スタジオジブリのアニメ映画「天空の城ラピュタ」に登場するロボット兵。
機械ではあるのですが、自己で状況を判断し、自律行動を行える機能を備えています。
いわゆる「人工知能」に近いものを搭載しているロボットというわけですね。
ここでは、ラピュタに登場するロボット兵が、優しそう・怖そう・かわいそうと評価される理由を解説していきます。
さらに、宮崎駿監督の他作品に登場するロボットとの関連や違いについても説明していきますね。
ぜひ最後までお付き合いください!
「天空の城ラピュタ」ロボット兵とは?
ラピュタ人が作ったこの半有機体ロボットは、#飛行石 に反応し、ラピュタ人のみに忠誠を誓います。その仕様はさまざまで、胸のエンブレムや色にはいくつか種類があるんです。戦闘、看護、庭園の世話などで分類されていたものと思われます。→続く#ラピュタ #パズー #シータ #ロボット兵 pic.twitter.com/VaQvN0RrcV
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 30, 2019
空から降ってきた謎の物体
「ラピュタ」のロボット兵は、「軍が回収した、空から降ってきた謎の人型物体」として初登場します。
軍の調査でも、構成物質すら解析できない、謎の物体。
そのロボット兵が空から降ってきたことが、「現代以上の科学技術を持っていた、天空に島を浮かべたラピュタ帝国」がかつて実在し、現在も遺跡となって空に浮かんでいる確かな証拠である、と軍は判断し、本格的にラピュタの捜索を始めます。
何もない天空からロボット兵が降ってきたことが、軍が「天空に浮かぶ島」の実在を信じる根拠の一つになったわけですね。
正体はラピュタの科学力で作られたロボット
ロボット兵の正体は、ラピュタ帝国の失われた科学技術で作られたロボットです。
物語の中では、少しだけデザインが違っている2種類のロボット兵が確認されています。
1種類目は、軍の砦を破壊した戦闘用と推測される個体。
視聴者からは「戦闘用のロボット兵」と呼ばれています。
軍の砦や周辺地帯を焼き払うだけの火力のある兵器を内蔵していて、その圧倒的な戦闘能力で破壊活動を行いました。
この個体は、飛行石のペンダントがおまじないの言葉に反応してラピュタへの道を示した時に、休眠状態から目覚めています。
そこから、「飛行石のペンダントの起動に合わせて、近くにいるロボット兵が稼働し、ペンダントの所有者を護衛する」という命令がインプットされていると推測できますね。
さらに、作品中のロボット兵の行動から、周囲の状況を的確に判断し自立行動が可能なのも間違いないでしょう。
その人工知能の技術だけでも、ラピュタ帝国の科学技術のすごさが伝わってきますね。
ラピュタで庭園の管理をずっと続けている
【天空の城 ラピュタ】
パズーとシータとロボット兵♡
✨ pic.twitter.com/qnPycTtCq1— ジブリの森♡大好き (@ziburi_daishuki) September 30, 2022
2種類目の個体は、パズーとシータがラピュタにたどり着いたときに出会った、庭園を管理している個体。
視聴者からは「園芸用のロボット兵」と呼ばれていますね。
もっとも、作中に登場しないだけで武器を内蔵している可能性もあるので、園芸しかできないのかは定かではないのですが。
しかし、パズーたちへの対応から考えても、平和的な思考能力を持っているのは間違いないと推測できます。
園芸用の個体は、ラピュタ帝国が崩壊した700年前から、ずっと稼働し続けていて、ラピュタの庭園を管理しているのでしょうね。
こちらのロボット兵も、高度な知能を持っていて、ラピュタ帝国の優れた科学力を物語っています。
ちなみに、「戦闘用」と「園芸用」のロボット兵は、腕にギザギザの突起があるかどうかがデザイン上の大きな違いになっています。
腕にギザギザがあるのが戦闘用、ないのが園芸用ですね。
戦闘用ロボット兵のギザギザは、作中で空を飛ぶのに使っていたので、飛行機能のあるなしがデザインに反映されているのでしょう。
無数の個体がラピュタとともに休眠していた
この2体以外にも、ラピュタには休眠状態のロボット兵が無数に眠っていることが作中で明らかになっています。
ムスカが飛行石のペンダントを用いてラピュタの機能を復活させたことで、休眠中のロボット兵たちは起動し、軍の飛行戦艦ゴリアテを鎮圧しました。
その戦力はまさに圧倒的。
数えきれないほどに存在するロボット兵の戦闘能力、さらに「ラピュタの雷」の攻撃力、それ以外の兵器が存在する可能性を考えると、ラピュタが再び地上を支配できるだけの戦力を保有しているのは間違いないでしょう。
もしパズーとシータが止められなければ、ムスカが世界の支配者になっていたかもしれません。
ロボット兵には名前はあるの?
