「サマータイムレンダ」の舞台である和歌山県の日都ヶ島北部に、日都神社という神社があります。
ここに祀られている神様がヒルコ様。
日本神話に登場するヒルコ(蛭子命)はイザナギとイザナミの最初の子どもですが、不具の子だったため海に流されてしまいます。
「サマータイムレンダ」でのヒルコ様はどんな神様なのでしょう?
今回はヒルコの正体を解説します。
ハイネとの関係やヒルコの目的についてもまとめました。
目次
「サマータイムレンダ」ヒルコとは?
捻じ曲がった信仰が産んだ御神体〜みたいなん凄いすき
閉鎖集落、人柱、無縁仏、ヒルコ様、オヤシロ様、サマータイムレンダ
ラスボスは伏見稲荷の地下の御本尊に祀られてる平安時代の姫様でいて欲しい。そんなん無いけど pic.twitter.com/9Z2CjLNZpa
— 本村こうたろう (@strattaro) August 6, 2019
日都神社に祀られた神
「サマータイムレンダ」のヒルコとは日都神社(ひとじんじゃ)に祀られる神様のこと。
神社の宮司は雁切真砂人(かりきりまさひと)で、島での祭祀を執り行っています。
日都ヶ島北部にある日都神社は、祀られている神にちなんで島民から”ヒルコ様”の名で親しまれています。
ではなぜ日都ヶ島でヒルコ様が信仰の対象になったのか?
日都ヶ島の歴史資料館にヒルコ様の伝承についての古い文献が残っています。
日都ヶ島の漂着神信仰
#サマータイムレンダ 、この港に見える鳥居が日都神社かと思ったら、地図見るとどうも違うのよね。
じゃあこの鳥居は何だ?もう一つ神社があるのか?
あとコバマート、モデルの商店は狭い路地にあったけど、作中だと川の前にあるみたいね。 pic.twitter.com/ftoczXBPqe— 飛竜 (@bsb_hiryu) September 10, 2021
古くから日都ヶ島には、海から流れ着いたものには神が宿る、あるいは神そのもの、という信仰がありました。
そのため島では1年に2回、夏と冬に御海送り(おみおくり)という儀式が行われています。
海から浜に流れ着いて漂着物を捨てずに集めておき、焚き上げるという儀式です。
儀式は日都神社の雁切真砂人を中心に行われますが、漂着物をお焚き上げすることで、流れ着いた神を海に返すという意味があるとか。
ではヒルコ様と日都ヶ島の漂着神信仰にはどんな関係があるのか?
次で解説します。
「サマレン」ヒルコの正体をクジラとの関係から解説
結論を書くと、島の伝承ではヒルコ様の正体はクジラであるとされています。
江戸時代に、ヒルコ様はクジラの姿で島に流れ着いたからです。
以下で詳しく解説します。
クジラの姿で日都ヶ島に漂着
ヒルコ様の伝承について、シマノ歴史資料館にある古い資料が保管されています。
資料によると、亨保17年(1732年)に起きた亨保の大飢きんで、島で多数の餓死者が発生。
そんなとき、島に一頭のクジラ(鯨)が漂着。
先程解説したとおり、日都ヶ島には島に流れ着いた漂着物には神が宿るという信仰がありました。
そこで島民たちは、神からの恵みとばかりにクジラを食べようとします。
そのとき、とある漁師の娘がまだ息があるクジラに近づいていくと、クジラはピカッと光りを放ち、少女そっくりの姿になり、少女を食べてしまいます。
ヒルコ信仰の始まり
恐怖を感じた島民たちはクジラは神そのものだと考え、姿を変えた娘を現人神ヒルコとして崇めるように。
そして島民たちは、島の地下にある洞窟(ヒルコ洞)に居室を作り、ヒルコ様を住まわせます。
ヒルコ様は島に豊漁をもたらした?
島で漁師の娘を食べて人間の味を覚えたヒルコ様は、その後も島民たちに生贄(いけにえ)を要求し、人間を食べていたとのこと。
その見返りとしてヒルコ様は島に豊漁をもたらし、島民を救ったと資料にありますが、事実は違うようです。
亨保の大飢きんにより、島では漁師が不足し、島民たちは飢えに苦しみます。
そこでヒルコ様は数百人の島民を”影”に変えて魚を採らせて、飢えた人に食べさせていたのです。
日都ヶ島に”影の病”が存在するのは、ヒルコ様が島民を影に変えたからなんですね。
クジラになる前のヒルコは何だったのか?
