2001年公開のアニメ映画「千と千尋の神隠し」。
宮崎駿さんが監督を務め、スタジオジブリが製作した人気の作品です。
この映画の最後のシーンで、現世に帰ろうとする千尋にハクが「振り向かないで」と忠告するシーンがあります。
この言葉が印象的で、多くの視聴者の心に残っているんですね。
今回の記事では、ハクの「振り向かないで」という言葉の意味を考察していきます。
また、もし千尋が振り向いてしまっていたらどうなっていたのかも合わせて考察していきますね。
ぜひ最後までお付き合いください!
目次
「千と千尋の神隠し」振り向かないでの意味は?
ノーカット放送#千と千尋の神隠し
金曜よる9時原作・脚本・監督:#宮﨑駿
プロデューサー:#鈴木敏夫
音楽:#久石譲
主題歌:#木村弓
声の出演:#柊瑠美,#入野自由,#夏木マリ,#内藤剛志,#沢口靖子,#我修院達也,#神木隆之介,#玉井夕海,#大泉洋,#はやし・こば,#上條恒彦,#小野武彦,#菅原文太 pic.twitter.com/gNOdSQxy7Y— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 3, 2024
振り返らないで前に進んでほしいというメッセージ
まず考えられるのは、「振り向かないで、前を向いて生きていってほしい」というハクから千尋へのメッセージなんだ、という解釈。
ハクは、千尋ともう一度会う事は出来ないと、覚悟を決めていたのでしょうね。
もしもう一度出会えたとしても、ハクがまた川の神に戻ってしまえば、千尋にはハクが認識できません。
それでも、自分や油屋に未練を感じずに、前へと進んでほしい。
それがハクの心情なのではないでしょうか。
「千と千尋の神隠し」の物語では、一貫して千尋という少女が成長していく姿を描いています。
子供が成長するのに過去を振り返る必要はない、前だけ向いていけばいいんだという、宮崎駿監督の言葉が聞こえてくるようです。
日本神話が元になっているから
次に考えられるのは、「日本神話をモチーフにしているから」という理由です。
「千と千尋の神隠し」の物語には、日本の神話がモチーフになっていると言われているシーンがいくつも出てきます。
このセリフも、そのうちの一つだと解釈できるのです。
日本の神話である古事記には、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)という神様が、死んでしまった妻の伊弉冉(いざなみ)に会うために黄泉の国に行く、というお話があります。
黄泉の国というのは、死後の世界のこと。
黄泉の国でイザナミに再会したイザナギは、イザナミから「振り返って、私の姿を見てはいけない」と忠告されたのを破ってしまいます。
結果、イザナギとイザナミは決別し、敵対することになってしまいました。
「千と千尋の神隠し」の最後のシーンは、この神話になぞらえて作られたのかもしれませんね。
また、別の国の神話にも、「死後の世界に死んだ妻を迎えに行って、振り返ったことで失敗してしまう」という物語があります。
振り返ったことで失敗する、というのは、全人類に共通する感覚なのかもしれませんね。
「千と千尋の神隠し」千尋が振り返ったらどうなったのか?
古事記の国産み神話。BC200年頃のことと思う。天神七代目イザナギとイザナミの二神は、漂っていた大地を完成させるよう、別天津神たちに命じられる。縄文海進が終わり、海水が引いて葦原が生い茂る沼地になり、そこに秦代の戦乱を逃れ西日本に入植し国造りを始めた争う稲作民たちが想像できる。 pic.twitter.com/OPcfmFYtYy
— ミステリー日ノ本 (@MysteryTourJPN) April 5, 2021
では、もし最後のシーンで千尋が振り返っていたらどうなっていたのでしょうか?
ここからは、その場合にどんな未来が待っていたのかを考察していきましょう。
元の世界に帰れなくなる
まず考えられるのは、「千尋は元の世界に帰れなくなった」という結末です。
「振り向いてしまったせいで戻れなくなる」というのは、怪談やおとぎ話では良くある話ですよね。
日本神話のイザナギイザナミの話は、「イザナギが振り返ってしまったせいでイザナミが帰れなくなる」という話なので少し違いますが、「振り返って失敗する」という意味では同じ。
この場合、失敗=千尋が帰れなくなる、という解釈は納得できるものでしょう。
油屋でつらい生活を送ることになる
もしも現世に帰れなければ、千尋は油屋での生活を続けることに。
その場合、湯婆婆にこき使われるのは目に見えています。
千尋は、かなり辛い日々を送ることになったでしょう。
それどころか、千尋がいつまで人間でいられるのかもわかりません。
推測ですが、現世に帰る方法を失い、名前を奪われたまま働き続けて自分を見失ってしまったら、千尋は人間ではいられないのではないのでしょうか?
そうやって帰れなくなったのが、カオナシなのかもしれませんね。
ハクも元の世界に戻れなくなる
『千と千尋の神隠し✨』
名前を消された千尋とハクが
本当の名を思い出す
あのシーンが好きです💕💐♡ニギハヤミコハクヌシ♡
千尋の命の恩人✨
絆はつながっていて♡
すべてを思い出して♡
私も幸せに🥰皆さまは好きな世界ありますか?
💗今日も微笑みと感謝で過ごせますように💗🙏 pic.twitter.com/rlrvArqjGN
— magnolia87(^^♪🌼✨🌼 (@magnolia87121) March 13, 2022
千尋が帰れなくなれば、ハクも現世に帰れなくなってしまうのではないでしょうか。
ハクが神であった頃の姿と力を取り戻したのは、千尋がハクの事を思い出してくれたからです。
千尋は異世界に迷い込んでいるだけで、まだ現世の存在。
千尋を通して現世とのつながりを取り戻したから、ハクは力を取り戻したのでしょう。
ならば、千尋が現世に帰れなくなり、現世とのつながりを失ってしまったら、ハクの力は再び失われるのではないでしょうか。
つまり、千尋が帰れなくなれば、ハクも現世には帰れない、と考察できます。
もっとも、千尋が現世に帰ってしまえば、神様に戻ったハクの事を認識できないでしょうから、ハクにとってはどちらもつらい事です。
それでも前に進め、と、ハクは言いたかったのでしょうね。
まとめ<h2>
透明感を持ったキャラというイメージのハク。普通の人よりも少し遠くを見ていたり、人の内側を見ているような瞳になるように描かれているそうです✍🏻。設定では“外見は12歳ぐらい”とされていますが、その落ち着いた表情や立ち振る舞いは、ずっと大人であるような印象を与えますよね😊#千と千尋の神隠し pic.twitter.com/UqbvCb36zI
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 5, 2024
今回の記事では、ハクの「振り向かないで」という言葉の意味と、もし千尋が振り向いてしまっていたらどうなっていたのかを考察しました。
- ハクの言葉には、振り向かないで前に進んでほしいという意味がある
- 千と千尋の神隠しの物語が日本神話をモチーフに作られているから
- もしも振り返っていたら、千尋もハクも現世に帰れなくなっていたと考察できる
この、ハクの最期の言葉は、千と千尋の神隠しの最後を締めくくる意味深なセリフです。
だからこそ、視聴者は意味が気になっているのでしょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました!