2016年公開の映画「君の名は」。
作品序盤の古文の授業で、ユキちゃん先生が”黄昏時(たそがれどき)”の語源や意味の説明をします。
「古くは”かわたれどき”とも言ったそうです」との説明もありました。
すると一人の生徒から”かたわれどき”についての質問が出ます。
実は、この”かたわれどき”がストーリーの後半で大きな意味を持つことに!
この記事では”かたわれどき”に注目して、以下の3点について解説します。
- ”かたわれどき”の意味
- ”かたわれどき”と”黄昏時”・”かわたれどき”の意味の違い
- なぜ三葉と瀧は”かたわれどき”に会うことができたのか?
「君の名は」”かたわれどき”の意味や漢字は?
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最初に以下の2点について解説します。
- ”かたわれどき”は漢字でどう書くのか?
- ”かたわれどき”の意味
”かたわれどき”を漢字で書くと「片割れ時」
”かたわれどき”を漢字で書くと、
- 片割れ時
あるいは
- 片破れ時
どちらで表現しても間違いではないでしょう。
”かたわれどき”の意味:夕暮れ時・夕方の薄暗い時間帯
”かたわれどき”の意味は、夕暮れ時・夕方の薄暗い時間帯のこと。
日が暮れる時刻は季節や場所によって変わるので、何時とまでは言い切れませんが、冬なら17時ごろ。
夏なら19時ごろになるのではないでしょうか。
”かたわれどき”は「君の名は」に登場する架空の言葉
そもそも”かたわれどき”という言葉は辞書には掲載されておらず、映画「君の名は」の中で使用される架空の言葉。
いわば造語です。
映画の設定では、”かたわれどき”は糸守町の方言とされていますが、糸守町そのものが存在しませんし、”かたわれどき”という言葉も実在しません。
方言として使っている地方もないと考えられます。
”かたわれ”は辞書に掲載されている
”かたわれどき”は辞書には掲載されていませんが、”かたわれ”は掲載されています。
”かたわれ”は漢字で書くと、「片割れ」または「片破れ」。
”かたわれどき”は”かたわれ”+”時”で構成された造語と考えることができますね。
”かたわれ”の意味は以下の通り。
①割れた物の一片。また、わかれた物の一部分。「おもちゃの―を接着剤でつける」
②仲間の一人。「彼も敵の―にちがいない」
引用元:https://www.kanjipedia.jp/kotoba/0006255000
その他に「分身」の意味もあります。
映画「君の名は」においての”かたわれどき”は、「分身」の意味で捉えると理解しやすいのではないでしょうか。
”かたわれどき”と”黄昏時”・”かわたれどき”の意味の違い
あっ、今夜9時からテレビ朝日系で『君の名は。』地上波初放送だそうです。
正直とっつきづらくて観ていないという方もいらっしゃると思います。この機会にご家族、友達とお正月に集まって是非ご覧ください😊 pic.twitter.com/bQO2SY9fRB— Yojiro Noda (@YojiNoda1) January 3, 2018
ここでは
- ”かたわれどき”と””黄昏時(たそがれ)”の意味の違い
- ”かたわれどき”と””かわたれどき”の意味の違い
を解説します。
”かたわれどき”と”黄昏時(たそがれどき)”は同じ意味を持つ言葉
”かたわれどき”と”黄昏時(たそがれどき)”は同じ意味を持つ言葉であり、どちらも夕暮れ時を意味します。
黄昏の語源は誰そ彼(たそかれ・たそがれ)。
夕方、薄暗くなって向こうにいる人がはっきりわからなくなるので、「あの人は誰?」という思いから、誰そ彼という言葉が生まれます。
このことから、誰そ彼は夕暮れ時を意味する言葉になります。
なお黄昏は当て字であり、本来は「こうこん」が正しい読み方。
作中序盤で、ユキちゃん先生が黄昏時について、「夕方、昼でも夜でもないない時間」。
続けて「世界の輪郭がぼやけて、人ならざる者に出会うかもしれない時間」と説明していましたね。
”かたわれどき”と”かわたれどき”は別の意味を持つ言葉
”かわたれどき”を漢字で書くと「彼は誰時」。
「君の名は」ではユキちゃん先生が、誰そ彼の古い言い方が”かわたれどき”だと説明していました。
先生の説明では、”誰そ彼(黄昏)”と”かわたれどき”は同じ意味を持っているということになります。
ですが”かわたれどき”について調べると、薄暗い時刻ではあるものの、多くは明け方を意味していると言います。
つまり
- かわたれどき:明け方
- かたわれどき:夕方
となり、2つの言葉は違う意味を持っていることがわかります。
なぜに三葉と瀧は”かたわれどき”に出会えたのか?