SNS上では、ロボット兵には名前があるのかという質問がしばしば見られます。
答えは「無い」です。
ラピュタの作品中に、ロボット兵の名前は一切登場しません。
にもかかわらずロボット兵の名前について話題になるのは、宮崎駿監督のほかの作品に登場するロボットとデザインが似ているため、同一個体であり、名前も同じなのではないかと言われているのが原因。
ただ、公式にはこれらの作品には直接の関連はないとされています。
「ラピュタ」ロボット兵が優しいけどかわいそう?
ラピュタで1番好きなのは、ロボット兵です。
優しいロボット兵。
鳥の巣を助けたり、花や鳥たちと仲良しなロボット兵。
エンディングでも、ロボット兵が一瞬見えるシーンで毎回号泣です。#ラピュタ#天空の城ラピュタ #金曜ロードSHOW #金曜ロードショー #金ロー #バルス #バルス祭り2019 pic.twitter.com/qsYqDEoa4k
— candybird【文鳥2羽・錦花鳥7羽・マメルリハ2羽と暮らす鳥好きアクセサリー作家】 (@BirdBoof3939) August 30, 2019
ロボット兵については、「優しそう」「かわいそう」「怖そう」といった、矛盾しているようにも思える様々な評価があります。
次は、なぜそんな風に評価されているのかを説明しましょう。
シータを守ろうとして破壊される姿が怖くて優しくてかわいそう
戦闘用のロボット兵は、起動直後に暴れまわり、軍の砦を破壊しました。
単純にそのシーンを見ると、「怖い」という印象を受けます。
しかし同時に、ロボット兵はシータを護衛対象として認識して、シータを守るために行動しているように見えますね。
ロボット兵とは意思の疎通(会話など)ができないので、あくまで行動から推測して結果ですが。
少なくとも、シータを傷つけないように注意しているのは間違いないでしょうね。
シータをそっとおろしてくれる姿には、優しさすら感じます。
ロボット兵は、その直後にゴリアテの砲撃で倒れるのですが、もしシータという足かせがなければ、逆に軍の戦力を壊滅させていたのではないでしょうか。
シータを守ろうとした結果、破壊されてしまうロボット兵の姿はかわいそうに見えて、悲しみを感じさせます。
ただ、このシーンには別の解釈もあるんです。
それは「シータを解放したのは、シータが飛行石のペンダントを落として護衛対象ではなくなったから」であり、別にシータの意思を尊重したわけではないという解釈。
そう考えると、このシーンの見え方がちょっと変わってきますね。
ただ、個人的にはロボット兵の優しさからの行動なのだと推測しています。
だって、その方が素敵じゃないですか。
ラピュタで墓守をする姿が優しそう
やべー
めっちゃラピュタ見たくなってきたロボット兵エモい… pic.twitter.com/OOHSdQvF3M
— you you (@youyou169196) September 26, 2022
ラピュタで庭園の管理をしている園芸用ロボット兵は、同時に庭園に存在するお墓の管理もしていました。
定期的に花を供えているようです。
また、庭園に住んでいる動物たちの面倒も見ています。
その姿は、ただただ優しそうの一言。
戦闘用ロボット兵にも感じた優しさを、より強く感じます。
ムスカの命令で行動する姿がかわいそう
最終盤で登場する無数のロボット兵は、ただムスカの命令に従って殺(さつりく)を行っていました。
その姿をシータは「かわいそうなロボット」と言います。
地上で戦闘用ロボット兵と接触し、ラピュタで園芸用ロボット兵と出会ったシータは、「ロボット兵にも心がある」と感じていたのです。
そして、その心は優しさに満ちていると。
しかし、ロボット兵たちはムスカの命令で戦わされています。
だから、シータはロボット兵がかわいそうだと表現したわけですね。
個人的には、「ロボット兵が見せる優しさは、シータの祖先であるラピュタ帝国の人間が優しい人たちだったからなのだろうな」と推測しています。
ムスカが言う「世界を支配するラピュタ帝国」の姿とはかけ離れていますが、きっとこの優しさこそが真実なのではないでしょうか。
宮崎駿監督の他作品に登場するロボットとの関連は?
