猫猫(マオマオ)の働く後宮でひときわ目を引く存在の宦官・壬氏(ジンシ)。
その麗しき見た目から、後宮勤めの女性たちから熱い視線を受ける一方で、男性からは催淫剤入りの食べ物もいただいてしまう、何とも罪なお方です。
そんな壬氏の出自は複雑で、その正体はこの物語を壮大にしています。
この記事では、「薬屋のひとりごと」の壬氏の正体を紐解いていくとともに、主人公・猫猫との今後の関係についても見ていきたいと思います。
以降、注釈の参考は小学館発行サンデーGXコミックスのものです。
「薬屋のひとりごと」壬氏(ジンシ)の正体
『薬屋のひとりごと』アニメ年内放送
猫猫の声は悠木碧、ドラマCDから続投▼他キャストは未発表https://t.co/z4aM2mpQrt
🎙ドラマCD版キャスト
猫猫:悠木碧 壬氏:櫻井孝宏
高順:津田健次郎 馬閃:松岡禎丞 ほか#薬屋のひとりごとアニメ化 #壬氏の声 #マオマオ @kusuriya_PR pic.twitter.com/64Bq2maFA3— ORICON NEWS【アニメ】 (@oricon_anime_) February 16, 2023
「薬屋のひとりごと」の重要人物の一人である壬氏。
いつも穏やかに貴人のように後宮で職務に当たる一方、ふとした時にどこか少年らしい振る舞いを見せる不思議な存在です。
なぜそのような2面性を持ち合わせているのか、壬氏の正体について見ていきたいと思います。
表向きは後宮の管理を担当する宦官
壬氏は宦官として、皇帝の妃の様子伺をしたり、後宮内の苦情処理を行ったりするなど、後宮全体の管理を行っています。
しかしながら業務量はそれほど多くないのか、よく自分のことを「暇人宦官」と呼んでいます。
皇帝への忠誠心を図るため、皇帝以外の男性へ関心を持つ女性をふるいにかける、試金石という役割もあるようです。
正体は皇帝と阿多妃の間に生まれた子ども
実は、壬氏の両親は皇帝とその妃・阿多(アードゥオ)です。
つまり本当は皇族の人間、しかも皇太子ということになります。
本名は華瑞月で本編開始時点で18歳
壬氏という名も偽名です。
本名は華瑞月(カズイゲツ)と言います。
リーの国で現在『華』という字をその名に冠することができるのは皇帝と皇帝の弟のみ。
年齢も本来は18歳ですが、24歳と偽っています。(本編開始時点)
皇位継承者候補だが皇位に就くことを望んでいない
皇太子(東宮)である壬氏には皇位を継承する権利があります。
ですが、皇帝の座に就くことを望んではいない様子。
むしろ皇位継承の候補からは外れたいと思っているふしがあります。
宦官として後宮入りした目的
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壬氏が素性を隠して宦官として後宮で働く目的は、
- 皇帝に逆心を抱く者たちを見つけること
- 皇帝の忠義な臣下として相応しい人物を見つけること
- 身分を隠しつつ、稀咲にふさわしい女性を探すこと
だと考えられます。
天女の微笑みと言われるほどのイケメンキャラ
壬氏はその見目麗しさから天女の微笑みと評されています。
ひとたび壬氏が微笑めば、後宮の女官たちはたまらず惚けます。
しかしながら、その麗しさは男性にも効果的なようで、時たま宦官・壬氏を狙う男性も現れます。
異国からの特使をもてなすため、踊り子に扮した際に高順に「傾国」と評されたほどです。(10巻38話)
去勢はしていない
宦官は偽りなので、壬氏は去勢もしていません。
そのため、本来の宦官は体に丸みを帯びるなど男性らしい体つきの特徴が薄れていく一方、壬氏の体つきは男性らしいままです。
少しでも男性らしさを隠すために薬を服薬しています。
猫猫は、壬氏暗殺現場に居合わせた際に不意にもつれ合ったことで壬氏の局部に触れてしまい、宦官でないと知ってしまいます。(13巻51話)
壬氏の出生の秘密や過去を解説
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皇族の人間でありながら身分も何もかも偽って後宮で働く壬氏。
なぜ、そのようなことをする必要があるのか、壬氏の出自はどのようなものだったのか見ていきたいと思います。
赤ん坊すり替え事件
壬氏の出生についてですが、実の母・阿多妃と、先帝の妃・安氏は同じタイミングで妊娠をしました。
出産に至っては同じ日。
阿多が産気づく方が早かったのですが、安氏の出産が始まり、それが難しいものとわかると、医官は阿多の出産が終わらないうちに強制的により位の高い安氏の出産に立ち会わねばならなくなりました。
結果、阿多は無事に壬氏を産むことはできたのですが、体には多大な負荷がかかり、阿多は二度と子供を産むことができなくなってしまいました。
この出来事を機に、阿多は壬氏が先帝の息子と同じタイミングで生まれてしまったがために、今後自分のように先帝の息子が優遇されることで壬氏に不利益が出ることを恐れました。
それならば、と壬氏を先帝の子と取り換え、不利益を回避しようと考えたのです。
すり替えられたことで皇帝の弟として育てられる
