「啄木鳥探偵處」鳥人・榊殺人事件の犯人は誰?脅迫文の意味についても

この記事では「啄木鳥探偵處」(きつつきたんていどころ)の「鳥人」に注目します。

このエピソードでは芸人の榊樹神の首が電線に絡り、榊が死亡します。

「鳥人」の芸の練習中に起きた事故のように見えますが、榊は何者かに殺されました。

榊樹神を事故に見せかけて殺したのは誰か、原作小説をもとにネタバレ解説します。

また榊に送られた「超人よ飛べ、分身が待つ黄泉の国まで飛ぶがいい」という文の意味についても解説します。

なお原作小説とアニメでは設定が異なる可能性があります。

「啄木鳥探偵處」(きつついたんていどころ)鳥人・榊殺人事件の犯人

鳥人・榊樹神殺人事件の犯人は清乃

「啄木鳥探偵處」の「鳥人」で榊樹神を事故に見せかけて殺したのは清乃(31歳)です。

清乃は花屋敷に勤務する女性です。

石川啄木の最初の調査では、榊と清乃(31歳)は交際しているとなっていました。

また榊は幸楽座の曲芸師・水原芳子(18歳)とも交際しているということでした。

そのため榊が殺されたとすれば、恋愛の三角関係のもつれが原因の可能性がありました。

しかし榊は三角関係のもつれではなく、清乃の恨みを買ったため清乃に殺されました。

では清乃はどんな人物なのか?

また清乃と榊にはどんな関係があり、清乃はなぜ榊を恨むようになったのか?

次で解説します。

清乃の人物像

清乃は埼玉県秩父出身です。

榊が芸を披露している幸楽座の座長・山根幸一郎と同郷です。

山根は秩父にいた時、当時4歳だった清乃を引き取ります。

清乃は1884年に起きた秩父事件で、親族を処罰され孤児になったためです。

>>>秩父事件について詳しくはこちら

しかし山根はその2年後上京し幸楽座を構えるにあたり、かわいい盛の清乃を大阪の知人に預けます。

清乃は大阪で榊と出会います。

ただし榊は双子で、清乃は弟の榊を親しくなり、交際するようになります。

榊の弟と交際していた清乃

榊の双子の弟は兄と組んで瞬間移動の芸をやっていました。

しかし兄が一人で瞬間移動をやっているように見せかけていたため、弟の存在は伏せられていました。

もともと大阪には禁忌の俗信として双生児を嫌う風習がありました。

そのため弟は差別を受けて育ってきており、芸においても表に出ることはありませんでした。

そんな榊の弟と清乃が出会います。

清乃も親族が秩父事件に関わったため、差別を受けていました。

差別を受けて育ってきた2人ですから、心を通い合わせるまでに時間はかかりませんでした。

榊が清乃の恨みを買った理由

榊の弟は清乃といっしょに生活していくために、兄に給料を上げてくれるように相談をします。

しかし榊の兄はそれを許さず、2人に別れろとまで言います。

やがて兄弟は話し合いのために外出しますが、弟は帰ってくることはなく、兄に殺されたようでした。

榊の兄はその後連日のように清乃の家を訪れては体を要求するようになります。

そこで清乃は幸楽座の山根を頼り上京し、山根のツテで浅草花屋敷に就職します。

しかし清乃は、幸楽座で芸をするために上京してきた榊と浅草で再会してします。

榊はまた清乃を追い回すようになります。

そして清乃の恨みを買っていた榊は、清乃に事故に見せかけて殺されたのです。

脅迫文「鳥人よ飛べ、分身が待つ黄泉の国まで飛ぶがいい」の意味

「鳥人よ飛べ、~」は清乃が送った脅迫文

榊がふさぎ込んでいると心配した幸楽座の座長・山根は、本人にその理由を尋ねます。

榊は理由を口にすることはありませんでしたが、「鳥人よ飛べ、分身が待つ黄泉の国まで飛ぶがいい」と書かれた紙切れを山根に渡します。

これは清乃が恨んでいる榊に送った脅迫文です。

ただこれだけでは意味がわかりませんよね。

そこで以下でその内容を解説します。

脅迫文の意味

「鳥人」とは榊のことです。

榊が隅田堤で空を飛ぶ芸をやっていた(実際には別の人物が芸をやっていた)ことからその意味はわかります。

しかし「鳥人」には別に本当の意味がありました。

スーダンのヌエル族では宗教的な観点から、至上の精霊と人間との中間的な象徴として、双子を「人間」ではなく「鳥」だとみなしています。

「分身が待つ黄泉の国」とは死んだ榊の弟がいる黄泉の国という意味です。

清乃はすべての事実と、スーダンのヌエル族で双子が「鳥」を意味することを知ったうえで、この文を榊に送りました。

脅迫文を受け取った榊もすべてを理解していたようです。

鳥人・榊殺人事件の疑問を原作小説からネタバレ

鳥人殺人事件の真犯人と脅迫文の内容について解説しました。

ただ鳥人殺人事件についていくつかの疑問が残ります。

その疑問について解説・考察します。

隅田堤で鳥人の芸をやったのは榊?

