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マチネの終わりに(映画)結末のその後を考察!蒔野と洋子は一緒にならない?

マチネの終わりに

映画「マチネの終わりに」のあの結末を見せられたら気になるのは「その後」です。

コンサート後、セントラルパークで蒔野と洋子は再会しました。

ではその後どうなるのか?

ファンならこうなってほしい、という願望もあるでしょうし、妄想が膨らむ人もいるでしょう。

私もあの結末を見て、その後がどうしても気になって仕方がない1人です。

また気になると言えば早苗のその後も気になります。

アンチが多いキャラ(特に小説では)ですが、不幸になってもいいとは思いません。

そこでここでは「マチネの終わりに」の蒔野・洋子・早苗のその後を勝手に考察(妄想)します。

個人的な希望、妄想、願望などが主観がかなり入りますが、最後まで読んでいただけたらうれしいです。

 

「マチネの終わりに」(映画)結末のその後を考察!蒔野と洋子はどうなる?

まず最初に蒔野と洋子のその後から考察(妄想?)します。

もし結末のその後になんらかの行動を自ら起こせるとしたら蒔野と洋子です。

蒔野の人生の名脇役になりたいと考える早苗は自ら行動を起こすことは考えられず、2人の結果に従うしかないと思うからです。

結末での蒔野と洋子の状況を確認

まず映画の結末時点での蒔野と洋子の状況をおさらいします。

蒔野の状況

  • 早苗が洋子に嘘のメールを送ったことを知っている
  • 洋子が結婚しニューヨークに住んでいることを聞いているが、離婚したことは知らない(と思われる)
  • 一時のスランプを乗り越え、再び精力的に音楽活動を始めた
  • いまも洋子を愛している
  • 早苗と娘の優希には愛情がある(と思われる)

 

洋子の状況

  • 離婚が成立し、息子をリチャードと代わる代わる育てるようになった
  • 早苗から偽メールの真相について聞かされて知っている
  • いまも蒔野を愛している
  • 早苗の提案通り、蒔野のコンサートに行った

小説だと結末時点での二人の状況はもっと複雑なのですが、映画ではかなりシンプルでわかりやすいです。

ではここからはこれらの状況を踏まえ、蒔野と洋子のその後について考察していきます。

蒔野と洋子はどうなるのか?一緒になれる状況にある?

私は最初に小説を読んだときからずっと洋子押しですから、蒔野と洋子に一緒になってほしい、と今でも思っています。

しかし映画「マチネの終わりに」の結末のその後を考えた時、2人がいっしょになれる未来を想像することはできません。

再会時の状況を考えた時、まず気になるのは妻子がいる蒔野です。

映画は小説と違い、蒔野の妻子への思いが詳しく描かれてはいません。

しかし娘と楽しく過ごす様子からすると、今だに心のなかに洋子がいるとはいえ、家族への強い愛情があると思われます。

洋子を失った後、どのような気持ちで早苗と一緒になったか、映画だけでは想像するしかありませんが、早苗を思う気持ちがあったから結婚したのだと思います。

小説ではこの辺を詳しく描いているので、映画だけで語るのはかなりもどかしいのですが。

このような状況を考えた時、蒔野が洋子と一緒になる決断をできるとは思えません。

では洋子はどうするか?

