところじゃないんだ
八百万の神さま達が疲れを癒しにくるお湯屋なんだよ」#千と千尋の神隠し#金曜ロードショー pic.twitter.com/O5ErwsbCo3— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 5, 2024
名前を奪うことで千尋の自由を奪うため
古来、日本やアジア圏の国には、名前はその人間のすべてを現している、という考え方があります。
名前を知られることは、すなわち自分のすべてを支配されることにつながる。
それがアジア圏での古来からの考え方なんですね。
そのため、本名を隠して通称を名乗る、といった風習があるんです。
隠された本当の名前は家族しか知らず、忌み名(いみな)と呼ばれます。
通称は、字(あざな)と呼ばれていますね。
有名なところでは、坂本龍馬の「竜馬」は字になります。
忌み名は「直柔」ですね。
坂本龍馬は、家族にあてた手紙の中では、忌み名である直柔の名前を使っています。
家族以外には、本当の名前は隠しているんですね。
名前を奪う事は、昔ながらの考え方では自由を奪う事につながる、というわけです。
油屋の従業員として扱うため
油屋の従業員として扱うために新たな名前を与えた、という考察もできます。
油屋は、一説によると湯屋、つまり風俗店の類ではないか、とも言われているのです。
古来、遊郭などで働く女性は、かつての名前を捨てて新たな名前を名乗るのが一般的。
現代でも源氏名というものがありますね。
油屋で働くならば、新しい名前を名乗ることが必要だから、名前を奪ったんですね。
千尋では名前負けしているから
湯婆婆の声を担当したのは夏木マリさんです。夏木さんにとって湯婆婆は“とにかくかわいくて面白い”愛すべき人物なのだとか😳。時代を一生懸命に生きる中で、そのアグレッシブさから世間的には悪い人だと思われてしまう…そんなイメージで湯婆婆を演じたそうです😊。続く👉#千と千尋の神隠し pic.twitter.com/HS4uR5hlbu
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 5, 2024
千尋という名前は、「せんじん」という読み方もできます。
せんじんと呼んだ場合は、「とても深い」とか「とても高い」という意味になります。
千尋の谷、という言葉もありますね。
また「ちひろ」と言う言葉には、「計り知れない深さ」という意味も。
つまり千尋という名前には、「表面だけではなく、奥深い人間になって欲しい」という意味が込められているわけです。
現在の、まだ子供でしかない千尋では名前負けしている、と思われても仕方がないですね。
千という名に込められた意味とは?
千という字には「たくさん」という意味があります。
ですが千尋という名前に込められている、「奥深さ」や「高さ」を取り除いた名前、とも捉えられますね。
つまり湯婆婆は、千尋に表面しか理解できない人間になって欲しかったのでは?
もし千尋が湯婆婆の狙い通りに、表面しか見えない人間になっていたら、元の世界には帰れなかったでしょうね。
それが湯婆婆の狙いだったのではないでしょうか。
「千と千尋の神隠し」千尋が名前を書き間違えた理由はなぜ?
■千と千尋お得情報メモ 荻野千尋…と書いてあると思いきや、荻の字が間違っています!本来“火”と書くべきところが“犬”になっていますね。千尋さんは書き間違えただけなのか、わざと間違えたのか…気になるところですぅーー😳 #千と千尋の神隠し #千 #せんちひ pic.twitter.com/64i5tN9SAQ
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 20, 2017
湯婆婆との契約書にサインする時に、千尋は自分の名前の苗字の漢字を間違えて書いています。
それが何故なのかについて考察しましょう。
緊張のために名前を書き間違えた
まず考えられるのは、「千尋が緊張して名前を書き間違えた」という理由です。
千尋はまだ子供。
大人から「契約書にサインしろ」と言われて、緊張しないはずがありません。
だから名前を書き間違えた、というのは納得できる理由ですよね。
千尋が意図的に名前を書き間違えた
千尋が意識して名前を書き間違えたのではないか、という考察もできます。
前述したように、名前という物には重要な意味があります。
千尋はそのことを知らないでしょうが、子供らしい直観力で「嫌な予感がした」。
だから、わざと名前を書き間違えたのではないでしょうか。
しかしこの場合は、せっかく名前を書き間違えて本名を隠したのに、湯婆婆にさらに上をいかれてしまったわけですね。
年の功といいますか、婆の姿なのは伊達ではない、という事でしょうか。
神様の世界に迷い込んだため名を忘れかけていた
神様の世界に迷い込んだ影響で、千尋が自らの名前を忘れかけている、という考察もできます。
神様の世界では人間界での記憶が徐々に失われていく、というわけですね。
また千尋が迷いこんだ世界は、死後の世界なのではないか、という考察も。
もしも死後の世界なのだとしたら、生前の記憶が失われていくことにも納得がいきますね。
つまり、千尋は少しずつ、本当の死に近づいている、というわけです。
宮崎監督の演出
このシーンは、千尋の子供らしい、おっちょこちょいな部分を表現した、宮崎駿監督の演出なのではないか、という考察もあります。
確かにそう考えると、このシーンだけで千尋の子供らしさが表現されている、上手な演出ですね。
一生懸命に振舞っていても、あくまでも子供なんだから、間違えたりもするだろう。
そういわれると違和感はありませんね。
まとめ
#ホーム・アローン
ご覧いただきありがとうございました!
クリスマスはこれからだっ😊🎄次回は1月5日(金)
🐉辰年のスタートは🐉
『#千と千尋の神隠し』宮﨑駿監督の大傑作✨
不思議な町に迷い込んでしまった
千尋の冒険ファンタジー😄来年はみんなで
”初ジブリ”しませんか? pic.twitter.com/Wf3oTnSe59— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) December 22, 2023
今回の記事では、湯婆婆が千尋から名前を奪った理由と、千尋がサインする時に名前を間違った理由について考察しました。
- 名前を奪うことが、その人物を支配することにつながるから
- 油屋の従業員としての、新たな名前を与えようとしたから
- 千尋という名前に込められた意味から考えて、まだ子供の千尋にはふさわしくないから、などの様々な理由が考えられる
- サインする時に名前を書き間違えたのは、緊張のせい、わざと間違えた、名前を忘れかけ ている、などの理由が考えられる
千と千尋の神隠しには、様々な隠喩が込められていると言われています。
そのすべては、製作者にしかわからないのでしょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました!