すずめの戸締まりは魔女の宅急便やジブリのオマージュ?ルージュの伝言が流れた理由についても

すずめの戸締まり

2022年11月公開の映画「すずめの戸締まり」。

日本全国に点在する後ろ戸を閉じていく中で、主人公・岩戸鈴芽(いわとすずめ)が成長していくロードムービーです。

さて映画「すずめの戸締まり」には、「ジブリオマージュが多い」「ジブリ感があるところが面白い」という感想が見られます。

特に「魔女宅のオマージュ」と感じている方が多いようです。

「すずめの戸締まり」は「魔女の宅急便」のオマージュなのか、考察します。

すずめの戸締まり記事一覧はここから

 

新海誠監督が「魔女の宅急便」について言及

上の動画をご覧ください。

2021年12月15日(水)に実施された「すずめの戸締まり」製作発表会見の舞台裏の様子と特別インタビュー映像が収められています。

動画の中で新海誠監督が、宮崎駿監督作品「魔女の宅急便」について言及しています(12分47秒あたりから)。

一部書き起こすと、

すごく宮崎駿監督の「魔女の宅急便」の影響を受けているんですね。

魔女も出てこないし、デリバリーもしないんですけど、

でも「魔女の宅急便」の影響を強く受けている要素というものが

まだ言えない部分にまだかなりあります。

話の構造は全然違うし、キャラクターも違うし

見ていて物語も全然違うと思うと思うんですけど

映画を見ていただければ「なるほど、魔女の宅急便の要素がここにあるな」

っていうふうに気付かれる方が結構いるんじゃないか。

映画が公開してみていただいたときには、ちょっとそこを

思い出していただけると、なるほどって思えるんじゃないかな。

「すずめの戸締まり」を見た多くの方が、

  • 魔女宅のオマージュだった
  • すずめの戸締まりを見たら魔女宅を見たくなった

と感じるのは必然と言ってもいいでしょう。

 

「すずめの戸締まり」と「魔女の宅急便」の3つ共通点とは?

「ジブリ感がある」「魔女宅感がある」と多くの方が感じる映画「すずめの戸締まり」。

では「すずめの戸締まり」のどんなところに「魔女宅感がある」を感じるのでしょうか?

私が感じた「すずめの戸締まり」と「魔女の宅急便」の3つの共通点を解説します。

10代の女性が成長していくロードムービー

最初の共通点は、10代の女性が成長していくロードムービーであるということ。

「魔女の宅急便」は、13歳の主人公・キキが実家を離れ、魔女の修行のために見知らぬ街で成長していく姿を描いています。

修行の過程で、キキは飛べなくなったり、途中からはクロネコのジジと話せなくなったり。

それでも最後にキキは、飛行船から墜落しそうになるトンボを救出します。

一方の「すずめの戸締まり」では、17歳の主人公・岩戸鈴芽が愛媛、兵庫、東京、岩手と旅をしながら、開いた後ろ戸を閉めていくストーリー。

途中で宗像草太が要石になってしまいますが、鈴芽は草太を救うために、自分が幼い頃に偶然くぐった後ろ戸を探す旅に出かけます。

宮崎を出発して帰るまでの日数はわずか一週間ほどですが、その中で鈴芽も大きな成長を見せます。

設定もストーリーもまったく異なる「魔女宅」と「すずめの戸締まり」ですが、10代の女性が成長していく姿は共通していると感じます。

旅立ちのワクワク感

2つ目の共通点は旅立ちのワクワク感。

「魔女宅」のキキは魔女の慣例に従い、13歳の春の満月の夜、黒猫のジジと旅立ちます。

旅立ちを迎えたキキはとても楽しそう!