クジラの姿で島にやってきたヒルコ様ですが、もともとはどんな姿だったのでしょう?
南方ひづるは、クジラになる前のヒルコ様は隕石(いんせき)の姿で宇宙から来た可能性が高い、と作中で考察しています。
海に落ちた隕石は海中のあらゆる生物をコピーして変化を続け、やがてクジラの姿に。
そして日都ヶ島にやってきたと言うのです。
作中にはヒルコ様の起源について、作中に明確な答えはありません。
流されたヒルコ(蛭子命)が流れ着いたという、日本各地に古くから伝わるヒルコ伝説を参考にしているのだと考えられます。
ヒルコ様とハイネの関係を解説
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ここではヒルコ様とハイネの関係を解説します。
結論を書くと、現在の日都ヶ島においてヒルコ様とはハイネのことです。
ハイネ(波稲)はヒルコが最初にコピーした人間
江戸時代に島に流れ着いたクジラが漁師の娘をコピーして、少女の姿になったことは前で説明しました。
このとき、クジラにコピーされて食べられた少女がハイネ(雁切波稲)だったのです。
ヒルコ様は最初にコピーした人間であるハイネで呼ばれることを好みました。
だからヒルコ様の正体はハイネなのです。
ハイネ(ヒルコ)は影のお母さん
ハイネ(ヒルコ)が何百人もの島民を影に変えて漁をさせることで、飢える島民を救ったことはすでに解説しました。
このように、ハイネは何度でも影(コドモ)を生み出すことが可能。
またコドモは一度に限り影を生み出すことができます(マゴ)。
作中に「お母さん」というセリフが何度か登場しますが、ハイネが影の母であることを意味しているのですね。
現在では衰弱している
- 長年の食糧不足による栄養失調
- 分娩やコピーを何度も繰り返した
これらの影響により、現在のハイネ(ヒルコ)の身体は衰弱が進行。
ハイネはとりわけ人間の味を好みますが、近年では食糧の調達がむずかしく、1年に数人出る島の死亡者の死体を入れ替えて、ハイネに与えている状況です。
最近では歩くことさえむずかしいほど足が弱り、ヒルコ洞で点滴をしながら過ごしています。
そこでハイネは自由に動ける体が欲しくて、小早川しおりの体を手に入れたのです。
なお、ハイネについては以下の記事で詳しく解説しています。
ヒルコの目的とは
シオリのトドメ、こわい/ジャンプの無料マンガアプリ「少年ジャンプ+」で「[031]#サマータイムレンダ」を読んでます! #少年ジャンププラス https://t.co/SwA0dR4LXt pic.twitter.com/3oUu3JZ1IB
— おこめ (@noplan82) June 25, 2018
ヒルコの目的:故郷へ帰ること
ヒルコ様(ハイネ)の目的は故郷へ帰ること。
ヒルコ様の故郷とは、深い海の彼方にある場所で、影だけが行くことができる時間のない永遠の国。
ヒルコ様は自分が選んだ影の家族と一緒に故郷に帰ることを望んでいます。
なお菱形医院院長の菱形青銅は自分も影になり、すでに影になっている妻の千登勢といっしょにヒルコ様の故郷に生き、永遠に生き続けるつもりでした。
復活のために島民を食べ尽くすことを計画
しかしハイネの体は栄養失調のため、歩くことすら難しいほど衰弱が進行。
これでは故郷に帰るどころではありません。
そこで7月24日の夏祭りの日に島民や観光客をを食らいつくし、復活を果たそうとしているのです。
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まとめ
ハイネの手に血がついてるのはなぜ?#サマータイムレンダ pic.twitter.com/TgFwBMf9Tf
— るるる (@CVigXqjZ2jcpuK6) November 4, 2020
「サマータイムレンダ」に登場するヒルコ様の正体や目的、ハイネとの関係について解説しました。
- ヒルコは日都神社に祀られる神
- ヒルコはクジラの姿で日都ヶ島に打ち上げられたが、雁切波稲(ハイネ)をコピーして食べたことで、ハイネの姿になった
- ヒルコが日都ヶ島における影の病の始まり
- ヒルコ(ハイネ)の目的は自分が選んだ家族と一緒に故郷に帰ること
最後まで読んでいただきありがとうございました!