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【空青】あおいがあかねの車に乗らなかった理由は?しんのが消えたこととの関係を考察

空の青さを知る人よ

空の青さを知る人よ」は超平和バスターズの秩父三部作の完結編です。

前の2作品以上に中心人物ひとりの心の動きに迫った映画という印象を受けました。

しかも今作品は大人の心情を細かに描いているので、幅広い世代が共感できる映画だと感じました。

さて「空青」のラストで、あかね、31歳の慎之介、18歳のしんのの3人はあかねの車に乗り、音楽フェスティバルの会場に向かいます。

でもあおいだけはあかねの車に乗らず、ひとりで会場に向かいました。

なぜあの場面で4人の乗れるあかねの車にあおいは乗らなかったのでしょうか?

ここではその理由を考えてみます。

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【空青】あおいがあかねの車に乗らなかった場面を確認

映画の終盤で、新渡戸団吉のネックレスを探しに行ったあかねはトンネル内で土砂崩れに巻き込まれます。

しかしあかねは無事で、助けに来た18歳のしんのと一緒にトンネルから出ます。

するとそこにはあおいと31歳の慎之介がおり、映画の中心人物の4人全員が初めてここにそろいます。

4人は音楽フェスの会場に向かうのですが、あおいは「途中でタクシーを拾う」と言い、あかねの車に乗ろうとしません。

31歳の慎之介が「だったら俺が」といったにもかかわらず、あおいは「3人で行って」と言い、車に乗りません。

ラストでは、あおいはひとり田舎道を走るシーンが映し出されていました。

なぜあおいはみんなといっしょにあかねの車に乗らなかったのでしょうか?

【空青】あおいがあかねの車に乗らなかった理由は?しんのが消えたこととの関係を考察

あおいがあかねの車に乗らなかった理由は2つあると考えています。

ただし2つ目の理由のほうが1つ目よりずっと大きいです。

あかねと慎之介に話をしてほしかったから

あおいは、自分抜きであかねと31歳の慎之介に話をしてほしかったから車に乗らなかった、というのが1つ目の理由です。

土砂崩れの現場に来る前に、あおい、18歳のしんの、31歳の慎之介の3人がお堂に集まります。

18歳のしんのは31歳の慎之介に

「将来、お前になってもいいかもしんねえって思わせてくれよ!」

「あかねを想うこの気持ちはお前にも負けねえ!」

など、かなり強い口調で思いの丈をぶつけます。

その場面を見ていたあおいは、31歳の慎之介は18歳だった頃の熱い気持ちを持った自分から強いメッセージを受けたことで、かつての自分を取り戻せると思ったのではないでしょうか。

そんな慎之介だったらあかねとしっかり向き合い、話ができるとあおいは考えたのではないでしょうか。

音楽堂の裏で慎之介とあかねが楽しそうに会話し、慎之介が去った後、あかねが一人涙する場面をあおいは見ています。

あかねの気持ちが慎之介にあることを知っています。

そんな2人がちゃんと話をするなら、自分がいないほうがいいと考えたあおいは、あかねの車に乗らず一人で帰ると行った、というのが1つ目の理由です。

あおいは18歳のしんのがまもなく消えることを感じたから

あおいがあかねの車に乗らなかった2つ目の理由は、あおいは18歳のしんのがまもなく消えることを知っていたから。

あおいはお堂に現れた18歳のしんのを好きになります。

あおいはずっとしんのとずっといっしょにいたい、と思うようになります。

一方であおいはあかねのことも大好きで、あかねに幸せになってほしいとも願っていました。

ただあかねが慎之介とよりを戻せば、18歳のしんのは慎之介の体に戻り消えてしまいます。

そうなるとあおいの初恋は実りません。

そこであおいは悩みますが、結局は自分の恋愛よりあかねの幸せを優先します。

あかねがトンネルから助け出され車に乗ろうとした時点で、すでにあおいはしんのがもうすぐ消えることを感じていたのでしょう。

しんのがいなくなる場面にあおいは立ち会いたくなかったのだと思います。

だからあおいはあかねの車に乗らず、一人涙を流しながら走って帰ったのでしょう。

繰り返しますが、1つ目の理由より2つ目の理由の方がずっと大きいと私は考えています。

 

あおいはいつしんのが消えることを知ったのか?

ではあおいはしんのが消えることをいつ知ったのでしょうか?

31歳の慎之介があかねを助けようとトンネルにやってきた姿を見て、あおいはしんのが消えることを感じたと思っています。

お堂で18歳の自分と対面したときの慎之介はとても冷めていました。

高校生だった頃持っていた音楽に対する熱い情熱や、秩父を出ていくとき「ミュージシャンとして成功して、あかねを迎えに来る」という熱意は持ち合わせていませんでした。

お堂で18歳のしんのから

「さっさとあかねを探してこいよ!てめえがいかなくてどうすんだよ!」

と言われても、あかねを助けに行こうとはしませんでした。

しかし18歳の自分から熱い思いをぶつけられたことで、あかねに対する思いや音楽への情熱を取り戻したのでしょう。

あかねを助けにトンネルにやってきた慎之介は見違えるようでした。

あおいはそんな慎之介を見て、18歳のしんのはまもなく慎之介の体に戻り、消えることを感じたのだと思います。

 

まとめ

あおいがあかねの車に乗らなかった理由は

  • あかねと慎之介に話をしてほしかったから
  • あおいは18歳のしんのがまもなく消えることを感じたから

3人があかねの車に乗り込むとき、しんのと別れを交わしたあおいは切ない表情をしていました。

そして涙を流しながら走って音楽フェスティバルの会場に向かいます。

「空青」は4人の主要な登場人物の心情をとても細かに描写しています。

この点も映画の評価が高い理由の一つだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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