ゴールデンカムイ鯉登音之進の過去と誘拐事件を解説!裏切りについても

ゴールデンカムイ

「ゴールデンカムイ」に登場する鯉登音之進(こいとおとのしん)。

登場時は「キエェ」と猿叫(えんきょう)を上げるボンボンのお坊ちゃんでしたが、物語が進むにつれて立派な貴公子に成長しました。

鯉登はどのようにして金塊争奪戦を通して変わっていったのか。

ここでは鯉登の過去、誘拐事件、そして上司である鶴見中尉との関係を解説します!

 

「ゴールデンカムイ」鯉登音之進(こいとおとのしん)の基本情報

歩兵第27聯隊に所属する少尉

鯉登音之進は、陸軍歩兵第27聯隊に所属しています。

北鎮部隊とも呼ばれる、北海道を拠点とする第七師団の一部隊です。

階級は少尉。

少尉といえば、軍曹の月島、上等兵の尾形、宇佐美や一等卒の谷垣より階級の点では上です。

若くして少尉になれたのはエリートコースを歩んでいるから。

音之進だけでなく、彼の父と兄も軍にいました。

軍人の家系に育つ

鯉登音之進の父・鯉登平二は海軍の少将。

音之進は端正な顔立ちに特徴的な眉毛をしていますが、この眉毛は母譲りのようです。

浅黒い肌は父譲りでしょうか。

兄の鯉登平之丞も父と同じく海軍でしたが、音之進が8歳の時、日清戦争で戦没しました。

兄の死が幼い音之進に与えた影響については、後ほど解説します。

薩摩隼人で自顕流の使い手

鯉登音之進は「薩摩隼人」と呼ばれています。

本来の意味は薩摩の武士。

鯉登は武士ではありませんが、常に軍刀を携えていました。

浴びせる太刀は自顕流。

自顕流は薩摩藩士が編み出した剣術で、打ち込む際には猿叫と呼ばれる独特の気合いを発します。

鯉登の「キエェ」はこれが元になっているのかもしれませんね。

この流派は、新選組の近藤勇に「薩摩の初太刀は外せ」と言わせるほど重い一撃が特徴でした。

1862年に発生した生麦事件では薩摩藩士とイギリス人が揉め、イギリス人1名が犠牲に。

馬上にいるところを自顕流で斬られたと言われており、その威力がうかがえます。

鶴見中尉を崇拝

鯉登は、時に度が過ぎるくらい鶴見中尉に心酔しています。

隊の皆で撮った写真を加工し、自分以外は全て鶴見中尉の顔に貼り換え、鶴見中尉のメンコを自作するほど。

当然(?)鶴見中尉の写真もコレクションしています。

崇拝するあまり中尉の前では早口の薩摩弁になってしまい、月島軍曹が通訳する場面が度々見られました。

モデルは鯉登行一中将

珍しい鯉登の苗字ですが、実在の第七師団長に同じ鯉登姓を持つ人物がいます。

鯉登行一は陸軍上官の父を持ち、第七師団を率いて第二次世界大戦を生き延びた軍人でした。

最終階級は中将なので、陸軍の中でも相当出世したようですね。

大戦後、陸軍は解体されたので、事実上鯉登行一は最後の第七師団長になりました。

経歴の面で、鯉登音之進のモデルになったのは鯉登中将だと言えそうです。

鯉登少尉の過去と誘拐事件を解説

なかなか特殊な家に生まれた鯉登は、幼い頃から波乱万丈のイベント続きでした。

崇拝する鶴見中尉との出会いから誘拐事件まで、鯉登の過去を詳しく解説します。

兄の死のショックから船に乗れなくなる

以前の項目で家族について少し触れた通り、兄の平之丞は日清戦争で戦死。

13才年上の兄は優しく、色白だったため弟の鯉登が「桜島大根」とからかっても一度も怒ったりしなかったようです。

父と同じ海軍の平之丞は、鯉登一家の期待の星でした。

兄の乗った艦が砲弾を受けるのを、父は他の艦から見ていたと鯉登は語っています。

兄を喪った後、鯉登の父は、鯉登に対して声を荒げるどころか笑顔を見せることもなくなりました。

父が見つめ続けた兄の最期……

船上にいると兄のことを考えて酷く船酔いするようになり、鯉登は船に乗れなくなってしまいました。

14歳で鶴見中尉と出会う

鯉登が鶴見中尉と出会ったのは14歳の頃。

裕福な鯉登家の次男として、鯉登は鹿児島で暮していました。

有名な家柄を盾に好き放題やっていたようです。

ある日、当時高価だった三輪車を乗り回していた鯉登は、通りかかった男性にぶつかってしまいます。

謝りもしない鯉登を追いかけ、三輪車を停めさせる男性。

それでも全く悪びれない鯉登少年を、男性は真っ直ぐ諭します。

「ケンカをするなら自分の名前でやったらどうだ」

この男性こそが鶴見中尉でした。

カッとなった鯉登は、通行人の杖を借り自顕流で鶴見中尉に挑みますが、素手で止められた上に顔を叩かれます。

地元では誰も逆らえない鯉登家のお坊ちゃんに、一歩も引かなかった鶴見中尉。

圧倒された鯉登少年は、お詫びにと西郷隆盛のお墓を案内し、そこで兄の思い出を語りました。

鶴見中尉から貰い、兄のお墓に供えた「月寒あんぱん」。

父の転勤に伴って函館に引越す予定の鯉登少年でしたが、この「月寒あんぱん」が後々意味を持つようになります。

誘拐事件

16歳の夏、函館にいた鯉登は誘拐事件に巻き込まれます。

三輪車に乗っていた時、覆面の男たちに連れ去られてしまったのです。

無人のロシア領事館で見つかった三輪車。

鯉登の両親は鶴見中尉を頼り、息子を捜索することに。

鶴見中尉はまず犯人からの電話を誘う作戦を立て、成功します。