本日夜9時から、テレビ朝日にて『君の名は。』地上波初放送です。スタッフ全員の全力で、楽しい映画を作ったつもりです。ご家族やお友達と賑やかに、またはお一人でシリアスに、あるいはSNSでわーわー言いながら、どんな形でもお気楽に眺めていただけると嬉しいです。 pic.twitter.com/QJRi3XR7SB
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映画後半、三葉の口噛み酒を飲んだ瀧は、三葉と入れ替わることに成功。
その後、入れ替わった三葉と瀧は糸守湖が見える場所に行きますが、出会うことはできません。
しかし”かたわれどき”の間だけ、相手の姿を見ることができました。
ここでは2人が出会えなかった理由を解説したうえで、”かたわれどき”に三葉と瀧が出会えた理由を解説します。
三葉と瀧が出会えなかった理由
最初、三葉と瀧が出会えなかった理由は、2人が別々の世界にいたから。
- 三葉(中身は瀧):2013年の世界にいる→円形の糸守湖が見える
- 瀧(中身は三葉):2016年の世界にいる→瓢箪型の糸守湖が見える
もともと”入れ替わり”は3年の時間を超えて行われていました。
山頂に行った時も、3年という時間のズレがあったため、2人は別々の世界にいたのです。
だから三葉と瀧は同じ場所にいながら、相手の姿を見ることができなかったんですね。
ただし、お互いに相手の気配と声だけは感じることができましたが。
三葉と瀧が”かたわれどき”に出会えた理由
三葉と瀧が”かたわれどき”に出会えた理由は、作品序盤でのユキちゃん先生の説明にヒントがありました。
ユキちゃん先生は、”かたわれどき”について「世界の輪郭がぼやけて、人ならざるものに出会うかもしれない時間」と説明していましたね。
「小説君の名は」では、「魔物や死者に出くわすから逢魔が時なんて言葉もあるけれど」とも解説していました。
妖怪や幽霊などの魔物に遭遇する時間を意味し、大禍時とも書く。
”かたわれどき”は昼から夜に移り変わるときであり、時間の境界線があいまいな状態です。
時間の境界線があいまいな状態だからこそ、3年という時間の壁を越えて、三葉と瀧は出会えたのだと考えられます。
”かたわれどき”は自分の片割れに会える時間?
”かたわれどき”は、漢字で書くと片割れ時であることはすでに説明しました。
入れ替わっているときの三葉と瀧にとって、相手はまさに自分の片割れ。
分身といってもいいかもしれません。
ということは”かたわれどき”とは、自分の片割れ(分身)に会える時間帯と解釈することができます。
三葉と瀧が会えたのは2013年か2016年か?
三葉と瀧が会えたのは2013年の世界だと考えられます。
理由は円形の糸守湖と、空にはティアマト彗星が見えるから。
その後、”かたわれどき”から夜になると出会いは終わってしまいますが、このとき瀧の眼前には瓢箪型の糸守湖が広がっています。
瀧は2016年の世界に戻ったのだと思われます。
まとめ
新海誠監督「#すずめの戸締まり」公開記念
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社会現象を巻き起こした歴史的大ヒット作🎞☺️初めて観る方は、壮大な物語を堪能してください❗️
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”かたわれどき”の意味や、”かたわれどき”に三葉と瀧が出会えた理由について解説しました。
- ”かたわれどき”は「君の名は」に出てくる造語
- ”かたわれどき”は黄昏時と同じで夕方を表す
- ”かたわれどき”は夕方を意味するが、”かわたれどき”は明け方を意味することが多い
- ”かたわれどき”に三葉と瀧が出会えたのは、時間の境界線があいまいな状態だったから
- 三葉と瀧は2013年の世界で会えたと考えられる
改めて見直すと、設定から伏線まで実によくできた作品だと言えますね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!