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君の名は/口噛み酒を巫女が造るのはなぜ?実在するかや販売は違法かについても

君の名は

映画「君の名は」に登場する口噛み酒(くちかみざけ)

ストーリー後半に重要な役割を果たすのがこの口噛み酒。

宮水四葉は姉・三葉に「巫女の口噛み酒」を造って売ればいい、と言っていましたね!

さて古くから口噛み酒とは若い巫女、とりわけ処女が穀物などを噛んで造るものとされているとか。

なぜ巫女(若い女性)が口噛み酒を造るのでしょう?

今回は「君の名は」に登場した口噛み酒に注目して、以下の3点について解説します。

  • 巫女(若い女性)が口噛み酒を造るのはなぜ?
  • 口噛み酒は現在でも実在するのか?
  • 口噛み酒を造り販売するのは違法か?

 

「君の名は」口噛み酒を巫女が造るのはなぜ?

巫女が口噛み酒を造る理由

作中では三葉と四葉が米を噛んで、口噛み酒を造り、宮水神社の御神体に奉納しましたね。

ちなみに神事の最中、おばあちゃんは見ているだけで、口噛み酒造りには参加しませんでした(笑。

このように口噛み酒を造るのは若い巫女が造るものとされています。

 

これにはきちんとした理由があります。

健康に育った若い女性の口の中には、健康的な細菌が存在すると言われているからです。

また穢れがないという意味で、処女が噛んで造るのがよいとされていたようです。

これは私の想像ですが、むかし男たちが酒を飲む際に、年齢を重ねた女性が造ったものよりも、若い女性が造った酒を飲みたい、と考えたから、若い女性が口噛み酒を造るようになったのではないでしょうか。

古来から口噛み酒を造るのは巫女だった

日本の酒造りの歴史は古く、稲作が伝わった弥生時代には始まっていたといわれています。

ただし縄文時代には、すでに酒が飲まれていたという説もあるとのこと。

この頃のお酒は、現代のように麹(こうじ)を使うのではなく、口内に存在する細菌を使い、米を発酵させていました。

これが口噛み酒ですね。

このころから、酒造りは巫女の仕事だったとされているそうですよ!

 

世界にはお酒を禁じている宗教も存在しますが、神道の神様はお酒が大好き!

日本人は古くからお酒を神様に捧げると同時に、祭りなどの機会に嗜んでいました。

口噛み酒は現在でも実在するのか?

古くから若い巫女が造っていたとされる口噛み酒。

映画「君の名は」では、2013年に口噛み酒が造られ、神社の御神体に奉納されていました。

ここで気になるのは、現代でも口噛み酒は造られているのか、つまり実在するのかということです。

口噛み酒は現在でも実在する?

結論を書くと、口噛み酒は現在の日本には実在しないようです。

ですが大正時代末期までは、西表島を始めとする八重山諸島など、で口噛み酒が造られていたそうです。

この地方では歯が健康な若い巫女が選ばれ、ミシと呼ばれる神酒を造っていたそうですよ!

大人も子どもも神酒を飲み、時間が経過して酸っぱくなった神酒は、精をつけるために病人に与えられたとか。

つい100年ほど前まで、日本にも口噛み酒があったんですね。

世界の口噛み酒

参考までに、海外でも口噛み酒が造られているかどうか調べたところ、中南米諸国やカンボジア、台湾などで口噛み酒が造られていたそうです。

例えば、インカ帝国ではトウモロコシを原料にして口噛み酒が造られていました。

またアマゾンでは、タピオカの原料になるキャッサバから口噛み酒を造っていたとか。

さらに台湾には、アワや米を原料に口噛み酒を造っていた民族があったと言います。

 

日本にもあった口噛み酒が、海外にもあったというのは興味深い事実。

唾液で穀物やイモ類を発酵させるという知識を持ち合わせていたのですから、昔の人の知恵はスゴイですね!

口噛み酒の製造・販売は違法?

映画前半、四葉が三葉に「巫女の口噛み酒」の製造・販売を提案。

しかし三葉は「酒税法違反」と、四葉の提案を一蹴してしまいます。

酒税法に照らし合わせると、口噛み酒の製造・販売は認められるのでしょうか?

免許を持っていなければ違法

結論を書くと、酒造の免許を持たずに酒を製造することは違法。

また酒類販売の免許を持たず、酒を販売することも違法です。

 

酒には酒税がかかりますが、自家製造された酒からは税金を取ることができず、税収の減少になってしまいます。

自家製の酒は密造酒になるので、違法なんですね。

ちなみに日本で酒を造る者は、所轄の税務署から免許を受ける必要があるとのことですよ!

 

ただし酒類と他の物を混ぜて個人で楽しんだり、同居の家族に飲ませることは法律で認められています。

それでも自家醸造については法律で細かく定められているので、楽しむ際は十分に注意してくださいね!

口噛み酒は保健所の許可が下りない?

酒類製造許可を取得するには、管轄の保健所での確認も必要です。

ですが、口噛み酒は保健所の許可は下りないと考えられます。

唾液と穀物やイモ類を混ぜて作るお酒なんて、保健所は認めませんよね。

やはり口噛み酒は、映画の中だけに存在するもののようです。

まとめ

  • 若い巫女が口噛み酒を造るのは、健康に育った若い女性の口の中には、健康的な細菌が存在するとされていたから
  • 現在の日本には口噛み酒は存在しないが、大正時代末期までは西表島を始めとする八重山諸島などで造られていた
  • 酒造の免許を持たず口噛み酒を造ったり、販売免許を持たずに販売すると違法

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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