すずめの戸締まり/大事なものの意味とは?鈴芽は何を忘れていたのか考察

すずめの戸締まり

映画「すずめの戸締まり」の終盤、17歳の岩戸鈴芽は4歳だった自分に出会います。

そして後ろ戸を通り、現世(うつしよ)に戻った17歳の鈴芽は、「私、忘れてた」「大事なものはもう全部、ずっと前、もらってたんだ」とつぶやきます。

そんな鈴芽を見ていた宗像草太は、やさしそうな笑みを浮かべて頷きます。

では、鈴芽が忘れていたもの何だったのでしょう?

今回は「大事なもの」の意味を考察します。

 

「大事なもの」の意味とは?鈴芽は何を忘れていたのか

17歳のすずめが4歳の自分に語り掛けたこと

要石(ダイジン)を刺し、ミミズを押さえこむことに成功した鈴芽は、4歳だった自分を発見。

そして17歳の鈴芽は、行方不明の母親を探す幼い自分に椅子を渡し、こう語りかけます。

あのね、すずめ。今はどんなに悲しくてもね

すずめはこの先、ちゃんと大きくなるの。

だから心配しないで。未来なんて怖いくない!

[中略]

あなたはこれからも誰かを大好きになるし、あなたを大好きになってくれる誰かとも、たくさん出会う。

また夜が来て、それを何度も繰り返して、あなたは光の中で大人になっていく。

引用元:「小説すずめの戸締まり」

そして4歳の自分に「お姉ちゃん、だれ?」と尋ねられた17歳の鈴芽は、「私は、すずめの、明日」と答えるのでした。

 

その後、後ろ戸をくぐり現世(うつしよ)に戻った鈴芽は、「大事なものはもう全部、ずっと前、もらってたんだ」を呟くのでした。

「大事なもの」「忘れていたもの」とは?

17歳の鈴芽は、4歳のすずめにこんなことを伝えたかったと考えられます。

生きる喜び、未来への希望。

好きになってくれる人や、好きになる人との出会い。

やさしい愛に包まれて、すずめは成長していく。

これらのことは、すでに約束されている。

だからどんなに辛いことがあっても、自信をもって立派に生きていきなさい。

つまり、これが鈴芽の言う”大事なもの”であり、”忘れていたもの”。

 

とても素敵なメッセージですが、大きくなる過程で、鈴芽は17歳の自分から受け取ったメッセージを忘れてしまいます。

まだ幼かったので、17歳の自分が言ったことが理解できなかった可能性もありますね。

繰り返し夢を見ても思い出すことはできなかった

鈴芽は繰り返し見る夢がありました。

4歳の自分が母親を探す夢です。

しかし母親(実際には母親ではなく17歳の鈴芽)を見つけ、「おかあさん」とつぶやいた瞬間、夢から覚めてしまいます。

夢の中では、17歳の鈴芽から言葉をかけられていないんですね。

だから鈴芽は「大事なもの」を忘れていたのだと考えられます。

 

「すずめの戸締まり」鈴芽が旅の中で出会った人たち

17歳の鈴芽は「あなたはこれからも誰かを大好きになるし、あなたを大好きになってくれる誰かともたくさん出会う」と、4歳の自分に話します。

この言葉の通り、わずか1週間の旅の中で鈴芽は多くの人と出会い、少しずつ成長しながら、故郷の岩手県にある後ろ戸にたどり着きます。

出会った人たちとは、鈴芽が好きになり、鈴芽を好きになってくれた誰かでした。

ここでは鈴芽が旅の中で出会った人をまとめました。

海部千果:何も聞かず鈴芽がやっていることを認める

ダイジンを追ってフェリーに乗り、愛媛県にある八幡浜港に着いた鈴芽は、同じ年齢の海部千果(あまべちか)に出会います。

千果は鈴芽を廃校近くまで送っていったり、自宅の民宿に泊めたり、服を渡したりなど、鈴芽の旅に協力。

そんな千果は「あんたって、なにもん」と、一度は鈴芽に質問をします。

でも「あんたはなんか、だいじなことをしとるような気がする」と、深く追求することはしませんでした。

千果のやさしさに触れた鈴芽は、思わず泣きそうになります。

鈴芽が最初に出会ったのが千果でよかったですね!