これから何が待っているんだろう、という期待感にあふれていましたね。

「すずめの戸締まり」の鈴芽の旅立ちは、キキとはかなり違います。

猫のダイジンと椅子に変えられてしまった草太と追って、鈴芽はドタバタしながら家を出発。

何の準備もないままにフェリーに乗り、愛媛県へ。

そのうえ環さんからは、悪い男と付き合っていると疑われる始末。

それでも翌朝、愛媛に着くころには、鈴芽は「どきどきする」とこれから始まることに胸を躍らせていました。

御茶ノ水駅から芹澤の車に乗って、実家に向かう時にはそれどころではなかったでしょうが・・・。

どちらにも猫が登場

「魔女の宅急便」にも「すずめの戸締まり」にも、猫が登場する点も共通していますね。

「魔女宅」では、キキは魔法を使って黒猫のジジと会話することが可能。

でも魔法が弱まったためか、途中からキキはジジと話ができなくなってしまいます。

キキとジジの関係性、やり取りは「魔女宅」の大きな魅力です。

「すずめの戸締まり」にも、猫のダイジンとサダイジンが登場。

特にダイジンの姿に心を打たれた人は多いはず。

鈴芽たちを後ろ戸が開く場所に案内したり、皇居のお堀に鈴芽が落ちるときに、身を挺して守ったり、健気で献身的なんですよね、ダイジンは。

それでいて鈴芽からはちっとも愛してもらえないから、ちょっとかわいそう・・・。

最後に要石に戻ったダイジンを見て、涙を流した人は多いのでは。

なお宮崎監督は猫があまり好きではないのに対して、新海監督は猫好き(間違っていたらすみません)。

それでも宮崎監督作品には気まぐれでかわいい猫が登場して、作品に彩を添えてくれるのですから、興味深いですよね。

「すずめの戸締まり」は「魔女宅」のオマージュなのか

「すずめの戸締まり」は魔女宅やジブリ作品のオマージュ?

  • 10代の女性が成長していくロードムービー
  • 旅立ちのワクワク感
  • どちらにも猫が登場

3つの共通点がある「すずめの戸締まり」と「魔女の宅急便」。

しかも新海誠監督自ら、「魔女宅」に影響を受けていると話しています。

「すずめの戸締まり」は「魔女の宅急便」のオマージュなのでしょうか?

ジブリオマージュの要素は多い

「すずめの戸締まり」にはジブリ感、オマージュ要素があるのは事実。

したがって、ジブリオマージュの作品と言って差し支えないでしょう!

映画を見た多くの方も、ジブリ感が多いと感じているようですしね。

現実に起きた震災を扱ったという点でジブリ作品とは一線を画す

ジブリ感が多い「すずめの戸締まり」ですが、現実に起きた震災を扱ったという点では、従来のジブリ作品とは一線を画していると感じます。

ジブリ作品の中には「もののけ姫」のように、人間と自然の対立という深い題材を扱った映画がありますし、文明の破壊と再生や戦争の批判について扱った「ナウシカ」のような作品もあります。

しかし「すずめの戸締まり」は、わずか10年前に現実に起きた東北地方太平洋沖地震や東日本大震災に真正面から向き合っています。

 

東日本大震災は犠牲者が多く出た出来事ですし、今でも苦しんでいる方がいるので、エンターテイメントの中で簡単に扱える題材ではありません。

批判が出ないとも限りませんし。

「魔女宅」が感じられる「すずめの戸締まり」ですが、ありきたりではない東日本大震災を描いたという点で、ジブリ作品とは異なるように感じられます。

このあたりは見る方によって大きく見解はわかれるかもしれませんが。

「すずめの戸締まり」でルージュの伝言が流れたのはなぜ?

「ルージュの伝言」は「魔女宅」のオマージュシーン?

芹澤朋也が御茶ノ水駅を出発して、一番最初にかけたのが荒井由実さんの「ルージュの伝言」。

この曲を聞いて「魔女宅」を思い出した方も多いはず。

キキの旅立ちの時に流れていた曲ですからね。

「ルージュの伝言」は「魔女宅」のオマージュシーンと言ってよく、新海監督から宮崎監督への経緯が感じられました。

「ルージュの伝言」が流れたのは、「魔女宅」に影響を受けたからといって間違いないでしょう。

 

ドライブが始まったときの鈴芽の心は不安でいっぱいでしたし、環さんもかなりイラついていました。

芹澤はそんな雰囲気を察して、旅立ちにピッタリの「ルージュの伝言」を流したと思われます。

昭和ポップスには違和感あり?

昭和歌謡曲が近年ブームというニュースを目にすることがあります。

「すずめの戸締まり」でも、芹澤が車の中で昭和ポップスを何曲も流していましたね。

どれもいい曲ばかり。

ただ個人的には芹澤の選曲には違和感がありました。

そもそも今どきの大学4年生のスマートフォンに「けんかをやめて」「SWEET MEMORIES」「卒業」「バレンタイン・キッス」などの昭和歌謡曲が入っているでしょうか?

「けんかをやめて」が流れたときは笑ってしまいましたが(笑。

作中で流れた曲は、個人的に好きなものばかり。

それでもほどほどならいいけど、今回については少しやりすぎかな、という印象でした。

 

まとめ

  • 「すずめの戸締まり」は「魔女の宅急便」に影響を受けている
  • 「すずめの戸締まり」は「魔女の宅急便」には、10代の女性が成長していくロードムービー、旅立ちのワクワク感、どちらにも猫が登場するという共通点がある
  • オマージュ要素はあるが、震災を正面から扱ったという点で、「すずめの戸締まり」はジブリ作品と一線を画すると感じる

最後まで読んでいただきありがとうございました!

タイトルとURLをコピーしました