誘拐犯はロシア語で基地の無力化を要求。

息子の命と海軍の北の要(かなめ)。

鯉登の父は、職務を優先します。誘拐された鯉登もそれを聞き、受け入れました。

死んだ優秀な兄と、一日も船に乗れない自分。

自分は生まれて来なかったものと思って欲しい。

16歳の少年が父親に告げるには、あまりにも重い言葉ですよね。

中尉たちは、交換台から発信元の番号を急いで聞き出します。

発信元は、五稜郭。以前使われていた陸軍の訓練所からでした。

息子の居場所が分かった途端、鯉登の父は三輪車に乗って急発進。

後ろに鶴見中尉も飛び乗り、音之進の救出へ。

絶体絶命の鯉登少年でしたが、まさかの父が駆け付けます。

けれど驚きも束の間、父も捕まってしまいました。

扉の向うで響く銃声。

最悪の事態に焦る鯉登の前で、扉が開きます。

現れたのは、満身創痍の鶴見中尉でした。

助けてくれた鶴見中尉を崇拝するように

これ程ドラマチックに助けてくれたら、誰だって鶴見中尉のことを好きになってしまいますよね。

誘拐事件の一件で兄へ抱いていた劣等感も和らぎ、心が自由になった鯉登少年は鶴見中尉に憧れるように。

海軍はやめ、鯉登は自分の意志で陸軍士官学校へ入学します。

全てはあの誘拐事件。運命的な再会がきっかけでした。

捕まった先で、意図せず誘拐犯に食べさせられた「月寒あんぱん」。

思い出のお菓子が、鶴見中尉と鯉登を引き合わせたのかもしれません。

誘拐事件は仕組まれていた?

誘拐事件は、海軍の基地を守り、鯉登少年の命も助かった美談で終わりました。

でも、あまりにも出来過ぎた話だと思いませんか?

誘拐犯の目的が国絡みで、一国の軍事基地を無力化させることだったのなら、そうそうすぐ引き下がるでしょうか。

鶴見中尉と鯉登の再会も、運命と呼ぶには不自然なくらい偶然が重なっています。

誘拐事件は仕組まれていたのではないか。

再会してからずっと鶴見中尉を崇拝していた鯉登が疑いを抱くようになったのは、ある一言がきっかけでした。

あの時、誘拐犯の一人が最後に鯉登に放ったロシア語、Барчонок(バルチョーナク)。

日本語だと坊ちゃん、ボンボン。

余談ですがこの単語は19世紀末の小説に出て来るような古い言葉で、「ゴールデンカムイ」の時代を考えると、とてもリアルに感じられます。

鯉登はロシア語を知りませんが、バルチョーナクという一言は記憶していました。

実は、誘拐犯の他に、鯉登をバルチョーナクと呼んだ人間がいます。

重傷を負っていた尾形百之助が病院から逃げる際、追ってきた鯉登に向かって同じ呼び方をしたのです。

あの時の誘拐犯たちは、まさか……

鯉登は誘拐事件のことを思い出し、あまりに出来過ぎた鶴見中尉との関係に疑いを抱くようになります。

鯉登少尉は鶴見中尉を裏切るのか?

裏切らず最後まで見届けることを決意

金塊争奪戦、最後の舞台は五稜郭へ。

誘拐事件は、鶴見中尉の策略だった。月島軍曹や、他の部下の「美談」も本当は……

鶴見中尉は嘘を重ね過ぎて、人を試さないと信じられないのでは?

鯉登は、中尉に問いかけます。

残念ながら、鯉登の欲しかった言葉は返って来ませんでした。

お菓子のように甘い嘘を見抜いた鯉登。

それでも鯉登は鶴見中尉を裏切らず、金塊争奪戦に残ります。

憧れだった中尉のためではなく、部下のため。

この争いに協力した鯉登親子は、自分で選んだ結果だからどうなってもいい。

けれど中央に全て知られた時、部下たちは……

長い旅路を、月島軍曹たち部下に支えられた鯉登少尉。

鶴見中尉を疑う一方で部下との交流を経て、鯉登は大きく成長したのです。

鶴見中尉の死後は第七師団長に

戦いも最終盤を迎え、鶴見中尉は杉元にトドメをさされます。

ただ、遺体は見つかっていません。

中尉を失った後、順当に考えれば部下たちには中央から処罰が下ったと思われます。

中央との交渉役は、軍のエリートである鯉登が担当した可能性があります。

鯉登はその後、第七師団長になりました。

もしかするとモデルと同じく最後の第七師団長になり、部下を守り続けたのかもしれませんね。

まとめ

ここでは「ゴールデンカムイ」に登場する「薩摩の貴公子」鯉登音之進についてまとめました。

鯉登の過去は

  • 父も兄も海軍
  • 兄は戦死し、鯉登はトラウマで船に乗れなくなった
  • 幼い頃鶴見中尉と鹿児島で出会い、函館で再会
  • 鶴見中尉を崇拝し、海軍ではなく陸軍の道に進む

誘拐事件については

  • 函館でロシア語を離す覆面の男たちに誘拐される
  • 鶴見中尉の協力を得て救出される
  • 誘拐犯の一言が鶴見中尉を疑うきっかけに

鯉登は鶴見中尉を裏切ることはありませんでしたが、それは中尉や自分のためではなく部下のため。

鯉登の成長ぶりは、「ゴールデンカムイ」の見どころのひとつです。

わがままでお坊ちゃん気質な面もありますが、こんな上司がいたら素敵ですよね。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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