隅田堤で鳥人の芸をやったのは榊ではありません。

芸をやったのは清乃、騎西屋(酒屋)の番頭の齋藤与一と大道の軽業師の女(13才)です。

清乃が首謀者と考えられます。

軽業師の女が榊になりすまして空を飛んでいるように見せかけたのです。

3人は騎西屋の倉庫と貨物自動車、照明などを巧みに利用し、川の対岸にいる観衆からあたかも女が空を飛んでいるように見せかけます。

さらにその後3回、鳥人が空を飛んだと多くの人に信じさせる細工をします。

こうして清乃は榊が鳥人であると人々に信じ込ませます。

隅田堤での芸の前に

今宵九時、隅田堤を鳥人が飛ぶ。乞ふご期待。

奇術師・榊樹神

というビラを配ったのも清乃の仕業です。

榊が鳥人の芸の練習をしている時に電線に絡まって死んだとみせかけるために、清乃は他の2人を使い、鳥人の芸を披露しました。

清乃に協力した騎西屋の番頭と軽業師の女はどうなった?

清乃は心中に見せかけて二人を殺しました。

清乃に協力した齋藤と軽業師の女は男女の関係にありました。

齋藤は30代の家庭のある男、軽業師の女は13才の少女ですから、許されない男女の関係です。

清乃は石見銀山の砒石(ひせき)の毒を用いて綾瀬川の川辺で心中したように見せかけました。

その場所は彼らが鳥人の芸を披露した場所でした。

清乃はどうやって2人の協力をとりつけた?

清乃は齋藤と軽業師の女と協力を得て鳥人の芸を披露します。

ではどうやって2人の協力を取り付けたのでしょうか?

これについては原作小説を読んでもわかりませんでした。

作品中に齋藤が番頭を勤める騎西屋の軽貨物車に乗っている清乃が描写されています。

このことから齋藤と清乃に繋がりがあったことはたしかです。

ただ清乃がどのようにして齋藤と知り合ったのか、またどうやって齋藤らの協力を取り付けたのか、小説を読んでもわかりませんでした。

一つの可能性として、齋藤と軽業師の女の関係を知った清乃が齋藤を脅したことが考えられます。

家庭持ちの齋藤は、女との交際を妻に知られたら大変なことになります。

清乃は榊を殺す覚悟があるくらいですから、そのくらいの脅しをしても不思議ではありません。

ただ真相は不明です。

アニメで明らかになることを期待したいです。

榊殺しで清乃に共犯者はいる?

榊殺しで清乃に共犯者はいます。

騎西屋の齋藤と軽業師の女です。

榊は空を飛ぶ鳥人!という評判が高まったところで清乃(3人?)は榊を扼殺(やくさつ:手や腕で首を絞めて殺すこと)します。

そして3人は騎西屋の貨物自動車とはしごを使い、遺体を電線に引っ掛け、榊が鳥人の芸の練習中に電線に引っかかったと偽装します。

その後清乃は2人を口封じのために心中を装い殺害します。

清乃がどのように2人を殺したか疑問は残りますが、小説には記述がありませんでした。

まとめ

この記事では「啄木鳥探偵處」鳥人殺人事件の犯人や脅迫文の内容、疑問について解説しました。

  • 榊樹神を殺したのは清乃
  • 清乃は榊に恋人を殺されたり、しつこく付きまとわれたため榊を恨み殺害した
  • 脅迫文中の「鳥人」はスーダンのヌエル族の考えで双子を意味する
  • 隅田堤で鳥人の芸をやったのは清乃、騎西屋の齋藤、軽業師の女
  • 清乃は榊を殺した後、齋藤、軽業師の女を心中に見せかけて殺した

「鳥人」は?と思う点はありますが、ネタはかなり複雑で読み応えがありました。

アニメも楽しみです。

最後までご覧頂きありがとうございました!

関連記事
タイトルとURLをコピーしました