「魔法科高校の劣等生(さすおに)来訪者編」では、まるで吸血鬼に血を吸われたかのように身体から10%ほどの血液が抜かれた状態の遺体が見つかる、いわゆる「吸血鬼事件」が立て続けに起こります。
これらの事件はパラサイトと呼ばれる非物質体の仕業であることが後にわかりますが、アメリカで発生したパラサイトが日本に渡るよう仕向けた黒幕がいます。
ここでは
- パラサイトが日本に渡るよう仕向けた黒幕はだれ?
- 黒幕の目的とは何?
この2点について解説します!
なおこの記事にはネタバレが含まれます。
目次
「魔法科高校の劣等生(さすおに)来訪者編」パラサイト事件の黒幕は誰?正体や目的についても解説
パラサイトを日本に渡るよう仕向けた黒幕の正体
アメリカで発生したパラサイトが日本に渡るように仕向けた黒幕はジード・ヘイグという人物です。
ヘイグはまたの名を顧傑(グ・ジー)。無国籍の華僑で、国際テロ組織(反魔法組織)「ブランシュ」の総帥です。
「ブランシュ」は「魔法科高校の劣等生入学編」(アニメ1期で放送)で、達也たちが倒した司一が所属していた団体です。
引用元:マンガ「魔法科高校の劣等生入学編」4巻
またヘイグは国際犯罪組織ノー・ヘッド・ドラゴンの前首領リチャード=孫の兄貴分でもあり、「黒の老師」などと言われています。
さらにヘイグは「フリズスキャルヴ」という世界中の情報をもたらしてくれるシステムのアクセス権を持つ7人のオペレーター・七賢人の一人でもあります。
なおジード・ヘイグの情報は、同じく七賢人の一人であるレイモンド・セージ・クラークにより達也にもたらされます(マンガ来訪者編6巻)。
レイモンド・クラークは雫の短期留学先のバークレーの魔法科高校に通っており、雫を「ティア」と呼んでいた人物です(マンガ来訪者編3巻)。
アメリカで起こっている吸血鬼(パラサイト)事件について雫が情報を仕入れたのもレイモンド・クラークからでした。
ジード・ヘイグの目的を解説
レイモンド・クラークは、パラサイトが日本に渡るよう仕向けたヘイグの目的についても達也に説明します。
レイモンド・クラークによると、ヘイグの目的は以下の2つ。
- 日本で吸血鬼(パラサイト)事件を起こし、その騒ぎに乗じて日本での活動拠点を再建すること
- 魔法を社会的に葬り去ること
まず1について、ブランシュ日本支部の壊滅とノー・ヘッド・ドラゴンの日本拠点喪失により、ヘイグは日本での活動拠点を失っていました。
そのため日本での活動拠点が必要だったヘイグは、パラサイトの騒ぎに乗じて活動拠点を作ろうとしていました。
次に2についてですが、ヘイグは日本で魔法を社会的に葬り去ることで日本の国力が低下することを狙っています。
ヘイグは大亜連合に与する立場の人物ですが、大亜連合は魔法後進国であるのに対して日本は魔法先進国です。
そのためヘイグは日本での魔法技術を駆逐することで日本の軍事力を下げ、大亜連合の国際的な軍事力を上げることで世界の軍事バランスを変える活動をしています。
この目的を達成するために日本でパラサイト事件が起こし、魔法が廃れるよう仕組みました。
達也はレイモンド・クラークによりもたらされたヘイグの情報をすべて信じたわけではありませんが、話の辻褄は合っています。
そこでレイモンド・クラークの話に乗り、パラサイト殲滅(せんめつ)に動くことにします。
「魔法科高校の劣等生(さすおに)来訪者編」パラサイトとは?