蒔野への愛は変わらずにあるものの、洋子は蒔野を奪うようなことはしないでしょう。

蒔野の立場に理解を示し、一度は会うものの一緒になることを求めることはしないと思っています。

洋子は幼少期、母が映画監督のソリッチと再婚し、その後別れた経験を持っています。

ソリッチの映画を政治利用しようとした政府から脅迫を受けたため、ソリッチは妻と娘を守るために別れることにしたのです。

洋子は小さかったため当時の記憶はないようですが、父親と別れるつらさは知っているはずです。

そのため蒔野と娘を引き裂くようなことはしないでしょう。

2人が初めて出会ったときから5年半の歳月が流れ、それぞれが置かれた状況は当時から複雑になっています。

相手への愛は変わらずにあるものの、一緒になる決断はできないと思われます。

2人とも聡明で、相手のことを思いやることができ、様々な経験をしてきたからこそ結ばれることはありません。

悲しいことですが仕方がないことだと言えます。

ただ再会し当時の誤解を解いたら、互いに気持ちを抑えることができず改めて愛を告白する可能性は高いです。

個人的にはそうなってほしいと思っていますし、仮に2人がいっしょにならなくても相手へ気持ちを伝えることで、2人の今後の人生がよりよいものになると考えています。

蒔野と洋子の再会のシーンを予想

ここで蒔野と洋子の再会のシーンを予想(妄想?)します。異論は大いに認めます(笑。

2人とも笑顔で挨拶を交わした後、まず洋子が「おめでとう」と今日のコンサートの成功を祝福します。

そして最後に「幸福の金貨」を演奏したことに感謝を示します。

蒔野もそれに応えコンサートに来てくれたことに礼を言いますが、その後は相手に気を遣いながら静かに話を続けていきます。

蒔野はまず最初に早苗が偽メールを送ったことについて話をしたい。

でもいきなりその話はしづらく、しばらくは当たり障りのない話を続けます。

しばらくして蒔野は当時の誤解を解こうと偽メールの事を話します。

そして現在の妻があんなメールを送ってしまったことを蒔野は謝罪します。

洋子はそれを受け入れますが、自分もあのとき直接蒔野に会い、真相を確かめなかったことを謝ります。

誤解は徐々に溶けて、互いの心にあったモヤモヤはやがて晴れていきます。

セントラルパークの素敵な景色の中で、二人の時間がゆっくりと過ぎていきます。

改めて感じるさみしさ

その後2人は現在のそれぞれの状況を話していきます。

蒔野は早苗と結婚し、すでに子どもがいること。洋子は結婚し子どもを授かったが現在は離婚したことなど。

また自分の仕事のことも話します。

蒔野は洋子が離婚していることをここで初めて知り、心が大きく揺れます。

蒔野は是永からは「洋子はニューヨークで結婚した」と聞いて以降、彼女の現在の状況を知らなかったはずです。

しかし愛すべき家族のことを考え、蒔野は思いとどまります。

今でもあなたを愛している。でも自分には今は家族があり、妻子を守っていくつもりであることを話します。

洋子は蒔野の話をやさしいほほ笑みを浮かべながら聞きますが、心のなかでは蒔野と一緒になれなかった悲しみが改めて広がります。

洋子もつらい気持ちを抱えつつ、蒔野への愛を伝えます。あれからずっとあなたのことを思ってきたと。

そしてあなたは奥さんと子どもを大切にしてあげて、とも伝えます。

この直前に蒔野のすばらしい演奏を聞き、それは現在の彼の人生そのものだと悟った洋子は、彼の今の生活を壊してはいけないことを強く実感しています。

だから自分もここで蒔野への愛を断ち切るべきだと思うのです。

蒔野も洋子の話を切ない気持ちで聞き、最後には「わかった、ありがとう」と言います。

2人はあらためて運命に翻弄され、人生で一番愛した人と別々の人生を歩むことになったさみしさを感じるに違いありません。

2人はこのまますんなり別れるか?

ここまでコンサート直後の二人の再会の場面を想像(妄想?)しました。

ただ私が気になるのは、この日2人はそのまま別れるか?ということです。

蒔野は妻の早苗の配慮でニューヨークに来ました。

早苗は蒔野が音楽家として本当の再起をするには、洋子に会う必要があると思ったからです。

だから自分は実家に帰るといい、蒔野をニューヨークに向かわせたのです。

早苗にとっては一種の賭けだったのかもしれません。

私は蒔野と洋子はこのあと感情を素直に表し、2人だけの時間を過ごすのではと思っています。

そうなってほしいとも思っています。

互いに家庭を持ち何年も会っていないとはいえ、会った瞬間言葉を交わさずとも愛を確かめ合う事ができる2人です。

再会後誤解を解消し、お互いのために別れる決断をしただけでは済まないと思っています。

自分の気持ちに素直になり、感情に任せたまま自分の愛情を相手に伝えるでしょう。

私はそれはごく自然なことだと思いますし、そういう形の愛があっていいとも思っています。

さらにその後はどうなるか?