二ノ宮ルミ:家出少女と気が付きつつ優しく受け入れる

明石海峡大橋を渡り、神戸に行ったダイジンを追い、ヒッチハイクをする鈴芽でしたが、なかなかうまくいきません。

そんな鈴芽を拾ったのが二ノ宮ルミ。

神戸でスナックを経営するルミは、鈴芽に子どもの世話を任せたり、店の手伝いをさせたり。

その後、閉演した遊園地で戸締りをして帰ってきた鈴芽を、「どこ行っとたの?」「どない心配したか?」と少し叱りながらも、優しく出迎えます。

もし何かあったら鈴芽の両親に申し訳ない、とルミは思ったのでしょう。

 

翌朝、新神戸駅まで鈴芽を送ったルミは、鈴芽にスポーツキャップを被らせて、「親御さんにはちゃんと連絡するんよ」と、鈴芽を送り出します。

家出少女であることに気が付いていながら、ルミは鈴芽を受け入れていたのです。

大人の女性の優しさですね。

芹澤朋也:鈴芽と環の間で振り回される草太の同級生

草太の下宿先で鈴芽が出会ったのが芹澤朋也。

草太に20,000円貸しているという芹澤は、鈴芽を岩手県まで送っていくことに。

芹澤の車には環やダイジンも(途中からはサダイジンも)同乗。

鈴芽と環の間にはさまれた芹澤は、いろいろと振り回されることに。

微妙な関係ですからね、鈴芽と環は。

教師に向いていないように見える芹澤ですが、環に気を遣って古いJポップを流したり、河合奈保子の「けんかをやめて」を流したりなど、優しいところもあります。

おかげで鈴芽は、故郷から20㎞のところまでたどり着きます。

 

小説版では”いやなチャラ男”のイメージしかなかった芹澤ですが、映画ではとても”いいやつ”でした(笑。

岩戸環:過保護ながら鈴芽を優しく見守る

母親の椿芽(環にとっては姉)を亡くた鈴芽を引き取り、12年間育ててきた岩戸環(たまき)。

雀のキャラのお弁当を鈴芽に持たせたり、旅に出た鈴芽を追いかけて東京まで来たりなど、過保護な面を持った叔母です。

里帰りをする途中の道の駅で、サダイジンに乗り移られた環さんは、「私の人生、返しんさい!」「もう、うちから出ていきんさい!」と、鈴芽に思わず本音を言ってしまいます。

でも、その後の環さんは自転車を漕いで、鈴芽を故郷まで連れていきます。

 

今回の経験を経て、環さんも成長した一人。

小説の最後で「環さんとの口けんかは増えたけど、それは気持ちの良い思考の交換作業」と鈴芽が感じているように、環さんと鈴芽の関係も、旅をしたことでより良いものになったようです。

個人的に、一番好きなキャラは環さんでした(笑。

いい人が見つかるといいですね!

宗像草太:誰にも知られることなく大事なことをする閉じ師

旅をする中で、鈴芽と草太の間には恋愛感情が生まれていきます。

でも鈴芽と草太の関係は「君の名は」の三葉と瀧の関係とは違い、バディ(仲間、相棒)の関係。

2人で困難を乗り越えていきましたからね。

 

神戸での夜、鈴芽は草太から「大事な仕事は人からは見えない方がいいんだ」という話を聞きます。

”大事な仕事”とは、閉じ師の仕事のこと。

大事な仕事ほど人から注目されて、たくさんのお金をもらえると思っていた鈴芽には意外でした。

鈴芽と草太には、ずっといい関係でいてほしいし、できれば付き合ってほしい!

後日談があるといいですね。

 

まとめ

「すずめの戸締まり」の「大事なもの」の意味を考察しました。

  • 鈴芽の忘れていた「大事なもの」とは「生きる喜びや未来への希望。好きになってくれる人や、好きになる人との出会い。やさしい愛に包まれて、すずめは成長していく」だったと考察

鈴芽が旅の中で出会った「好きになってくれる人や好きになる人」についてもまとめました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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