すり替えられたことで、壬氏は皇帝の息子ではなく、皇帝の弟として育てられることに。
しかしながら、壬氏は素性を偽って後宮入りしたため、表向き皇弟は病弱を理由に滅多に顔を見せないようになりました。
梨花(リファ)妃が男の子を生んだ時には、皇弟が病弱だからという理由でその御子は東宮となっていました。
阿多妃の元で育った子(皇弟)は侍女の不手際により死亡
ラストは「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」より編集T激推しの阿多妃です。残念ながら今月号でしばらく見納め…うえーん!再登場の時をお待ち下さい。
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先帝の子(皇弟)は阿多の子として阿多の元で育つこととなります。
しかし、ここで不幸な事件が起きます。
皇弟の世話をしていたのは、阿多の侍女の風明(フォンミン)。
風明の実家は養蜂を営んでいたため、風明はハチミツが体にいいと信じ、皇弟にも与えてしまいます。
しかしながらハチミツには赤子には有毒な成分が含まれていたため、ハチミツを食べ続けた皇弟は亡くなってしまいました。
壬氏と猫猫の関係
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複雑な境遇で育った壬氏と、別な複雑さの中で育った猫猫。
後宮で出会った壬氏と猫猫は、偶然か必然か行動を共にするようになります。
宦官と下女という関係から始まる
猫猫が誘拐され、後宮に売り飛ばされたことで壬氏と猫猫は出会います。
始まりは皇帝の二人の子供がどちらも命の危機に瀕し、梨花妃も危うくなってしまうという、呪いと囁かれた事件。
下女として働いていた猫猫は、その事件に毒が関わっている可能性に気づき、いてもたってもいられなくなります。
見事に事件の謎を解いた猫猫。
その結果、壬氏に自分の存在やその知識の豊富さが知られることに。
壬氏の気持ちはやがて恋愛感情へ
壬氏は、初めの頃は猫猫のもつ膨大な知識やそこから生まれる推理力に興味がありました。
しかしながら、皇弟という立場やその見目麗しさから常に畏怖や思慕の視線を投げかけられることが多かった壬氏にとって、自分をなめくじでも見るかのような視線を投げつける猫猫はとても新鮮。
身分や外見だけで自分を判断しない猫猫にどんどん興味を持つようになり、その思いはいつしか恋愛感情へと変わりました。
園遊会で壬氏は猫猫に簪(かんざし)をプレゼント
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後宮で行われる園遊会では大切な人に簪をプレゼントするという風習があります。
これは、「あなたの身元を引き受けます」という意味で、つまりは妓女が身請けされること(=結婚)と同義なのです。
壬氏は猫猫が簪の意味を知っているかどうかはわかっていませんでしたが、猫猫に簪(かんざし)をプレゼントしています。
一度は解雇した猫猫を壬氏は身請け
里樹暗殺事件の犯人として、阿多の侍女・風明が捕えられた際に、後宮では風明に関係のあるものを一斉に解雇することに。
すると、猫猫は風明の実家と取引のある商家の娘となっていることが発覚。
一斉解雇の対象となってしまいました。
しかし、誘拐により後宮へ来た猫猫の事情を知っていた壬氏は猫猫を後宮に留めたい気持ちは持ちながらも、猫猫と気持ちがすれ違い解雇することに。
花街へ戻った猫猫は緑青館で客は取りませんが働き始めます。
そんな中、壬氏の側近・高順の計らいで開かれた緑青館の宴で二人は再会。
壬氏は猫猫を緑青館から身請けすることを提案します。
こうして猫猫は外廷勤務に復帰するのでした。
壬氏は猫猫と結ばれる?
壬氏と猫猫が結ばれるというのはかなり確率が低い気がします。
猫猫は花街で生まれ育ったせいか、色恋沙汰には淡白で異性に興味があるようにも思えません。
加えて、猫猫の実父・漢羅漢(カンラカン)は名家出身の軍大尉という高官。
とても頭が切れる上に猫猫にとても執着しているため、猫猫を仲間に引き入れると考えるだけでも壬氏は頭を悩ませるほどでした。(14巻57話)
ただ、これまで牛黄(ごおう)や熊胆(ゆうたん)を褒美として猫猫の協力を得てきたという事実はあるので、これらよりもかなり珍しい薬を釣り餌として、結ばれるというよりはパートナーのような存在として一緒にいることはあるのではないかと推察します。
まとめ
「薬屋のひとりごと」に登場する壬氏の正体。
壬氏と猫猫の関係について解説しました。
- 壬氏の正体は現皇帝と阿多妃との子どもであり皇太子(東宮)
- 皇位継承権を持つ
- 皇帝への逆臣をあぶり出し、妃にふさわしい女性を探すために宦官として後宮で仕事をしている
- 年齢は24歳としているが、本当は18歳(本編開始時点)
- 女性はしていない
- 幼い頃に皇太后が産んだ子とすり替えられた
- 猫猫に興味を持ち、いつしか恋愛感情を抱く
最後までご覧いただきありがとうございました!