ロボット兵さんが好きなの…( ´・ω・`)
可哀想なの…( ´・ω・`)#ラピュタ pic.twitter.com/D6lLxeyxN1— Anana♪ (@sherry8180) August 30, 2019
宮崎駿監督の作品には、ラピュタのロボット兵のようなロボットがほかにも登場しています。
最後に、ロボット兵と他作品に登場するロボットの関連や違いについて説明しますね。
「ナウシカ」の巨神兵との違いは?
風の谷のナウシカを
思い起こす。
ドロドロに溶けた巨神兵が、
火炎放射を放つ。
ガムシャラに
突き進むオームの群れ。
アメリカ・ウクライナと
ロシアのようだ。大切なことを忘れている、
命を慈しむこと。#命の尊厳pic.twitter.com/6UJA9yJ8Ge— 平和への道@彡トシピコ彡 (@toshipiko007) September 28, 2022
宮崎駿監督作品に登場するロボットで一番有名なのは、「風の谷のナウシカ」の巨神兵でしょうね。
巨神兵は、かつての文明社会を焼き尽くし破壊したという、伝説の巨大ロボット。
自律行動が可能で、封印を解いて目覚めさせたシュナの命令を聞いて行動しているように見えます。
細部のデザインはロボット兵と違うのですが、全体的なシルエットは似ているように感じますね。
また、戦闘能力や内臓兵器も近いものを感じます。
ラピュタのロボット兵とよく似ている存在です。
ただし、ロボット兵と巨神兵ではサイズが大きく違います。
映像を見ればわかりますが、巨神兵は数十メートルはありそうな巨体です。
対してロボット兵はせいぜい2メートル半くらい。
もし並べてみれば、絶対に見間違えようがないくらいに別物なんです。
「ルパン三世」に登場するラムダとそっくり?
ラピュタに出てきた【ロボット兵】だけど、正式な設定名称は無いのだとか。
【ラムダ】は、1980年のテレビアニメ『ルパン三世 さらば愛しきルパンよ』に出てきたコッチ pic.twitter.com/NWQenveZwN
— OZMA≠26時の夢みる私立妄想マジカル新党’46.inc☆METALファクトリー症候群C組の如く。 (@ozmarionette) April 9, 2021
1980年に放送された「ルパン三世(テレビ第2シリーズ)最終回・さらば愛しきルパンよ」に登場するラムダというロボットが、ラピュタのロボット兵とよく似ているという話もあります。
実際に見比べてみると、全体のシルエットなどがとてもよく似ていますね。
実はこの「ルパン三世・さらば愛しきルパンよ」のお話は、宮崎駿監督が別名義で製作したもの。
つまり、ラムダとロボット兵は同じ人物が設計したようなものなのです。
よく似ているのも当然といえるでしょう。
まとめ
ロボット兵には園丁タイプと戦闘タイプがあります。後者は腕に突起があり、皮膜を出して羽にします。身長は3m44cm、体重238kg。宮崎駿監督が演出した「ルパン三世」の『さらば愛しきルパンよ』にはラムダ(画像3)とシグマ(画像4)というロボットが登場していました。#天空の城ラピュタ pic.twitter.com/jhM0jzquRd
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) August 30, 2019
ここでは、ラピュタに登場するロボット兵が、優しそう・怖そう・かわいそうと評価される理由を解説し、宮崎駿監督の他作品に登場するロボットとの関連を紹介しました。
- ロボット兵はラピュタ帝国の科学力で作られた兵器で、高い戦闘力を持つ
- 「戦闘用」と「園芸用」の2種類が登場する
- 自律行動可能な知能を備えていて、優しさが感じられる
- 宮崎駿監督の他作品にもロボットが登場し、特に「ルパン三世」に登場するラムダとよく 似ている
ロボット兵は、ラピュタ帝国の優れた科学力を実感させてくれる超兵器です。
同時に、「ラピュタ帝国の人々は悪人ではなかったのではないか」とも考えさせてくれます。
ロボット兵の優しさは、ラピュタ帝国の人間の優しさの表れなのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!