さらにその後のことを考えてみます。

私は以上で2人の関係は終わると思っています。

蒔野と洋子が再び会うことも、ましてや2人がいっしょになることもない、ということです。

これほど愛し合い理解し合える異性に出会えることはまずありません。

そんな経験をした方もほとんどいないでしょう。

しかしコンサートの後に再会を果たし、話ができたことで2人の心は晴れ、その後はそれぞれの生活を送るのではと思っています。

それでも蒔野の心に中には洋子が、洋子の心のなかには蒔野がずっとい続けます。

そしてそんな相手と出会えたことにかすかな喜びを感じながら生きていきます。

運命的なパートナーと結ばれなかった一抹の寂しさも同時に抱えながら。

蒔野は早苗と優希に精一杯愛情を注ぎます。

音楽家としても一皮むけるに違いありません。

洋子が新しいパートナーを見つけるかどうかはわかりません。

ただ自らが幼少期に父と別れた経験があるため、息子のケンとの時間は何よりも大切にします。

結局は運命的な人と出会った2人は結ばれなかったことになりますが、蒔野も洋子も出会わなければよかった、とは感じないでしょう。

「マチネの終わりに」早苗のその後を考察!幸せになれるか?

ここからは早苗のその後について考察します。

早苗にとっての人生の目的は蒔野です。

ですから自分から行動を起こすことはせず、すべては蒔野次第です。

蒔野の身の振り方によって早苗のすべてが決まると考えられます。

私は初めて小説を読んだ時、あの偽メールのところで「三谷、てめえこのやろう!」「お前だけは絶対に許さない!」と思いました。

今でもその気持ちは消えません。

でも映画での早苗を観て、大きくその印象が変わりました。

小説の早苗とはかなり違う人物として描かれているからです。

最初はなぜニューヨークにいる洋子に会いに行って偽メールについて話し、蒔野のコンサートに来てほしいと言ったのか。

その理由がまったくわかりませんでした。

結局は蒔野と洋子を会わせたかったんですね。

私の考えでは蒔野は洋子といっしょにはなりません。

今の家族と過ごすことをあらためて決心するはずです。

蒔野は一人の女性として早苗を愛してきましたし、その愛情は今後も続きます。

そして早苗はこれまで通り蒔野の人生の脇役として、蒔野を支え続けていきます。

蒔野の音楽家としてのさらなる成功と家族の幸せを願いつつ。

ただ嘘のメールを洋子に送ったことは彼女の心からは消えません。

これからもわずかな罪悪感を感じながら生きていきます。

なんの罪悪感も感じず生きていけるほど、早苗は性悪な女ではないと思っています。

これは私の感想ですが映画では小説とは違った早苗が描かれていて、少しだけ早苗が好きになりました。

桜井ユキさんが早苗を演じていたことも、早苗の印象が変わった大きな理由だと思います。

まとめ

蒔野と洋子の今後は

  • コンサート後再会し、互いの誤解が解ける
  • でもいっしょにならない
  • 運命の相手と出会えたことに喜びを感じ、それぞれに生きていく

早苗の今後は

  • 蒔野の人生の脇役として今後も生きていく

小説や映画は、読者や観客にどれだけその後について考える余地や楽しみを与えるかがとても大切だと思っています。

私達に考える楽しみを与えないくらいすべて描いてしまっていたらつまらなく感じますし、まるっきり説明不足でも困ります。

「マチネの終わりに」はその辺の加減が実に見事で、その後について考える楽しみを与えてくれています。

続編は出ないと思いますが、それでもいいと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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