パラサイトとは何か解説
「魔法科高校の劣等生来訪者編」で事件の核になるパラサイトとは、USNA(北アメリカ大陸合衆国)が極秘に行ったマイクロブラックホール実験が原因で発生した非物質体です。
本来マイクロブラックホール実験は、ごく小さなブラックホールを人工的に作り出すことでそこからエネルギーを作り出すというというものです。
しかしマイクロブラックホールを生成すると、この世界と異次元の壁が一瞬ゆらぎ、異次元からエネルギーが漏れてきます。
このエネルギーが行き場をなくし、意思を持つ精神体になったのが「パラサイト」である、と考えられます。
パラサイトはヒトに取り憑くと、その宿主の身体を強化します。
そしてその宿主が死亡すると非物質体であるパラサイトは新たな宿主を求めてさまよいます。
ですからパラサイトを捕獲したり消滅させることは簡単ではなく、達也達は苦戦を強いられることになります。
死体から血液が10%無くなっている理由を解説
吸血鬼事件の犠牲者は目立った外傷がないのに体内から約10%の血液がなくなっていました。
血液がなくなるのはパラサイトが人間に取り憑くときに増殖に失敗した副作用のためです。
パラサイトは人間に取り憑くときに自分の一部を切り離し、分離体を宿主となる人体に送り込みます。
この際パラサイトは自分自身と取り憑いた人間の血液を置き換えることで、その人間の肉体に浸透し同化していきますが、同化に失敗すると人間の血液はパラサイトの分離帯とともに生気として人間の体外に排出されます。
このような理由から吸血鬼事件の犠牲者の体から大量の血液がなくなっていたのです。
パラサイト事件の結末を解説
パラサイト争奪戦
「魔法科高校の劣等生来訪者編」では、複数の勢力がそれぞれの思惑を持ちパラサイトの行方を追っていました。
- アンジー・シリウス(リーナ)
- 七草真由美&十文字克人
- 七草家
- 九島烈
- 四葉家
- 千葉エリカ
- 警察
- 司波達也・深雪たち
そのためストーリー終盤ではこれらの勢力によるパラサイト争奪戦のようなものが行われます。
レイモンド・クラークからの情報を元に動く達也
先程ご紹介した「七賢人」の一人・レイモンド・クラークからパラサイトの情報がリークされると、司波達也は深雪、吉田幹比古、柴田美月、光井ほのか、ピクシーとともに第一高校裏手の野外演習場に行きます。
そこには11体のパラサイトが集まっており、パラサイトを狙うアンジー・シリウス(リーナ)、千葉エリカ、九島烈が動かした国防軍第一師団所属遊撃歩兵小隊らもやってきていまた。
達也達は格闘の末、2体のパラサイトの封印に成功しますが、残り9体はパラサイトは精神体となってピクシーに襲いかかります。
ここで幹比古とほのかの助けを借りた深雪が精神さえも凍らせる魔法「コキュートス」を使い、9体の精神体を粉々に砕きます。
こうして吸血鬼(パラサイト)事件は幕を閉じるのでした。
封印された2体のパラサイトの行方
軍事利用も可能なパラサイトを四葉真夜や九島烈が密かに狙っていました。
四葉真夜の代理・黒羽亜夜子と九島烈は交渉の末、達也らが封印した2体のパラサイトを1体ずつ分け合い、それぞれが所有することになります。
このことが「来訪者編」以降で新たな事件を引き起こすことに繋がります。
まとめ
ここでは「魔法科高校の劣等生(さすおに)来訪者編」のパラサイト事件の黒幕と事件の結末について解説しました。
- パラサイト事件の黒幕は国際テロ組織「ブランシュ」の総帥ジード・ヘイグ
- ヘイグは日本での活動拠点の再建と魔法を社会的に葬り去ることを狙い、パラサイトが日本に来るよう仕向けた
- パラサイトとはマイクロブラックホール実験の結果生み出された意思を持つ精神体
- 達也らは9体のパラサイトの壊滅に成功したが、封印された2体のパラサイトは四葉真夜と九島烈が1体ずつ所有することになる
「魔法科高校の劣等生」にはむずかしい用語や概念がいくつも登場するので、理解するのが大変です(笑。
2020年10月からは「来訪者編」が始まりますが、予習のために原作ライトノベルまたはマンガを読んでおくのもいいかもしれません。
私はライトノベルではなく、7巻あるマンガを読みましたが、ボリュームもあり読み切るのが大変でした。
でもアニメをより楽しむことができると思うので読んでおいて正解でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました!